続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「麺屋 六文銭」【宮原】

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◆「麺屋 六文銭」【宮原】

 

 ◎「もりそば(中盛)」八九〇円+「トッピングチャーシュー(40g)」二〇〇円
  +「味付け玉子」一一〇円

 

 …今週も息も絶え絶えに成り乍ら、何とか生き永らえて週末の休日に逃げ込む。

  そんな週末も、颱風さんがいらっしゃるとかで、日曜日は潰れたも同然。

  家で大人しく、体育座りをして膝を甘噛みし、すんすん泣くより他無い。

  夢も希望も無い毎日に、何とか生きる糧を見付けようとしている所に舞い込んだ、

  十一月二十三日の「鈴木茂☆大滝詠一を唄う!!Tribute live」の報。

  先行予約は二度外れ、今朝一〇時からの一般発売に賭け、時間丁度に駆け込むも、

  全く繋がらず、数分後に繋がった時には予定枚数終了の宣告。

  僅か三〇〇席程の会場の切符を取ると言うのは酷だ。

  土曜日の朝から、生きる希望を見出そうとして居た道を断たれ、敢え無く轟沈…。

  垂れ流しの人生を送る事が決定し、午前中は抜け殻の様な廃人同様の生活。

  十二時半に成り、明日は颱風で出られないので、買い出しがてら昼御飯。

  八月三日以来、一ヶ月振りの定点観測の此方へ御邪魔する。

  硝子戸を開けて店内に入ると、客は誰も居らず、静かに食事が出来そうだ。

  券売機で一通り食券を購入し、女将さんに手渡し、止まり木にヨッコイショーイチ。

  冷水を汲み、呷り乍らゆっくりと待つも、後から年端も行かない糞餓鬼を連れた、

  倖せを演じた仮面家族が二組襲来し、店内は一気に自由な雰囲気が支配する。

  止まり木の食卓をバンバン叩くわ、足で蹴るわ、馬鹿親も叱るでもなく窘める程度。

  糞餓鬼を作ったら作りっ放しで、まあ、御里が知れるわね。

  精々、人様に迷惑を掛けるなんて事が絶対に無い様、頑張って躾をして呉れ給え。

  さて、そんな苛々を緩和して呉れる様に、女将さんが配膳して呉れる。

  一ヶ月振りなので、随分と久し振りの感じがするが、つけ麺に集中しよう。

  先ずは麺の上の叉焼、茹で野菜、海苔をつけ汁に移す事から始める。

  麺の上がさっぱりした所で、麺を手繰り、つけ汁にドヴンと浸して啜る。

  嗚呼、此の甘酸っぱくも、円やかでコクの有る、角の取れた味わいが最高だ。

  出入口の壁上に飾られた、故・山岸一雄氏の写真が物語る通り、

  「東池袋大勝軒」で修業、研鑽を積んだ御店主の実直な仕事振りが味に滲み出る。

  国産素材のみを厳選した完全無化調に拘り、滋味溢れる旨味が迸る。 

  動物系の出汁は、豚背骨、鶏胴ガラ、拳骨、鶏油、豚背脂、豚頭骨、鶏足、

  鶏頭から炊き出され、円やかでコクの有る味わいが冴え渡る。

  麺は、旧「六文銭」、現「フレンチバル セゾニエ」で打たれた自家製麺

  昨年春頃から、既製の全粒粉から、自家製の全粒粉に変えたとの事で、

  玄小麦を仕入れ、より香ばしくする為に炒り、石臼挽きしていると言う拘り。

  澱粉等の混ぜ粉を使い、茹で時間を短縮し、もちもち感を出す事も出来るが、

  小麦本来の香り、風味が損なわれるので其れをせず、麺を口に入れた瞬間、

  広がる小麦本来の香りと風味全てを引き出す為、北海道産一〇割で、

  全粒粉を始め、四種類を独自に配合していると言い、麺自体に旨味が有る。

  僅かなざらつきと滑りが心地好く、風味豊かで腰と弾力が伝わって来る。

  もっちりとして、噛むのが愉しい麺だ。

  「中盛」で三六〇瓦だが、ぺろりと平らげられそうだ。

  さて、具の叉焼は増したので、六切れと心強い。

  大きさや厚味こそ無いが、確りと味が染み込み、つけ汁の熱で脂身が蕩け、

  那須高原豚の肉質の良さが堪能出来、自動車でなければ一杯飲りたい気分。

  味付け玉子は齧れば黄身がどぴゅっと飛び出そうで、ねっとりと濃厚。

  矢張り、最高だな。

  出来る事なら、「赤星」を手酌で飲り乍ら、「もりチャーシュー」一一〇〇円に、

  「味付け玉子」一一〇円、「青森生にんにく」一一〇円、「メンマ」一一〇円、

  「キャベツ」一一〇円、「のり」六〇円、「生たまご」六〇円を頂きたい…。

  一六六〇円のつけ麺を頂くには、石油でも掘り当てないと無理だな。