続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「博多ラーメン ガツン 本所本店」【蔵前】

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◆「博多ラーメン ガツン 本所本店」【蔵前】

 

 ◎「ラーメン」六〇〇円

 

 …木曜日。

  徐々に風雨が強まり、目の前の溷川の水位も上昇しており、嵐の接近を感じる。

  別段、工藤静香ではないので、嵐を起こして欲しい訳ではない。

  明日は又しても玉子を求めて上田に出掛けようと予定しているのだが、

  果たして、如何成る事やら、今夜が峠だな…。

  さて、話は遡って一昨日。

  此の日も運良く、二日連続で独りぼっちで昼御飯を摂る機会に恵まれ、

  十三時四〇分に外へ出て、束の間の息抜き、心休まる時間を迎える。

  颱風の前の好天なので、河を渡って少し歩いてみよう。

  脱北者宜しく、スミダ河を決死の覚悟で渡り、スミダ区へ亡命を果たす。

  スミダ区だが、朝鮮漬けの匂いが漂っているなんて事は無いので安心だ。

  向かう先は、九月九日以来、一ヶ月振りの此方へ三度目の訪店。

  定期的に豚骨ラーメンは補充したい性質なので。

  十四時前に店内に入れば、先客は一名のみで、ゆっくりと出来そうだ。

  先ずは券売機で食券を購入するが、過去二回の「全部入りラーメン」は止し、

  「ラーメン」にするが、増税前は五三〇円だったが、六〇〇円へと価格改定。

  国家公務員様、国会議員様の昇給分の穴埋めの為の増税なので、

  庶民は上級国民様の生活を支えなくてはいけないと言う国の仕組みなのだから。

  こんな世の中で、一億人が総活躍出来るとは到底思えないが…。

  賤民の戯言は兎も角、止まり木にヨッコイショーイチし、食券を提示する。

  厨房内には、妙齢の女性店員氏が一人で切り盛りしており、何とも逞しい。

  麺の硬さを訊かれるが、先ずは「普通で」と伝え、出来上がりをヂッと待つ。

  店内は「俺のラーメンの唄」、「ラーメンR&R」と言う曲が繰り返し流れている。

  五分強でラーメンが差し出され、手元へと下ろし、擂り胡麻と紅生姜を投入し、

  先ずは蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。

  御覧の通り、外気に触れて、表面の膠原質、油分が凝固して行く様が素晴らしい。

  下茹で、灰汁取り、長時間圧力煮込みに依り、豚骨を粉砕して裏漉しする為、

  背脂を入れた様な円やかな仕上がりで、豚骨から抽出された髄と言う。

  純度一〇割の豚骨は円やかで滑らかな口当たりも、野性味溢れる味わいも主張し、

  此れで六〇〇円で、替え玉一玉無料は費用対効果は抜群で、素晴らしいの一言。

  此処「本所本店」を始めとして、「両国店」、「扇橋店」を展開し、

  「多田製麺所」直営と謳い、麺の経費が削れるからだろう。

  其の麺は、季節や気温、湿度、水温の変化に応じて、日々、加水量等を吟味し、

  豚骨スープと相性抜群の低加水麺を製造していると言い、特に夏期は気候を考慮し、

  鮮度保持性の高い冷蔵貯蔵で麺を熟成させ、旨味が凝縮した状態を維持との事。

  もそもそとした感じの細麺は、粉の風味も感じられ、低加水で秀逸。

  叉焼は薄っぺらだが、しっとりとした口当たりで、豚の臭味は感じられない。

  具は他に木耳、浅葱。

  さて、替え玉を御願いしようじゃないか。

  勿論、茹で時間二秒の「湯気通し」で発注し、菜箸で勢い良く撹拌して笊揚げ。

  そして、差し出した丼へと入れて呉れ、此れを啜ると言うより、喰らい付く。

  生と言って良い麺は、噛むと歯にくっ付く程で、此の粉っぽさが堪らない。

  炭水化物偏愛者が悶絶して悦ぶ食感と味わい。

  最後はプースーを飲み干せば、丼の底には、膠泥を乾かして削った様な、

  薄い桃色をした骨粉、髄が沈殿しており、其れも残らず頂いて丼を上げ、

  「御馳走様でした」と告げれば、件の女性店員氏から「綺麗に食べて頂き、

  有難う御座います」と返され、少し照れてみるぽんこつおぢさん…。