◆「驛釜きしめん」【名古屋】
◎「きしめん(温)」六七〇円
…土曜日。
此の日から一泊で岐阜、名古屋を巡る旅に出て、初日は岐阜城、犬山城を見物し、
晩は旅籠近くで名古屋名物の手羽先唐揚げを堪能するが、時間は未だ早い。
何時もならば、呑んだら〆のラーメンなのだが、如何せん、場所は名古屋。
土地勘も無く、当ても無いので、一先ず、名古屋駅構内を徘徊してみよう。
反対口に出て、名古屋鉄道百貨店に在る、噂では聞いていたナナさんを見て、
取り立てて、他にする事も無いので、さて、矢張り〆る事にしよう。
郷に入っては郷に従えと言う事で、此処でも名物である棊子麺が当然だろう。
ごった返す駅構内に在る「ジェイアール東海フードサービス」経営の此方へ。
場所柄、繁盛している様で、暫し店頭で待ち、一〇分程でヨッコイショーイチ。
献立表を眺め、未だ残暑が厳しいので「ざるきしめん」が良いかと思うも、
折角なので、基本の「きしめん(温)」を発注。
冷水を呷り、酔い醒ましをし乍ら、薄ぼんやりと出来上がりをヂッと待つ。
五分強で出て来た棊子麺は、ルーシーがロイクーで関東人が悦ぶ色合い。
先ずは口から御出迎えで、丼を持ち上げ、ルーシーから啜ろう。
キリっとした醤油の味わいと、鰹出汁の風味が中々で、じんわりと染み渡る。
甘からず、辛からず、濃からず、薄からず、呑んだ後には持って来いだ。
さて、麺はと言うと、国産小麦一〇割と言う、小麦粉と塩だけの無添加を謳う。
啜ると、ちゅるんとして、口内につるんと収まる。
埼玉県、群馬県で御馴染みの紐皮饂飩程は幅広ではないが、此の手の麺は好きだ。
具は味の滲みた油揚げ、蒲鉾、菠薐草、葱、そして、大量の鰹節。
プリン体たっぷりで、道理で足の親指がしくしく疼く訳だ…。
汗だくで食べ終えれば、棊子麺は運動だな。
~御負け~
成長し過ぎた挙句、つるっ禿げのナナさん。
ナナさんのマンチラ…。