続・ROCK‘N’ROLL退屈男

続・ROCK‘N’ROLL退屈男 B面⇒https://twitter.com/RandR_taikutsu

「元祖田舎っぺ 北上尾店」【北上尾】

◆「元祖田舎っぺ 北上尾店」【北上尾】

 …昨晩は、今は無き「和彩楽酒 かもん」、「和匠喜酒 かもん」の常連だった方達と、
  其のマスターが今勤めている「季風亭」に出掛け、旧交を温める。
  思い出話、馬鹿話に花を咲かせ、久し振りに楽しい時間を過ごす。
  如何せん、此処最近、家でも仕事でも、気が休まるのは便所だけなので…。
  最終電車の一本前で帰宅し、風呂にも入らず、寝床に潜り込む。
  例によって、大量飲酒後は失神した様に轟沈し、夜中には確りと排尿に起き、
  朝目覚めれば八時半を廻っており、ボーっと身体が動ける様に成るのを待つ。
  一時間程、休日の朝を堪能するべく、自堕落に暮らし、九時半過ぎに床から這い出す。
  普段の仕事の日の朝も、此れ位に余裕が有れば辛くないだろうに…。
  珈琲を飲み、風呂に入り、テレヴィヂョンを観、のんべんだらりんと過ごす。
  十一時半を過ぎ、大分、空腹感が目立って来たので、買い物がてら北上尾へ。
  北上尾と言えば、武蔵野饂飩の名店の此方に決まっている。
  店頭には待ちが発生しており、相変わらずの人気振り。
  帳面に名前を記し、寒風の中、待つ事一〇分。
  漸く店内へ…。

イメージ 1
 ◎「名物きんぴら」二一〇円
 …席に通され、発注を済ませる。
  此方と来れば、此の金平牛蒡と、「肉ねぎ汁 大盛うどん」、「ほうれん草」を発注し、
  直ぐに「名物きんぴら」が運ばれて来る。
  そうそう、此れ此れ。
  野菜嫌いの僕でも、此の金平牛蒡だけは、寧ろ率先して、好んで頂く。
  胡麻油と香ばしさとコク、そして、一味唐辛子のピリッとした辛味が絶妙で、
  極太の牛蒡と人参は、程好い歯触りを残しつつも柔らかく、シャキッと言う食感が良い。
  夢は、此の金平牛蒡を摘みに麦酒を呑む事。
  甘過ぎず、辛過ぎず、旨過ぎず、もとい、十分に旨い。

イメージ 2
 ◎「肉ねぎ汁 大盛りうどん」七三五円+「ほうれん草」一〇五円
 …饂飩が出来上がる迄の繋ぎに金平牛蒡を遣っていると、待望の饂飩が配膳される。
  普段は「もり」一.五枚分の「特大盛り」や、二枚分の「重ね盛り」を頂くのが専らだが、
  此処最近、現在進行形で太り続けているのと、晩御飯の寿司に障るといけないので、
  泣く泣く自重し、恐らくは「もり」の一.二五倍程と思しき「大盛り」で。
  店名の通り、武蔵野の田舎で古くから食べられていたり、店頭の「農家うどん」と言う幟の通り、
  素朴な中に、豪快さや、腕白さも存分に含まれており、此れが堪らない…。
  麺の量は六〇〇グラムは有るだろうか。
  つけ麺で六〇〇グラムは大変だが、此の饂飩ならば、一本一本に重み、太さが有るので、
  いざ、実際に頂いてみると、ペロッと簡単に平らげられてしまう。
  一本ずつ箸で手繰り、豚肉と葱の入ったつけ汁に、どっぷりと浸す。
  つけ麺と違ってドロドロではないので、安心して浸して啜る事が出来る。
  つけ汁は豚肉と炒めた葱が入っており、醤油味で、じんわりと甘味が感じられる。
  此の手のルーシーは良い。
  雑煮にしてもそうだが、こう言う醤油味は、具の甘味も加わり、醤油の角が取れて円やかだ。
  そして、此れにトッピングの菠薐草を入れてみる。
  菠薐草は僕が好んで頂く数少ない野菜の一つだ。
  甘辛いつゆを吸い、仄かな青臭さが心地好い。
  饂飩は手打ちの為、形は不揃いで、歯が減り込む様な強い腰。
  善く、こう言う饂飩を「固い」と抜かす人が居るが、其れはトーシローだ。
  決して固いのではなく、腰が強いと表現するのが相応しかろう。
  確りとした力強い腰と弾力を愉しむかの様に、ギュッと噛み締める。
  粉の風味が微かに鼻から抜け、又、水でちゃんと〆られているので、引き締まっていて旨い。
  此方にも「あつもり」は用意されているが、僕は如何も、つけ麺でも「あつもり」は絶対しない。
  折角の麺が台無しに成ってしまい、勿体無い思いで一杯だ…。
  〆は、饂飩の茹で湯でルーシーを割り、豚肉と葱から染み出た旨味を堪能する。