続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「手打蕎麦 木挽庵」【北大宮】

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◆「手打蕎麦 木挽庵」【北大宮

 ◎「天付鴨汁そば」一八〇〇円

 …つい此の間、マッカーサーが来たと思ったら、もう大晦日だ。
  一日一日は長く感じられるが、過ぎ去ってしまえば光速の如く、怖い程に早い。
  今年で後厄も終わり、三年間の厄が明けるが、死ななかっただけ増しか。
  子供の頃から漠然と、厄年で死ぬんだろうなと、根拠も無く思っていたが、
  意外と死なないもので、逆子なので、序の様な人生なのに吃驚だ…。
  さて、二十九日からの九連休も、遂に、到頭、今日で三日目。
  サザエさん症候群の病魔は確実に忍び寄っており、夜は熟睡が出来ず、
  一時間置きに、変な夢に魘されて起きる繰り返しで、病んでいるのだろうな…。
  そんな具合なので、朝はバチっと目覚める事は出来ず、八時過ぎに漸く起き出す。
  朝から忙しく、「陸王」の全話総集編に観入ったり、年末ならではの忙しなさ。
  十一時半を廻り、年始の挨拶用の菓子折りや、今晩の寿司や肴の買い出しに、
  大宮の街に出る前に、毎年恒例のバーソーを頂きに行こう。
  此方には最近では、二〇一二年、二〇一四年、昨年と大晦日に御邪魔しているが、
  今年の三月で大成の店舗を閉め、北大宮へと移転して開店した様だ。
  埼玉県民しか知らない「るーぱん」の跡だが、すっかり改装されている。
  正午の少し前だが、運良く駐車場の空きも有り、蔵の様な戸を開けて中に入り、
  二、三分待ち、大晦日だが、拍子抜けする程にすんなりヨッコイショーイチ。
  移転した事を知らない客も居るのだろうな。
  さあ、献立表を開き、何を頂こうか考え始めよう。
  昨年は「天付そば」を頂いたが、如何も、「鴨汁そば」が大いに気に成る。
  贅沢にも、天麩羅付きの「天付鴨汁そば」にしてしまおうかな。
  発注を済ませ、冷茶を啜りつつ、じっくりと待とうじゃないか。
  厨房内は仙人の様な御店主、女将さん、女中さんと、獅子てんや・瀬戸わんや
  ぴっぴっピーヨコちゃんじゃ、家鴨じゃがぁがぁと、引っ繰り返る様な忙しさ。
  徐々に店内も混み始め、相席と成る程で、蕎麦屋の一番の書き入れ時らしく成る。
  着席から二〇分程で、盆に乗せられてバーソーが配膳される。
  昨年は「天付そば」を発注したのに、天麩羅を忘れ去られたが、学習したのか、
  今年はちゃんと乗っているのが確認出来、ホッとAカップの胸を撫で下ろす。
  先ずは蕎麦を手繰り、鴨汁にドヴンと浸し、一気に啜り上げる。
  普段、冷たい蕎麦は冷たい蕎麦つゆで頂く事が殆どなので、こうして、
  温かい鴨汁で頂くと言うのは何だか新鮮で、偶には宜しいな。
  甘辛い鴨汁は、表面にきらきらと鴨の脂が浮き、其れがコクと成って押し寄せる。
  甘からず、辛からず、旨からずと言うダチョウ倶楽部のネタは成立せず、
  じんわりと鴨の旨味が感じられ、胃袋も温かさと油分で包み込まれる様だ。
  鴨肉、長葱、笹掻牛蒡が具として入る。
  蕎麦粉は信州は戸隠産の物を使用しているとの事で、信州産とは嬉しい。
  蕎麦に関しては門外漢、珍紛漢紛で分からないが、此方はと言うと、
  「浦和一茶庵」から暖簾分けをし、其の大本は「足利一茶庵本店」と言う。
  するすると喉の通りが良く、清涼感が有り、ペロッと平らげられそうだ。
  天麩羅はと言うと、「天付そば」と違うからか、移転したからかは不明だが、
  三品から五品へと増えており、車海老、獅子唐、茄子、南瓜、湿地。
  野菜は、大根卸と卸生姜を投入した天つゆで遣っ付け、最後の大トリ、
  車海老は鴨汁にたっぷりと浸し、鴨の旨味も衣に吸わせ、がぶりと噛り付く。
  ぶりっとした甲殻類特有の食感を感じ、引き締まった身の弾力が心地好い。
  勿論、尻尾も残さず、ヴァリヴァリと、口内が血だらけ成るのを覚悟で齧る。
  加爾叟謨を確りと摂取したら、最後は蕎麦湯で鴨汁を愉しむ。
  もっとトロントロンのが好みだが、サラッとした蕎麦湯で身体を温める。
  さて、後、六時間強で今年も終わるが、果たして、来年は如何成るのだろう。
  不安しか無いのだが…。