続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「いさば寿司」【吉野原】

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◆「いさば寿司」【吉野原】

 ◎「いさば寿司(13貫)」一七〇〇円+「うに」四五〇円

 …昨日。
  二月十二日から勤務地が変わった事に因り、朝は三〇分早く動き出す為、
  必然的に睡眠時間が減り、世間で言う所の睡眠負債が溜まって来ている感じ。
  目覚ましを掛けずに寝て居られる週末の休日は、身体が動かず、起きられない。
  今朝も目が覚めては寝てを繰り返し、何とか這い出したのは一〇時過ぎ。
  寝る時間が早く成った訳ではないので、此れは如何にかしないといけないな…。
  さて、話は遡って昨日。
  ゼーカーがヨイツーで、花粉もどっさり飛散している様子。
  目が痒いのを我慢して、買い物がてら、十一時半に家を出て用事を済ます。
  さあ、次は昼御飯だなと、一通りの物が揃っている大宮総合食品地方卸売市場へ。
  洋食、麺類、和食、丼物と選り取り見取り、伊藤みどりだ。
  思案した結果、前日の浅草での「元祖寿司」が不完全燃焼だったので、
  一〇月二十八日以来、四ヶ月振りの此方へと御厄介に成ろう。
  白い暖簾を跳ね上げ、木戸を開けて中に入り、先ずは券売機で食券を購入する。
  七貫の「七福」、九貫の「いなせ」、十一貫の「小江戸」、
  十三貫の「いさば寿司」と有るが、前回同様、店名を冠した「いざば寿司」で。
  そして、此れ又、前回と同じく「うに」の釦を押っぺしてみる。
  出入口は別々だが、隣の同じ系列店の「魚がし天ぷら」と店内で繋がっており、
  其方は満席に近いが、シースーの此方は空きが有り、ヨッコイショーイチ。
  食券を提示し、冷茶を汲みに立ち、次々に握って行く板さんを見乍らヂッと待つ。
  さて、十五分程で、付け板に乗った安価な部類の七貫と玉子、
  長皿に盛り付けられた高価な部類の六貫が目の前から手渡される。
  先ずは玉子から頂き、ふんわりとした甘さ控え目の味付けで幕開け。
  小鰭は、「鮨処 いっしん」さん無き後、此れと言う小鰭に出会っていない。
  身は肉厚ではないが、爽快な酸味が印象的で、さっぱりと頂ける。
  烏賊は赤烏賊で、むっちり、ねっとりとして、槍烏賊、墨烏賊より劣るが良い。
  鮭は諾威産と言い、言ってみれば本場で、濃厚で蕩ける脂だが諄くはない。
  鰹は宮城県産との事で、此の季節なので、若いのか、将又、冷凍かは不明だが、
  脂の乗りは少なく、さっぱりとして、矢張り、戻り鰹の方が好みかしら。
  鮪の赤身は前回同様に濠太剌利産で、ねっとりとした味の濃さは無いが、
  瑞々しく、仄かに残る鮪の旨味が上品な味わいで中々。
  白身は千葉県産の目鯛で、派手さは無いが、そつが無い旨さの万能選手。
  軍艦は前回は鮟鱇肝だったが、今回はねぎトロで、言わずもがなの安定感。
  此れが旨くない店は先ず無いだろう。
  さて、今度は高級な長皿へと移ろう。
  海老は亜爾然丁産の赤海老で、亜爾然丁タンゴで鍛えたのか、ぷりっとした食感、
  ねっとりとした強い旨味、流石は羅甸系の乗りの良さ。
  煮穴子茨城県産で、表面が軽く炙られている。
  「いっしん」さんに勝る穴子に出会った事は無い為、とろんと蕩ける様な、
  秀逸な出来ではないが、パサつきも無く、香ばしくも有り、煮詰も良い。
  単品だと一貫四〇〇円の中トロは、本鮪との事。
  赤身のねっとりとした旨味、大トロの濃厚な脂の乗りの両方を併せ持つ。
  歳をして来ると、此れ位の脂の乗りで十分。
  軍艦は「サーモンいくら軍艦」で、諾威産の鮭と北海道産のイクラの組み合わせ。
  言うなれば、諾威海軍海防戦艦「ハーラル・ホールファグレ」と、
  蝦夷海軍の「開陽丸」が一緒に攻めて来る様な感じか…。
  訳が分からないが、旨い事には違いない。
  単品で一貫五〇〇円の大トロも又、本鮪と言う。
  ギラギラと光り輝く脂が眩しく、蕩けるからトロと名付けた人の気持ちが分かる。
  さあ、大トロの次は大トリ、宮城県産の雲丹。
  年末に通信販売で購入した雲丹は失敗して残念だったが、此方のは心配無用。
  「いっしん」さんも使っていた「埼玉県魚市場」で仕入れた物。
  自然の甘味が芳醇で、明礬の苦味や化学的な味は一切せず、旨さしか無い。
  更に、別注の雲丹がもう一貫有る。
  盛り込みの物よりも、雲丹の量が多く、其の重みに耐え切れずに、
  下の軍艦が沈没しそうになる程で、矢張り、僕の最期の晩餐は雲丹だな。
  馬穴一杯の雲丹を、蓮華で掬って吐く迄食べたい…。
  ちゃんとした寿司を久し振りに堪能し、満足して退店する肥満児。