続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「らーめん よし丸」【高田馬場】

 
 
 
 …昨日。
  短い様で永かった一週間を終え、寸寸の襤褸襤褸で週末の休日へと逃げ込む。
  心的外傷を負った様な感じで、硝子の中年、ガラスの四〇代は心を粉砕骨折
  硝子の中年時代の破片が心に突き刺さり、壊れそうな物ばかり集めてしまうよ…。
  其れはさて置き、一旦再起動しようと思い、伸び切った頭髪を切り落としに行く。
  十二時半の予約を前に、先に昼御飯と景気付けの一杯を引っ掛けようと、
  前回、前々回に引き続き、三月二十四日以来、二ヶ月振りの此方へ。
  相変わらず此の街は、助平目的の同好会に所属しているであろうゆとり世代が、
  佃煮にする程に蠢いており、如何も据わりが悪いな…。
 
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 ◎「ビール」五五〇円
 …開店直後、十一時一〇分に到着すれば、僕が口開けの客の様だ。
  券売機で一通り食券を購入し、選び放題の席にヨッコイショーイチ。
  御店主は奥で仕込みをしており、前面では御子息と若い店員氏が切り盛り。
  食券を手渡し、程無くして、瓶麦酒と洋杯を受け取り、手酌で注ぐ。
  すっかり真夏の酷暑日なので、暑気払いも兼ねてグイッと呷る。
  午前中から飲る麦酒と言うのは格別で、一週間の労を労う。
  摘みも提供され、叉焼の切り落としと麺麻は相変わらず秀逸。
 
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 ◎「つけめん」七七〇円+「全部のせ」二三〇円
 …麦酒を半分程飲った所で、御待ちかねのつけ麺の御出座し。
  矢張り、「全部のせ」は具沢山で心丈夫だ。
  麺の上に配された叉焼、切り落とし叉焼、麺麻、海苔三枚、味付け玉子一個半、
  此れ等をつけ汁に移せば、警戒水位を超え、今にも決壊しそうな勢い。
  準備が整った所で、麺を手繰り、つけ汁にドヴンと浸して一気に啜る。
  つけ汁は完全無化調を謳う、魚介と豚骨の合わせ技。
  此方の豚骨スープは、豚の頭のみを使用し、只管、スープと睨めっこで、
  丁寧な灰汁取り作業、火加減、スープの色、匂い、蓋の開閉を調節し、
  豚の頭が砂状、粉状に成る迄、丹念に煮込んで混ぜると言う。
  魚介スープは拳骨をコトコト八時間以上煮込み、此れも火加減の調節を行い、
  魚をぎゅうぎゅうに押し込み、出汁が出たら急冷保存し、
  豚の油に魚の香り付けをし、此の油でプースーに蓋をし、香りと旨味を保つ。
  其の豚骨と魚介のプースーを配合し、此の無化調の優しいつけ汁が完成する。
  在り来たりな、市井に溢れる魚介系豚骨つけ麺とは一線を画し、
  力強さが有るのに、上品な味わいが感じられる、身体にも良さ気な味わい。
  此方の御店主は、年間三六〇食、此方のラーメンを食し、毎年三六〇日前後、
  一日十八時間労働を続けていると言うから、言ってみれば健康食だわね。
  麺はと言うと、店内奥の「栗原製麺室」で打たれる自家製麺
  国産最高級小麦三種類を使用し、特別な粉末鹹水を使用し、
  準強力粉と中力粉の配合で、ツルツル、モチモチ感を意識していると言う。
  並盛りは、茹でる前は三五〇グラム、茹でた後は約七〇〇グラムと言うが、
  啜り始めると、其の旨さに、スルスルと入ってしまう。
  茹で時間に八分を要するが、ラーメンの麺と変わらない細さで、食感も良い。
  さて、お次は具に移行しよう。
  叉焼は特大バラ肉使用し、普通は板状のバラ肉を四分の一に切ると言うが、
  此方では二分の一、即ち、倍の大きさで、厚さも極厚、一糎は有る。
  二倍の大きさで肉をじっくりと、時間を掛けて煮込むとトロトロに成り、
  肉を緩く巻き、煮込んでいる間に更に大きくさせると言う原価割れと言う代物。
  ふわふわに軟らかい赤身と、トロトロに蕩ける脂身が絶妙だ。
  麺麻は何時にも増してロイクーでイカンガー色をしている。
  太さは無いが、甘目の味付けが確りと染み込み、軟らかくて食べ易い。
  味付け玉子は一個半入り、黄身がドピュっと飛び出し、ねっとりと濃厚。
  他に海苔が三枚入り、正に具沢山。
  存分に味を堪能し、最後はつけ汁を飲み干し、骨粉と魚粉のヂャリヂャリと、
  出汁の養分を漏れ無く摂取し、御馳走様でしたと告げて退店。
  鶴ヶ島に在った時分より、矢張り大好きな店だ。