続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「元祖田舎っぺ 北上尾店」【北上尾】

◆「元祖田舎っぺ 北上尾店」【北上尾】

 …土曜日。
  此の夏期休暇を何れ程、心から待ち侘びた事だろうか。
  本来は十六日の金曜日から仕事始めだが、一回も取得していない有給休暇を、
  此処ぞとばかりに発動させ、一〇日から九連休を宛がう。
  休む前から、休み明けの苦痛を気に病んでいるが、まあ、気分一新しよう。
  九連休初日の此の日は、脂塊、もとい、歯科医に掛かる以外に予定は無く、
  昼御飯は何か、つるっとした物を頂こうと、昨年七月十六日以来、
  一年一ヶ月振りの此方へ御邪魔し、武蔵野饂飩を手繰って啜ろう。

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 ◎「名物きんぴら」二一六円
 …灼熱の中、何とか店に到着すれば、幸運にも待ちは一組のみ。
  名前を記入し、呼ばれるのを庇の下の椅子で座って待ち、一〇分強で入店。
  小上がり席で、後続客と相席し、先ずは献立表と睨めっこ。
  発注を済ませると、直ぐに此方の名物である金平牛蒡が運ばれて来る。
  饂飩が出来上がる迄の繋ぎに摘んで待つが、何度頂いても旨いわね。
  牛蒡は軟らかく、丁寧な仕事が為されている事が窺え、胡麻油が香ばしく、
  一味唐辛子の辛味は程好く、野菜嫌いの僕でも、此の金平牛蒡だけは別格。
  此れを摘みに一杯飲るのも一興だが、此方は酒は置いていないので、
  通信販売で取り寄せて、自宅で飲るしか無いわね。

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 ◎「肉ねぎ汁(大盛うどん)」七五六円+「ほうれん草」一〇八円
 …さてさて、金平牛蒡が無くなりそうな所で、饂飩が配膳される。
  饂飩の量は「もり」、「大盛り」、「特大盛り」、「重ね盛り」、「1kg」、
  「2kg」、「3kg」と有り、発注した時は「特大盛りうどん」だったが、
  運ばれて来た時は「大盛うどん」と、随分と華麗な変貌を遂げていたが、
  此れは女中さんなりの優しさで、そんなに食べたら太るわよと、
  気遣って呉れたに違いないと言い聞かせてみる…。
  数量限定で一押しと言う「なす汁」や、名物と謳う「きのこ汁」、
  鰹出汁の冷たいつけ汁の「冷汁」も良いのだが、結局は「肉ねぎ汁」に落ち着く。
  いざ、麺を一本手繰って浸したら、勢い良くつるっと啜る。
  其のつけ汁は甘塩っぱく、豚バラ肉の旨味が染み出した、武蔵野饂飩の御手本。
  炒めた葱の香ばしさも有り、深谷生まれとしては堪らない。
  饂飩の「特大盛り」は「もり」の一.五倍の量と言い、「1kg」はと言うと、
  「もり」と「大盛り」を合わせた量と言い、では、「大盛り」は何瓦?
  丸で、算数の問題の様だが、此れを解いてみよう。
  算数が苦手なので合っているか如何かは分からないが、「もり」は約四四四瓦、
  「大盛り」約五五五瓦、「特大盛り」約六六六瓦、「重ね盛り」約八八八瓦か。
  五五五瓦と言う量は、数字だけ見れば随分と多く感じるが、麺一本一本が太く、
  重さが有るだけなので、量感としてはそんなには無いと言う印象。
  小麦粉の美味しさを最大限引き出した、究極の饂飩作りを追求しており、
  打ち立て、出来立てを提供する事が最大の拘りと謳っている。
  生地を仕込み、熟成させ、 一番美味しく食べられる頃合いは、
  ごく短い時間だと言い、水の配合分量を変える事で、四段階に仕込みを分け、
  各時間帯で一番良い状態に熟した生地を延ばして麺を作っていると言う。
  其の拘りに恥じない、粉の風味が感じられ、強烈で強靭な腰が心地好い。
  表面はややザラッとして、太さが不揃いなのが食感を愉しませて呉れる。
  噛むと、口の中であうんあうん言ってしまいそうな程。
  今回は序に、追加の菠薐草も付けてみる。
  此の手の醤油味のつけ汁には滅法良く合い、相性は抜群。
  最後は茹で汁での饂飩湯割りはせず、つけ汁を其の儘に飲み干して御馳走様。