◆「居酒屋 やず」【宮原】
…金曜日。
此の日は、溜まった昨年の夏休みの消化に充ててみる。
昼は大宮に繰り出し、昼間っから「いづみや第二支店」で昼酒を堪能。
久し振りに、駄目に成る、廃人に成る感覚に酔い痴れる…。
帰宅後は寝床で潰れ、目覚めれば十九時半。
一日を無駄にしてしまった感じだが、まあ、こう言う日も良かろう。
晩も確りと呑もうと外へ出て、「Ｋｅｎ’ｓ ｋｉｔｃｈｅｎ」を覗けば、
大常連の御近所さんが、仲良しの方と来店していたので、シレっと回避。
其の儘、宮原駅方向に歩き出し、久し振りの此方に落ち着く。
…何時もの指定席に腰を下ろし、マスター、女中さんに御挨拶をする。
少し歩いて火照った身体を冷やす様に、先ずは麦酒から。
昼間に呷った酒も抜け、改めて仕切り直し。
こうも蒸し暑いと、麦酒の爽快感が堪らない。
御通しは肉豆腐と言うか、豆腐の煮物。
甘辛い味付けが何とも心地好い。
…喉も潤った所で、何を頂こうかと熟考に入る。
毎回、此方では、御薦めの物を探し出すのが好きだ。
先ずは、刺身から頂きたいが、今の旬の鰯に決定。
正に、入梅鰯の名に相応しい、素晴らしい脂の乗り具合。
醤油に卸生姜で、キリっと頂くが、口の中でトロンと蕩ける。
脂が乗っていると言えども、執拗くなく、肌理の細やかな脂だ。
此の時期の鯵も頗る旨いがね。
…麦酒も順調に進み、花金らしく成って来る。
鰯の旨さを堪能した後は、もう一品、行ってみよう。
此れ又、此方では初めて御目に掛かる文字列を発見。
甘海老を素揚げした物の様で、此れは麦酒との相性も良い。
プリン体同士で、足の親指が悦びそうだ。
カラッと揚がった甘海老は、甲殻類の旨味がぎっしり詰まっている。
味噌の塩梅が堪らなく、川海老ではなく、甘海老と言うのが良いわね。
…何時も通り、麦酒を三杯頂き、「電氣ブラン」へと移行する。
勿論、呑み方はロックで。
四〇度のきつい酒には、何か、味の濃い物が食べたくなる。
と言う訳で、豚の角煮を頂いてみよう。
やや硬く、食べるのは難儀したが、濃い味の味付けは流石だ。
麦酒三杯、「電氣ブラン」数杯を呷り、ヘベのレケで店を出る。
「Ｋｅｎ’ｓ ｋｉｔｃｈｅｎ」を覗けば、安心しては入れそうだったので、
麦酒四杯、ゲッティーを頂き、深夜三時迄、音楽談義に花を咲かせる駄目中年…。
～御負け～
「アラビアータ」。
