「長瀞・岩畳」【長瀞】

■「長瀞・岩畳」【長瀞】

…夏の様な天気の今日。
　別段、行きたい所も無かったので、思い付きで長瀞へ。
　此処数年、何だかんだで年に一度は必ず長瀞を訪れている。
　
　荒川上流に位置する小さな町。
　秩父鉄道長瀞駅から、名勝・岩畳までは風情の有る通りが延びている。
　地元・秩父名物の蕎麦を出す店、軒先で鮎の塩焼きを売る店、棒に刺した胡瓜の浅漬けを売る店、
　地の名産の杓子菜の漬物を売る店、観光地に有り勝ちな、訳の分からない玩具や土産物を売る店…。
　何とも風情が有って堪らない…。

　灼熱の岩畳は其れなりに賑わっていた。
　ライン下りをする人、写生をする人、木陰で涼を取る人…。
　思い思いに好天の休日を愉しんでいる。

　岩畳は、結晶片岩類による河岸段丘で、国指定の名勝・天然記念物に指定されている。
　一八七八年、かの地質学者ナウマン博士によって再発見されたと言う。
　正に、畳の様に敷き詰められた岩の上を歩き、木陰を探した。
　周囲が岩の壁で囲まれているので、音が響く。
　擂り鉢の中に居る様で、周囲の木々の息吹を身体中で受け止めている気さえする。
　照り付ける陽射しは暑いが、川を渡る風は涼しく、実に良い心持ちがした。
　癒されるなぁ…。

　長野と埼玉のハーフなので、矢張り山や緑が落ち着くのだろう…。