続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「柴又帝釈天」と「矢切の渡し」【柴又】


…「大黒鮨」を出て、黄金週間の為にごった返す参道を歩いた。
 柴又を訪れるのは昨年の十二月一日以来、五ヶ月振り。
 此の下町風情が堪らなく好きだ。
 鰻や天麩羅の香ばしい薫りが鼻腔を通り抜ける。
 又、団子の甘い匂いも漂っている。
 トントンと軽快に俎板を叩く、飴切りの音も耳に心地好い。
 視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、全てに刺激を与えて呉れる街だ。

 山門を潜り、境内へと入った。
 帝釈天題経寺日蓮宗の寺。
 本堂へと上がり、参拝を済ます。
 寺にも拘らず、柏手を打つ人や、御丁寧に二礼二拍手一礼をする人が多い事に驚く。
 日本人らしい…。
 十二分に御利益が有る様にと言うこじ付けで、賽銭は一二〇円。
 願う事は…。

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■「矢切の渡し」【柴又】

…参拝を済ませ、「山本亭」を抜け、「寅さん記念館」の上から江戸川土手へ出る。
 曇り勝ちの天気だったが、川を渡る風は涼やかで気持ちが良い。
 荒み切った心に溜まった埃が、綺麗に吹き飛ばされるかの様な心持ちだ。
 土手を下り、「矢切の渡し」の渡船場へと向かう。
 ベンチに腰掛け、青々と繁る草の匂いを鼻に感じ乍ら、何時もの恒例行事に取り掛かる。
 i-PODで細川たかしの「矢切の渡し」を再生する。
 こんな三十二歳って…。
 三度再生して、川面を見詰める。
 何も考えず、風に吹かれて心を洗う。
 そんな感じで温かく迎えて呉れる場所。
 今度来るのは秋かな…。