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◆「ラーメン富士丸 北浦和店」【北浦和】
「ラーメン富士丸 北浦和店」【北浦和】
◎「ラーメン」七五〇円
毎回毎回、行く度行く度、必ず居るね、木っ端アベックってのは…。
何処から湧き出して来るのかね、一体…。
今日は時間が幾分早かった所為も有り、行列無しで、店内も空席有りですんなりと入店。
僕の「アンチ木っ端アベックレーダー」がピクッと反応する。
敵の存在を察知するのは比較的早い方だと自負している。
カウンター席に、既に食べ始めている木っ端アベック一組。
男は色白で、細面の優男風。
女は「私の主食は向日葵の種です!」と言う様な小柄な小動物風。
男は結構頑張って、必死に丼に対峙している。
然し、女の方は既に白旗で、麺を二~三本箸で手繰って、
しゃぶしゃぶをするかの様にゆらゆらと揺らしている。
そして、男に向かって「幾ら食べても全然減らな~い」と甘えた声。
良いか、其の訳を教えて遣ろうか!
其れはな、「とっとと喰わねぇからだよ!」。
どんどんと麺がスープを吸って伸びて行くのが見るからに分かる。
其の間に、僕は自分のラーメンに取り掛かり、脇目も振らずに一心不乱に喰らい付く。
そろそろ食べ終わる頃、不意に其の木っ端アベックを見遣ると、
女は完全に戦意喪失で、丼には三分の二も残っている。
一方の善戦をしそうだった男はと言えば、三分の一を残し、涙目でヒィヒィ言っている。
嗚呼、情け無い…。
そんな、モタモタしている木っ端アベックを尻目に、こっちは一〇分近く後から食べ始めたにも拘らず、
完食して一陣の風の様にサッと店を後にする…。
まさか、食べ切れなかったら残せば良いなんて考えは無いだろうな、坊ちゃん、嬢ちゃんよ。
ちゃんと「麺少な目」と言うシステムが有るにも拘らず、其れをせずに残すとは、
阿弗利加の飢餓で苦しむ方々に申し訳無いとは思わないかい?
此の原材料価格高騰の折、無料で野菜増し等のサーヴィスをして呉れている此方の店に、
申し訳無いとは思わないのかい?
抑、此の手の店を逢引きの代わりに使う事自体、考えが間違っている。
御洒落なボーイズンガールズは、他に行ける楽しい場所が有るじゃないか!
惚れた女を連れて来るからには、其の女が食べ切れなかった分を自分が食べ切る覚悟が無きゃ、
此方の店の敷居を跨ぐのは失礼に当たりやしないかい?
今宵の青年よ、君の脳内の辞書から「ラーメン二郎」と言う単語を跡形も無く全消去して呉れ!
其れが身の為だよ…。
何処から湧き出して来るのかね、一体…。
今日は時間が幾分早かった所為も有り、行列無しで、店内も空席有りですんなりと入店。
僕の「アンチ木っ端アベックレーダー」がピクッと反応する。
敵の存在を察知するのは比較的早い方だと自負している。
カウンター席に、既に食べ始めている木っ端アベック一組。
男は色白で、細面の優男風。
女は「私の主食は向日葵の種です!」と言う様な小柄な小動物風。
男は結構頑張って、必死に丼に対峙している。
然し、女の方は既に白旗で、麺を二~三本箸で手繰って、
しゃぶしゃぶをするかの様にゆらゆらと揺らしている。
そして、男に向かって「幾ら食べても全然減らな~い」と甘えた声。
良いか、其の訳を教えて遣ろうか!
其れはな、「とっとと喰わねぇからだよ!」。
どんどんと麺がスープを吸って伸びて行くのが見るからに分かる。
其の間に、僕は自分のラーメンに取り掛かり、脇目も振らずに一心不乱に喰らい付く。
そろそろ食べ終わる頃、不意に其の木っ端アベックを見遣ると、
女は完全に戦意喪失で、丼には三分の二も残っている。
一方の善戦をしそうだった男はと言えば、三分の一を残し、涙目でヒィヒィ言っている。
嗚呼、情け無い…。
そんな、モタモタしている木っ端アベックを尻目に、こっちは一〇分近く後から食べ始めたにも拘らず、
完食して一陣の風の様にサッと店を後にする…。
まさか、食べ切れなかったら残せば良いなんて考えは無いだろうな、坊ちゃん、嬢ちゃんよ。
ちゃんと「麺少な目」と言うシステムが有るにも拘らず、其れをせずに残すとは、
阿弗利加の飢餓で苦しむ方々に申し訳無いとは思わないかい?
此の原材料価格高騰の折、無料で野菜増し等のサーヴィスをして呉れている此方の店に、
申し訳無いとは思わないのかい?
抑、此の手の店を逢引きの代わりに使う事自体、考えが間違っている。
御洒落なボーイズンガールズは、他に行ける楽しい場所が有るじゃないか!
惚れた女を連れて来るからには、其の女が食べ切れなかった分を自分が食べ切る覚悟が無きゃ、
此方の店の敷居を跨ぐのは失礼に当たりやしないかい?
今宵の青年よ、君の脳内の辞書から「ラーメン二郎」と言う単語を跡形も無く全消去して呉れ!
其れが身の為だよ…。