続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「蒙古タンメン中本 御徒町店」【御徒町】

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◆「蒙古タンメン中本 御徒町店」【御徒町


 ◎「蒙古タンメン」七七〇円

 …随分と日が悪かった。
  家を飛び出せば、襟を立てた外套が鬱陶しく感じる程に暖かく、
  電車の中で、剥ぎ取る様に脱がざるを得ない陽気の日に、此方を訪れたからだ…。
  元来、斑が多い性格の為、一度、寄席通いを再開すると、立て続けに行かねばならないと言う、
  言わば、義務感の様な物に圧迫され、三週連続で寄席へと出掛ける。
  其の前に胃袋に何かを詰め込んでおかねばならず、数日前より此方を訪問する事を決めていた…。
  辛い味噌味のタンメンの上に、丸で、親の仇の様に辛くしたのかと見紛う様な麻婆豆腐が、
  赤々と豪快に打ち撒けられて居る「蒙古タンメン」と言う代物を売り物にしている店。
  「池袋店」を訪れたのは、独りではなかった事から、可也前の事の様に思う。
  今日は独りで、眉間の皺を一層深くして啜らねばならない…。
  店頭には七、八人の行列が形成されており、腕組みをし乍ら待ち、
  一〇分強で券売機の前に対峙し、「蒙古タンメン」の釦を押し、更に五分程待たされる。
  カウンタア席の端から二番目に通されると、程無く、真っ赤に染まった丼が遣って来る。
  生来、辛い物が不得手で、激辛物を口にしよう物なら、
  尻の窪地の繁みからプイっと何かが噴出しそうな心持ちに成るのに怯えている。
  然し乍ら、此方の「蒙古タンメン」は一種の麻薬性とでも言おうか、何故だか箸が伸びてしまう…。
  蓮華でスウプを一口運べば、口の中は烈火の海に包まれる。
  とは言え、下地の味噌味のタンメンのスウプの味が大変宜しいので、癖に成ってしまう。
  キャベツ、白菜、人参、韮、豚バラ肉が入っており、素材の甘さが、辛味の奥に感じられる。
  只でさえ、普通の「味噌タンメン」でも辛いと言うのに、其処へ激辛の麻婆豆腐が掛けられている。
  因って、出来る限り、此の血の池地獄に火山の溶岩が流れ出した様な赤々としたとろみを避け、
  比較的、赤で汚されていないスウプを掬う様に心掛ける…。
  豆腐は鬼の様に熱い。
  其の熱さを緩和させる為に水をグイと飲み干す。
  麺を手繰り上げると中太麺で、赤いマグマに浸かって居乍らも、
  本来は白かったであろう事が、何処と無く窺い知る事が出来る。
  モチッとした食感が有り、周囲が酷く辛いので、麺が甘くさえ感じられる。
  此の頃より、豆腐の熱さを冷ます目的で口に含んだ水の冷たさが、愈々恋しく感じられる。
  水を口に含み、丸で火傷を冷やすかの如く、暫く口に溜めてから飲み干す。
  同時に、額からは汗がじわりじわりと噴き出し、其の滴りをハンケチで拭うのが忙しい。
  左隣の席では、随分と禿げ散らかした中年男性が、其の禿頭に滲み出た玉の汗を拭き乍ら、
  「暑いな」とはっきりと口に出し、僕のより辛さが少ない「味噌タンメン」と格闘している…。
  一方で、右隣の恰幅の良い男性は、「北極ラーメン」の大盛を、
  僕より二、三分後から食べ始めたにも拘らず、先に食べ終えて席を空けて出て行く。
  ラーメンを啜り、水を飲み、汗を拭き、そんな事を繰り返している内に、
  丼の溶岩湖の中は空に成った様子で、最後に名残惜しげにスウプを啜り、水を飲み干して退店。
  外に出れば、初夏の陽気と言う暖かさが寧ろ涼しく感ぜられ、清々しい心持ちに成る。
  汗をかく事を酷く嫌う性質なので、是非とも、冷凍倉庫の中で頂いてみたいものだ…。  

蒙古タンメン中本御徒町 [ ラーメン ] - Yahoo!グルメ

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住所: 東京都台東区上野5丁目20-3
最寄り駅: 御徒町
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※2009年2月14日時点の情報です。
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