…二日目の仕事が終わり、宿へと戻る。
相変わらず、気分は全く晴れず、寧ろ、鬱状態が悪化している…。
今晩は自由行動の為、独り、軽く呑みに行こうと、蕎麦屋へと出掛ける。
蕎麦屋で呑むと言うのが、堪らなく粋で、乙に感じられ、憧れている。
此方の「東都庵」は、数年前に上田城址前に在る「本店」は一度訪れた事が有る…。
相変わらず、気分は全く晴れず、寧ろ、鬱状態が悪化している…。
今晩は自由行動の為、独り、軽く呑みに行こうと、蕎麦屋へと出掛ける。
蕎麦屋で呑むと言うのが、堪らなく粋で、乙に感じられ、憧れている。
此方の「東都庵」は、数年前に上田城址前に在る「本店」は一度訪れた事が有る…。
◎「生ビール(中)」六〇〇円
…ビルの地下への階段を下り、暖簾を跳ね上げて店に入り、カウンター席に腰掛ける。
酒宴を繰り広げている団体が居り、蕎麦処では蕎麦屋で呑む風習が根付いてる様だ。
負けじと麦酒を発注し、積もり積もった憂さと、肉体疲労を晴らすべく、喉を湿らせる。
気分的には自棄酒に近いな…。
御通しは、御当地・信州の名産の野沢菜。
一杯目に出て来ず、二杯目で漸く御通しが出て来たのは御愛嬌…。
漬かりが良く、味も宜しく、実に旨い。
勿論、味の素が振り掛けられているのも嬉しいが、本場だけあって美味しい。
因みに、漬物で言うと、白菜は葉っぱ、野沢菜は茎の部位が好き…。
◎「馬刺し」九〇〇円
…同じく、信州と言えば馬刺し。
僕の身体には上田の血が半分流れているので、馬刺しは好きだ。
子供の時分から、夏休みに祖父母の許を訪れる度、決まって馬刺しが出て来たので親しみが有る。
卸大蒜をタレに溶き、赤々とした馬刺しを浸けて頂く。
ギュッと言うしっかりとした噛み応えで、良く引き締まった弾力が有る。
生前、牧草地を走り回り、筋肉を鍛えたであろう事が偲ばれる…。
噛めば噛む程、中トロの部位だけあって脂の甘さが感じられる。
綺麗なサシが入っており、見た目も綺麗。
◎「もり」七〇〇円
…麦酒を二杯頂いた後は、〆の蕎麦。
普段、呑んだ後に〆のラーメンはしょっちゅうだが、蕎麦は滅多に無い機会。
然も、蕎麦の本場で頂けると言うのは格別だ…。
昨日は「刀屋」で、池波正太郎も愛した蕎麦を頂いたが、今日の「東都庵」の店内にも、
池波正太郎の色紙が有り、此方にも訪れ、此の味を堪能したのだろう。
又、現役時代の貴乃花が来店した際の写真も飾られており、さぞ、此方の蕎麦を頂いて、
非常に清清しい気持ちに成ったのだろう…。
蕎麦は「刀屋」の物よりも幾分細めだが、蕎麦らしい色をしていて旨そう。
小粋に箸で手繰り、蕎麦猪口に半分程を浸して啜る。
つゆはさっぱりとした辛口で、あっさりした印象。
薬味は葱、大根卸、山葵を入れている。
蕎麦はポキポキとした強烈な腰が効いており、スルスルと啜れば喉越しが良い。
蕎麦自体の風味が鼻から抜け、旨さが堪能出来る。
しっかりと冷水で〆られており、夏の時期には最高だ。
尤も、僕にとっては未だ未だ夏で、夜の気温は十五度程だが、長袖Tシャツ一枚の軽装…。
最後は蕎麦湯で割り、存分に味わう。
蕎麦一枚は軽く平らげられるな…。
※2009年10月22日時点の情報です。
ID:0004504532
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