2010-01-13

「お好み焼ＢｉｇＫｉｄ」【三宮】

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◆「お好み焼ＢｉｇＫｉｄ」【三宮】

　◎「ウエスタンセット」九三〇円
　
　…昨晩、高校時分の悪友と午前二時半迄酒を呑み続け、些か、二日酔い加減。
　　そんな中、東京国際空港発十一時十五分のスカイマーク一〇五便で神戸へと向かう…。
　　折りしも、此の冬一番の寒気が訪れ、大荒れの天候の中、出張は待って呉れない。
　　東京国際空港を飛び立つも、強風の影響で機体が矢鱈と揺れる。
　　然も、強い向かい風で、神戸空港の到着が十五分近く遅れる模様…。
　　只でさえ飛行機嫌いなのに、天候と言う不可抗力が加わっては如何する事も出来ない。
　　其れでも、巡航高度に達し、雲の上に出てしまえば揺れも落ち着く。
　　真っ白い雲海の上を飛行し、雲に微かに機影が映る。
　　窓際の席の為、外の様子が良く見下ろせ、雪化粧の地面が見て取れる。
　　機体の翼には「ＪＡ７３７Ｕ」と記されており、流石の僕でも、
　　「ＪＡ」が「農協」の略ではない事位は容易に想像が付く…。
　　いよいよ着陸態勢に突入すると言う頃、俄かに機体が大きく揺れ始める。
　　デヴュー当時の浜崎あゆみ女史に似た美しいキャビンアテンダントも、機長命令で着席する程。
　　ガタガタと、雲の中を劈いて下降する間、長い時間揺れ、漸く、鳴門海峡が見える。
　　飛行機慣れした同僚の方々が口々に、久し振りに酷い揺れだったと言う程の中、
　　吹き荒れる六甲颪の煽りを受け、何とか神戸空港に着陸すると、外は雪が舞い散る寒空。
　　気温三度と言う話も聞かれる程で、一行で三宮へとポートライナーで向かう…。
　　垂水に向かう前に食事休憩を取り、全く土地勘の無い三宮駅前を彷徨く。
　　アーケード街の中に、地下に飲食店街が建ち並ぶ一画が在り、当て所無く潜入する。
　　折角、生まれて初めて神戸と言う街に降り立ったので、其れらしい物を頂く事に努める。
　　すると運良く、御好み焼き、焼き蕎麦を売り物にする店が有り、ソースの香りに釣られて飛び込む。
　　其の名を「ＢｉｇＫｉｄ」と言い、日本語に直せば、差し詰め、「肥満児」と言った所か…。
　　腕白中年は一気に心惹かれ、席に腰掛ける。
　　若い女性店員の関西弁に、何とも言えない興奮を覚えつつ、メニューに目を配る。
　　烏賊焼き蕎麦とスジ飯が付いた「ウエスタンセット」と言う、何を以ってして「ウエスタン」なのか、
　　皆目見当が付かないメニューに心を奪われ、可愛らしい関西弁の婦女子に発注を通す。
　　先に蜜柑ジュースが運ばれて来て、其れを三十四の中年がチウチウ啜る。
　　次に、鉄板に載せられた烏賊焼き蕎麦が遣って来る。
　　昨年の一〇月末に、明石に宿泊した加古川出張の折も、明石焼きと御好み焼きを頂き、
　　関西圏に来たならば、ソース物を頂かねばならないと思っていただけに、持って来いだ…。
　　上にプリン体の鰹節がふんだんに振り掛けられ、食欲をそそる。
　　マヨネーズが欲しかったが、如何せん、完全な「アウェー」なので、出しゃばらずに我慢する…。
　　熱々の焼き蕎麦は、大き目の烏賊がゴロゴロ入り、ソースの味も執拗過ぎずに丁度良い。
　　キャベツの甘味も相俟って、味がくどくないのが良い。
　　富士宮焼き蕎麦の様な、麺に強力な腰が感じられる事は無いが、味としては良い。
　　そして、小さ目の皿に装われて出て来たのが「スジめし」。
　　牛スジ煮込みを炒飯の具に採用した物らしく、此れがまあ、旨いの何の！
　　普通の炒飯の様に米粒がパラパラと解れる様な感じではなく、全体的にしっとりしている。
　　牛スジは勿論、コラーゲンたっぷりで柔らかく、プルンプルン言っている。
　　此の味付けが頗る良く、炒めた御飯と恐ろしく合う。
　　欲を言えば、此の大盛りを食べに、改めて訪れたい程。
　　今年頂いた物の中で、一番美味しいと言っても過言ではない。
　　と言っても、高々、十三日しか経過していないが…。

ビッグキッド／サンプラザ店　[ お好み焼き、もんじゃ ] - Yahoo!グルメ