…日曜日。
黄金週間二日目の此の日は、伸び切った頭髪を切り落としに出掛ける事に成っており、
表参道と言う、とても僕の様な埼玉の田舎者の中年が素面では行けないので、
例の如く、此方で昼酒を引っ掛けてから行く事にする…。
前日に部屋の大掃除を実施し、何と無く、気分的にも非常に清清しい心持ちで、
此の日の天気同様に晴れやかで、絶好の昼酒日和…。
◎「生ビール(中)」五八〇円
…十二時半過ぎに店に着くと、他に客も居らず、安心して大人しく麦酒が遣れる。
少し動けば汗ばむ様な陽気の中を歩いて来た為、此の一口目が堪らなく旨い。
此の日の最初に口に入れる物と言う意味合いからも旨い…。
扉の外を眺めれば、何だか時間がゆっくりと流れている様に感じられ、
昼酒の醍醐味が堪能出来、至福の喜びを感じる…。
黄金週間二日目の此の日は、伸び切った頭髪を切り落としに出掛ける事に成っており、
表参道と言う、とても僕の様な埼玉の田舎者の中年が素面では行けないので、
例の如く、此方で昼酒を引っ掛けてから行く事にする…。
前日に部屋の大掃除を実施し、何と無く、気分的にも非常に清清しい心持ちで、
此の日の天気同様に晴れやかで、絶好の昼酒日和…。
◎「生ビール(中)」五八〇円
…十二時半過ぎに店に着くと、他に客も居らず、安心して大人しく麦酒が遣れる。
少し動けば汗ばむ様な陽気の中を歩いて来た為、此の一口目が堪らなく旨い。
此の日の最初に口に入れる物と言う意味合いからも旨い…。
扉の外を眺めれば、何だか時間がゆっくりと流れている様に感じられ、
昼酒の醍醐味が堪能出来、至福の喜びを感じる…。
◎「鮪の血合い焼き」三二〇円
…時期的に鮟鱇肝も白子も無くなり、麦酒の摘みは何にしようかと悩んでしまう。
前回は摘まずに行き成り寿司に取り掛かったが、彼是と逡巡してみる…。
すると奥に引っ込んでいたマスターが何かを拵えて来て呉れる。
此方で稀に頂ける、鮪の血合いを焼いた物だ。
此れが実に旨く、密かに愉しみしていたりもする…。
血合いの部位は、微かに魚の風味がする程度で、肉に似た食感。
ギューっと噛み締めたくなる感じで、柔らかくて旨い。
又、臭味は全く無く、生姜がしっかりと効いている。
味付けは醤油ダレだが、只の醤油だけではないと見え、何処と無く甘味も感じられ、
此の醤油ダレが有れば持って帰りたい程。
残ったタレは、皿を舐める様にしてしっかりと飲み干す。
◎「小鰭」一六〇円
…温かい摘みと麦酒で胃袋もすっかり落ち着いた所で寿司へと取り掛かる。
言わずもがなだが、何時もの御決まりの小鰭。
此処二ヶ月程、二日置きに欠かさず来店すると言う市場関係者も嵌っていると言う此の小鰭。
本職の舌を唸らせる小鰭は、塩気、酸味の均衡が絶妙で、身も柔らかくて食べ易く、
目利き、仕込みの技が冴える逸品と言えよう。
◎「〆さば」二三〇円
…真冬の時期を過ぎてしまい、脂が最高に載った鯖ではないが、其れでも上物だ。
普段は日本海で獲れた物が多いと言うが、今回のは淡路産の物との事。
しっとりと舌と同化する様な舌触りで、脂の載りも十分に感じられる。
〆過ぎず、赤味が僅かに残る〆具合で、鯖の味が害われていない。
皮と身の間の脂が甘く、光物フェチには堪らない味。
◎「天然平政」二三〇円
…最近は鰤が入荷する事が多かったが、今回は珍しく平政が入荷している様だ。
冬は鰤、夏は平政と言われ、本職でも姿形を見紛う事が有るらしい。
口に入れると、シコッとした歯触りで、脂は鰤に比べると控え目。
とは言え、淡白な感じは無く、身の本来の味が愉しめる。
甘味が有り、初夏らしい味わいとでも言おうか。
◎「鰺」二三〇円
…久し振りに、此方で鰺を頂いてみる。
以前は欠かさず鰯、鰺を頂いていたが、他に頂く物が増えてしまい、
断腸の思いで泣く泣く回避していたが、別段、青魚が嫌いに成った訳ではない…。
暫く振りの鰺は、トロンとした口当たりで脂が程好く載っており、
噛めばプリプリとした弾力が感じられ、鰺の旨さが味わえる。
◎「すみいか」三二〇円
…今やすっかりお気に入りの墨烏賊。
少し前迄、烏賊なんて見向きもしなかったのに、此方で烏賊を頂いてから御執心。
噛めばサックリとした快い食感で、徐々に烏賊の甘味が拡がって来る。
ネットリとした優しい甘さは最高で、又、烏賊とは思えない柔らかさ。
獲れ立ての透き通ったコリコリの烏賊も良いが、適度に寝かせた烏賊の方が遥かに旨い。
◎「子持ちしゃこ」三二〇円
…好天も手伝って、子持ちの蝦蛄も頂いてしまおう。
如何も、プリン体は止められそうにない様で、甲殻類も頂いておく。
海老とは微妙に違うプリプリとした食感と、魚卵のプチプチとした食感。
此れ等が甘い煮ツメと、口内で組んず解れつ混ざり合う。
此れならば、足の親指が腫れても仕方有るまい…。
◎「すじ子」三二〇円
…名残惜しいが、そろそろ〆の時間のタイムと相成る。
食事の〆は此れ又、すっかり御馴染みの筋子。
鮭ではなく姫鱒だが侮る勿れ、粒のプチプチとした弾け具合や塩気は絶妙。
誘爆する弾薬の様に次々と弾け、中からはネットリと濃厚なプリン体が溢れ出す。
酢飯と渾然一体と成って解れて行く味わいが堪らない。
◎「煮穴子」三二〇円
…筋子で食事を〆た後は、デザートの煮穴子。
前回に続き、皿の脇に山葵を添えて出して呉れる。
其の山葵を多目に載せ、一気に頬張ると、ふっくら、ふんわりとした食感はケーキの様。
濃厚な煮ツメはチョコレートにも見えなくは無い。
山葵の辛さが微かに感じられ、飲み込んでしまうのが惜しいが、あっと言う間に溶けてしまう…。
此の日は麦酒三杯を頂戴し、ほろ酔いで好天の中、何かの祭りの様にごった返す表参道へ向かう…。
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※2010年5月5日時点の情報です。
ID:0000301944
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