続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「ラーメン 北郎」【センター北】

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◆「ラーメン 北郎」【センター北】


 ◎「ラーメン(小)」六四〇円

 …今月こそは赤字生活から脱却しようと固く心に誓い、昨日から暮らし始める。
  昨晩はスーパーマーケットで納豆、玉子、なめ茸の瓶詰め、蕪の漬物を購入し、
  此れで三日分の晩御飯を確保し、〆て五〇三円。
  更にはパーソナルコンピューターに内蔵されている家計簿を付け始める気合いの入り様…。
  月初から引き締めないと、気分が緩んでいけないと、耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ。
  そんな中、今日は朝一で、埼京線東急田園都市線横浜市営地下鉄を乗り継ぎ、
  無機質な街・センター北に出向き、黙々と仕事を熟す。
  十四時前に何とか片付き、次の川崎へと移動を開始する前に昼御飯を済ませる事にする。
  場所はと言えば、すっかり御決まりに成りつつある此方。
  「ラーメン 二郎」の亜流、其の名を「ラーメン 北郎」。
  店に着くと行列は無く、店内にも大分空きが有り、先ずは券売機で食券を購入する。
  今迄の僕であれば、前回同様、「ラーメン(中)」の釦を押していようが、今の僕は違う。
  腹が満腹に成る事より、一〇〇円でも安い方が後々助かる…。
  と言う事で、グッと堪えて「ラーメン(小)」の釦を押し、水を汲み、席に着く。
  遣れば出来る子だと、子供の頃から言われ続けていたが、遣らない子だった…。
  食券をカウンター上に置き、暫くして「野菜は如何します?」と訊かれるので吃驚し、
  挙動不審に成り乍ら、「チョイマシで…」と御願いをする。
  店内にはレディオのニッポン放送が点いており、「テリーとたい平 のってけラジオ」が流れている。
  今日の客人の郷ひろみの新曲を聴き乍ら待っていると、小ぢんまりとした丼が登場。
  矢張り、丼は如何見ても小さ目だ…。
  カウンター上に置かれた刻み大蒜の器を手にし、仕事中なので小匙一杯分を投入する。
  先ずは銀の蓮華でスープを啜ると、「二郎」を模した甘辛い味わい。
  ふと給水機の裏の壁には、「二郎」御用達・「カネシ商事」のカネシ醤油のレッテルが貼られている。
  直系「二郎」以外にはカネシ醤油は卸していないと聞いたが、此方の醤油もそうなのだろうか。
  真偽の程は不明だが、だとしたら、何だか急に美味しく感じられる…。
  所詮、僕の馬鹿舌は当てに成らず、そう言う情報を得ると、自然と旨い物だと思ってしまう。
  元「二郎」直系の現「らーめん 大」の店内には、「当店のラーメンは三回食べて下さい。
  美味しさが発見出来ます。」と言った旨の貼り紙が必ずされているが、
  此処「ラーメン 北郎」を訪れたのも今日で三回目。
  美味しさを発見しつつあるのだろうかしら…。
  野菜には卓上の醤油ダレをドレッシング感覚で振り掛けて頂く。
  茹で時間が短く、萌やしやキャベツをバリバリ音を立てて頬張る。
  萌やしがしんなりしていない所為で、不器用な僕は箸で掴み難い…。
  そして、麺に取り掛かるが、此方の麺は可也好きな部類に入る。
  極太麺で、モソモソ、モキモキと言った擬音が合い、「ジャンクガレッジ」の様な縮れが無い分、
  荒々しさには少し欠けるが、弾力、腰が適度に効いていて、啜るのが愉しい麺だ。
  叉焼は相変わらずの肝硬変患者の様な色をした、肝肥大を起こした様な物。
  パサつきやモッサリ感は気に成るが、三回目とも成ると、少し慣れて来た所為か、
  然程の嫌味も無く、寧ろ、旨さを見出そうと努力をしてみる。
  すると、脂身が僅かに付着しており、トロッとした感じが少し感じられる。
  うん、強ち無くは無い…。
  御蔭で、スープは粗方飲み干し、何だか癖に成りそうな気配も微かに感じる。
  次は「汁無し油あえそば」でも頂いてみようかしら…。