…沼津、富士宮を巡り、仕事を終え、新富士駅前の貸し車屋に自動車を返却する。
新富士駅周辺は晩御飯を食べる店も無く、憂鬱な気分に陥っていると、
冊子が置かれている棚が有り、其処から適当に食事処が掲載されていそうな物を見繕って手にする。
其の中に「つけナポリタン食べ歩きマップ」なる物が有り、一際惹き付けられる。
何でも、富士市の吉原地区、と言っても、関東の人間が思い描く桃色繁華街ではない方の吉原の、
町興しとして開発されたのが、御当地グルメの「つけナポリタン」と言う。
其処には二十七店が掲載されており、吉原とは少し離れた此処、新富士にも一店だけ在る。
と言う事で、宿に転がり込んだ後、そそくさと其方を目指して歩き出す…。
此方は、新富士駅前に在る喫茶店風の店で、夜も営業しているらしく、
店外から中を覗くと、優しそうな、僕の両親に近い年齢の御夫妻が経営している様子で、
一見にも拘らず、意外にもすんなり店の扉を開けて入る事が出来る…。
新富士駅周辺は晩御飯を食べる店も無く、憂鬱な気分に陥っていると、
冊子が置かれている棚が有り、其処から適当に食事処が掲載されていそうな物を見繕って手にする。
其の中に「つけナポリタン食べ歩きマップ」なる物が有り、一際惹き付けられる。
何でも、富士市の吉原地区、と言っても、関東の人間が思い描く桃色繁華街ではない方の吉原の、
町興しとして開発されたのが、御当地グルメの「つけナポリタン」と言う。
其処には二十七店が掲載されており、吉原とは少し離れた此処、新富士にも一店だけ在る。
と言う事で、宿に転がり込んだ後、そそくさと其方を目指して歩き出す…。
此方は、新富士駅前に在る喫茶店風の店で、夜も営業しているらしく、
店外から中を覗くと、優しそうな、僕の両親に近い年齢の御夫妻が経営している様子で、
一見にも拘らず、意外にもすんなり店の扉を開けて入る事が出来る…。
◎「エビス生ビール（中）」五〇〇円
…テーブル席に陣取り、メニューと水を持って来て呉れるママさんに、先ずは麦酒を発注。
倹約生活中なので、昨日、一昨日と酒を断っていたが、偶さかの出張なので大目に見る…。
普段呑み付けない高級銘柄「エビス」の様で、一口呑むと、苦味の中に芳醇な甘味が感じられ、
甘い麦酒は苦手なのだが、随分と心地好く、美味しく感じられる。
家で呑む、缶の「其の他雑酒」とは訳が違い、風味や泡の肌理細かさが格段に違う…。
…テーブル席に陣取り、メニューと水を持って来て呉れるママさんに、先ずは麦酒を発注。
倹約生活中なので、昨日、一昨日と酒を断っていたが、偶さかの出張なので大目に見る…。
普段呑み付けない高級銘柄「エビス」の様で、一口呑むと、苦味の中に芳醇な甘味が感じられ、
甘い麦酒は苦手なのだが、随分と心地好く、美味しく感じられる。
家で呑む、缶の「其の他雑酒」とは訳が違い、風味や泡の肌理細かさが格段に違う…。
◎「つけナポリタン」八〇〇円
…何時ならば、此処で一品、何か摘みを頼んで、豪遊をしてしまう所だが、
前述の通り、緊縮財政を敷いているので、直ぐに食事を頂く事にする。
御目当ては「つけナポリタン」だが、メニューを繰っても、何処にも記されてはいない…。
何かの間違いだろうか、常連のみの裏メニューだろうかと考え込み、
然も無ければ断念して、メニューの「昔ながらのナポリタン」か「焼きカレー」にしようか…。
小心者なので、如何しよう、如何しようと気に病んでいると、
偶々ママさんが通り掛ったので、一見客として図々しい事は百も承知で訊いてみる。
「つけナポリタンは無いんですか？」と。
すると、「良いですよ」と、丸でマザー・テレサの様な慈悲深い返答に、感涙に咽びそうに成る。
数十分前に初めて其の存在を知った食べ物を、数分後には頂ける喜びに浸る…。
嬉しくて麦酒を御替わりし、店のテレヴィヂョンの「兄ポッポ」のニュースを眺めていると、
生まれて初めて対面する、何とも魅惑的な食べ物が運ばれて来る。
麺とつけ汁と言う構成は正しくつけ麺だが、此れがゲッティーだと言うから驚きだ。
匙とフォークが用意されているが、不器用な僕は箸を選択し、期待に胸を膨らませて頂く。
先ずは箸でゲッティーを手繰ってみると、緑色をしており、風味が感じられる。
何でも、普通に其の儘でも食べられると言い、バジルペーストで仕上げていると言う。
実際に其の儘頂いてみると、此れだけで十分にゲッティーとして成立している。
さて、次は此の麺を、赤々と染まったつけ汁に潜らせて啜ってみる。
手作りの赤茄子ソースを魚介スープで割ったと言うつけ汁は、赤茄子の酸味が心地好く、
つけ汁自体はサラッとしたサッパリ系だが、チーズが結構な量入っているので、
此れを絡める様にして頂くと、チーズのコクと円やかさが付加され、濃厚さが醸し出される。
普段、独りではゲッティーを食べたくても、中々入れる店が無く、
家で寂しくレトルトのソースを加温してゲッティーにぶっ掛けて食べているだけだが、
ゲッティーは非常に好きで、且つ、チーズフェチなので、此の手の味わいは非常に好き。
具は鶏肉、ミニ赤茄子、ブロッコリー、オリーブ。
つけ汁の器の底に沈殿し勝ちな蕩けたチーズを絡め取る様にして麺と絡めるのが愉しく、
意外や意外、個人的には非常に癖に成りそうな味で、店の雰囲気も良く、大満足。
勿論、残った赤茄子汁はしっかりと飲み干し、珍しくヴィタミンを摂取してしまう…。
麦酒は二杯頂き、丸で合宿所の様な、素っ気無い宿に帰らなくてはならず、自然と足取りが重くなる…。
※2010年6月2日時点の情報です。
ID:0007851732
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