続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「和匠喜酒 かもん」【宮原】


 …木曜日。
  火曜日から二泊三日で静岡、清水、富士、富士宮、沼津を巡る出張に出掛け、
  三島駅から夢の超特急・新幹線こだま号に乗車し、暫く振りの埼玉県へ戻る。
  昼御飯も摂れなかったり、余りの暑さで発狂しそうに成ったり、豪雨に濡れたりと、
  随分と疲労し、襤褸雑巾の様な状態で帰って来る。
  週末迄、残り一日を前に、我慢が出来ずについつい此方で打ち上げをしてみたくなる…。

 ◎「生ビール(中)」五五〇円
 …矢張り、馴染みの土地の馴染みの店で、ゆっくりと麦酒を呷るのが一番良い。
  背広のズボンはべた付き、ワイシャツの襟周りは汗で湿っていると言う不快感…。
  此れを爽快にして呉れるのは麦酒以外に無い。
  肌理細かい泡を口の周りに付け、冷えた黄金色の液体をゴクリと呑む。
  帰りの新幹線で缶麦酒を止した甲斐が有った…。

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 ◎「天然小しまあじ造り」八三〇円
 …最近は毎日の御薦めメニューが卓上に置かれる事が無くなり、何を頂くか迷う。
  とは言え、大概はマスターが御薦めを教えて呉れるので、言われるが儘に従えば良い。
  此の日は小縞鰺が有ると言うので、其れを刺身で御願いする。
  普段、縞鰺は高級魚で、中々頂く機会が無いが、薦められちゃぁ仕方無い。
  普通の縞鰺よりも小さいらしく、一匹丸々、姿造りで出される。
  縞鰺の御冥福を祈らねばなるまい…。
  確かに小振りだが、頂いてみると適度な弾力と脂の載り具合が感じられる。
  プリッとして居乍ら、トロンとした舌触りも有り、小さくとも旨い。
  最近は余りの真鰺の旨さに打ちのめされっ放しだが、偶には他の鰺も良い。

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 ◎「豚角煮」七六〇円
 …翌日の仕事の事も気に成りつつ、未だ腹が落ち着かず、何を頂くか思案する。
  マスターが、メニューが少し変わったと言い、卓上のメニューを捲ってみる。
  日進に店が在った時分から、客の要望に応えて偶に出される豚の角煮が定番化され、
  メニューに載る様に成ったらしく、斯く言う僕も、豚の角煮の要望を出した一人なので、
  久方振りに此方の味を味わってみる事にする。
  脂身と赤身がはっきりと層に成っている様で、色は茶褐色をして、如何にも旨そう。
  先ずは赤身の部位を箸で削ぐ様にして摘んで頂くと、ギューっとしたくなる噛み応えで、
  甘辛い濃厚な煮汁が中迄十分に染み込んでおり、然も、ホロトロ感の柔らかさ。
  脂身の部位は言わずもがなだが、プルンプルンのトロントロンで、コラーゲンたっぷり。
  豚の脂身特有の甘味が有り、決して諄さや執拗さは無くて旨い。
  矢張り、豚の脂身を我慢して迄、長生きしたくない…。

 此の日は麦酒三杯を頂戴し、店長T氏に自動車で送って貰って大人しく帰宅…。