続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「魚定食 丸や」【横浜・泉】

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◆「魚定食 丸や」【横浜・泉】


 ◎「甘ダイ塩焼定食」一三〇〇円

 …金曜日。
  秋分の日の一日の休みを終え、週末を前に一日のみ勤めに出る。
  「勤めに出る」と言っても、別段、僕は花魁と言う訳ではない…。
  此の日は終日、独りでの孤独な業務で、気が楽な分、すべき事は多い。
  湘南新宿ライン相鉄線、乗り合いバスを乗り継ぎ、横浜市の外れへと赴く。
  幾分涼しくなったとは言え、こちとら、背広の上っ張りも羽織らず、
  半袖のワイシャツ一丁でないと厳しい暑さで、少し歩く度に汗を拭っている。
  汗を一滴でもかく様であれば、其れは未だ夏と言えよう…。
  仕事の合間を縫い、十三時過ぎに一旦、昼御飯を摂る事にする。
  此の地区を訪れたならば、此方に寄らない手は無い。
  寄らずに遣り過ごすのは馬鹿だ…。
  店内に入ると、其処其処混み合っているものの、空席は有り、カウンターの端っこに陣取る。
  御絞りと湯飲みを受け取った後は、「どれどれ」とばかりに、此の日のメニューをとくと眺める。
  此の、メニューを思案する瞬間が一番愉しかったりする。
  幾分凌ぎ易い気候に成ったので、塩焼きや煮付けも良かろうと言う気分に成って来た。
  「今日は何と無く塩焼きだな…」と思いつつ、塩焼きメニューに目を凝らす。
  そして、一目惚れ…。
  良し、「甘ダイ塩焼定食」にしようと発注し、品切れも無く、しっかりと発注も通る。
  焼き上がりを待つ間、ずっとメニューを眺めていても全く飽きない。
  時間にして十五分から二〇分は有っただろうか…。
  焼き上がった様な雰囲気が厨房内から伝わり、魚焼き器の前で何やら騒がしい。
  焼き網から皿に取り出そうとしているのは、見るからに僕の愛しの甘鯛。
  然し、焼き網から剥がれない様で、菜箸やらフライ返しを手に、女性店員二人して格闘中。
  そして、見て見ぬ振りをして目を逸らしていると、盆に載せられて定食が遣って来る。
  皿に横たわる愛しの甘鯛は…。
  見るも無残に、バラバラ死体の様にグヅグヅ。
  厨房内から、「御免なさいね、身が柔らか過ぎちゃって…」と謝罪の言葉が飛んで来る。
  まあ、こちとら、「料理は器で喰わす」の意味が未だに分からず、器がプラスティックだろうが、
  身が少々崩れていようが、味に遜色が無ければ全く気にしないので、問題は無い。
  身が柔らかいのなら、尚更、良い事ではないか。
  普段、小さい事を何時迄も引き摺る癖に、こう言う時ばかりは妙に切り替えが早い…。
  脇に添えられた大根卸に醤油をぶっ掛け、愈愈、僕の食事の時間のタイムが始まる。
  こんな高級魚を頂く機会は滅多に無いので、心して掛かりたい。
  先ずは、件のグヅグヅに成って剥がれ落ちた部位から遣っ付ける。
  一口頬張ると、言い訳の通り、其の身の柔らかさを感じる。
  身がしっとりとして、口の中で柔らかく解れ、溶けて行く感覚。
  真鯛とは違った食感で、何とも此れも良い。
  其の名の通り、何処と無くふんわり感じられる甘味、旨味も存分に感じられる。
  塩加減も良く、塩のジャリっと言う粒子を感じるのが好きだ。
  何時もは面倒臭がる骨も、綺麗に身から剥がし、本体に取り掛かる。
  箸で突くとごっそりと身が取れ、其れは丸で、耳掃除をして耳垢がごっそり取れた時の感動に似ている…。
  例えが何時も汚らしい駄ブログなので、御容赦願いたい。
  大根卸と一緒に頂くと、さっぱりとし、大根の辛味が甘鯛の甘味を引き立てると言った効果も有ろう。
  此れはもう、御飯の御替わりをして呉れと言っている様なもので、しっかりと頂戴する。
  仕事の合間の細やかな息抜きと栄養補給、やる気注入の大事な時間だ…。

 因みに、此の日の他のメニューは…、
 (サシミ定食)
 ・「中トロ上」、「皮ハギ(キモ付)」一八〇〇円
 ・「シメサバ」、「関アジ」一五〇〇円
 ・「シマアジ」一三〇〇円
 ・「ヒラメエンガワ」、「新サンマ」、「ブリ」、「ホウボウ」、「太刀魚」、「イワシ」一二〇〇円
 ・「生白魚丼」、「カツオヅケ丼」、「サーモン」、「マグロホホ」、「アジ」、「スズキ」、
  「小鯛酢〆」、「マグロヅケ丼」、「カンパチ」、「釜上げしらす丼」、「キビナゴ」一〇〇〇円
 ・「酢ダコ」八五〇円
 ・「スキミ」、「ネギトロ」六五〇円
 (煮付定食)
 ・「金目鯛」一八〇〇円
 ・「本ムツ」一五〇〇円
 ・「メロカマ(銀ムツ)」、「甘ダイ」一三〇〇円
 ・「真鯛」、「ブリ」、「サワラ」、「アジ」、「カレイ」、「あんきも」、「イワシ」、
  「シマアジ」、「あんこう」、「マグロカマ」、「マグロ円盤」一〇〇〇円
 ・「サバ」、「小イカ」八五〇円
 (塩焼定食)
 ・「のどくろ干」二五〇〇円
 ・「金目鯛干」一五〇〇円
 ・「うなぎ蒲焼」一三〇〇円
 ・「カマス干」、「新サンマ」、「太刀魚」一二〇〇円
 ・「ハラス」、「マグロてり」、「新巻鮭辛口」、「アジ」、「マグロ円盤」、「アジ干」、
  「スズキ」、「サワラ」、「シマアジ」、「イワシ」一〇〇〇円
 ・「サバ」、「シマホッケ」八五〇円
 ・「マグロホホ」八〇〇円
 (単品)
 ・「あん肝酒蒸」八〇〇円
 ・「くらげ」五〇〇円
 ・「はまぐり酒蒸」五〇〇円
 ・「マグロ皮」三〇〇円
 ・「メカブ」三〇〇円
 ・「キビナゴ」五〇〇円
 ・「おしんこ盛合せ」三〇〇円
 ・「わかめ酢みそ合え」三五〇円