続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「池麺 KINGKONG」【池袋】

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◆「池麺 KINGKONG」【池袋】


 ◎「トロフルつけめん」八〇〇円

 …週末も瞬く間に終わりを迎え、もう一週間の始まりだ。
  毎度の如く、社会復帰の朝は特に布団から出るのが億劫で、此の寒さも重なれば尚更だ。
  真夏の糞暑さに比べたら快適だが、其れでも寒いものは寒い。
  暑さ嫌いの僕だって、一応は寒さを感じる…。
  耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、やっとの思いで床から這い出し、身支度を整え、
  満員電車に押し合い圧し合いで揺られれば、御多分に洩れず、JRさんの毎度の遅延。
  何年も鉄道業務を行っているのだから、好い加減、改善されないものだろうか…。
  今日は久し振りに終日池袋での仕事で、パーソナルなコンピューターと睨めっこ。
  今迄、全く縁の無かったVLOOKUP関数やら、Dr.SUMやら、
  御爺ちゃんにはさっぱり分からず、初めて火を使った原始人の様に、訳も分からず頭を悩ます…。
  そう、悩んだ時は一旦離れてみようと、十二時半過ぎに昼御飯を摂る事にする。
  生憎、今日は月曜日の為、お気に入りの「麺処 花田」は定休日。
  当て所無く、池袋の街を彷徨い、何とは無しに、「馳走麺 狸穴」方向へ歩き出す。
  すると、其の隣りにラーメン店が出来ており、其の名を「池麺 KINGKONG」と言う。
  何でも、昨年八月末に新規開店した、「東池袋大勝軒」の系列店と言う。
  池袋だから「池麺」とは、只の駄洒落か…。
  松の木におじやをぶつけた様なイケてないメンズが「池麺」に入ってみる。
  先ずは券売機で食券を購入するのだが、初めてなので、最上段左側に有るつけ麺にしてみる。
  「トロフルつけめん」とは一体何だ?
  訳も分からず、仕方が無いので其の食券を購入し、先客二名に続いて席が空くのを待つ。
  其の間に食券が回収され、麺の量は中盛り迄が無料と言うので、
  喰い意地が張っている腕白中年は、しめしめとばかりに御願いする。
  一〇分強で席に案内され、更に出来上がりを待つ。
  そして、謎の多い「トロフルつけめん」が目の前に差し出される。
  其の際、檸檬は麺に搾って食べる様にと教授される。
  確かに、麺の真ん中に捻じ込まれる様に、檸檬が突き刺さっており、此れを言われた通りに搾る。
  つけ汁は濃厚な茶褐色をしており、「池袋最濃つけだれ」を謳っている。
  更に驚くべきは、数種類の果物のジャムが隠し味で使用されていると言う。
  つけ麺のつけ汁にジャムとは余り聞いた事が無い。
  恐る恐る、麺を其の粘性の高いつけ汁に浸し、ヅヅヅと啜ってみる。
  麺にしっかりとつけ汁が纏わり付き、肝心な味はと言うと、確かに甘酸っぱい気がする。
  麺に搾った檸檬の酸味の所為も有ろうが、言われてみれば、ジャムの様な味がする。
  尤も、言われなければ気付かないかも知れないが…。
  「東池袋大勝軒」の盛り蕎麦の様な、砂糖を使用した甘酸っぱさではない。
  何とも形容し難いと言うか、今迄に味わった事の無い不思議な味。
  とは言え、しっかりとした魚介系の風味も有り、分類としては魚介系醤油豚骨に成るのだろうか。
  麺の方はと言えば、極太麺と言うべき太さの物で、ツルツルとした喉越しで、
  其れで居て、強烈な腰が効いており、噛むとポキポキと音がする程。
  此の麺にも特徴が有る様で、セモリナ粉を配合していると言う。
  「セモリナ」って何だ?金髪の女か?
  横文字を使われても、御爺ちゃんはちんぷんかんぷんだ…。
  兎も角、其のセモリナさんの御蔭で、噛み応えの良い麺に仕上がっているのだろう。
  通常は二〇〇グラムで、中盛りは四〇〇グラムと言うが、あっと言う間に平らげられそうだ。
  そして具は、僕が余り得意ではない炙り叉焼
  香ばしさが立ち過ぎてしまって、普通の叉焼の方が好きな場合が多いが、
  此方のは、表面がカリッと香ばしく、中は蕩ける様に柔らかく、焼肉を頂いているかの様で、
  実に美味しく頂け、寧ろ、叉焼の量を増量したいとさえ感じる程。
  むっちりとした柔らかい叉焼で、プルンとした感じも有って素敵だ。
  〆は、スープ割りはせずに、原液の儘、グイッと飲み干す。
  器の底に魚粉やら骨粉が沈殿し、濃厚さを物語っている。
  果物嫌いなので、此のジャムの甘さがもう少し弱かったら他は良いのだが…。