◆「しゃぶしゃぶ・日本料理 木曽路」【大宮】
…金曜日。
浦和での仕事を終え、クッタクタの襤褸雑巾の様な状態で帰る。
今、芝居で襤褸雑巾の役が有ったら、恐らくは僕が一番の適役だろう…。
身体の有りっ丈の元気をじわりじわりと吸い取る様な蒸し暑さにはほとほと参っている。
帰りは大宮駅で途中下車。
諸般の事情で、ちょいとした御祝いにと、しゃぶしゃぶを御馳走に成れると言うので御言葉に甘える。
即ち、ダーターでクーニーを頂けると言うのは、此の上無く旨いであろう…。
此方に御邪魔するのは四年振りだろうか。
高級店なので、そう易々と頻繁に来られる訳ではないので些か緊張すると言うか、据わりが悪い…。
◎「サントリー・ザ・プレミアム・モルツ」六八二円
…座敷席に通されると、旅館の大広間の夕食会場の様な感じで、四人席が一〇卓は有ろうか。
掘り炬燵式の席に座ると、室内が暑い事に気付き、汗が引っ切り無しに噴出し、止まらない。
大宮駅から歩いて来ただけで此の大汗、止めるには冷たいルービーしか有るまい。
高級店なので、贅沢品の「サントリー・ザ・プレミアム・モルツ」しか無く、其の上、御値段も良い…。
然も、予想通り、ジョッキではなく、今一、気分が出ないが、まあ良い。
芳醇な甘い香りが薫る麦酒は、御上品な感じで、汗だくの仕事終わりに豪快に呷る感じではない。
大人しく、御上品に麦酒を頂くとしますかね…。
浦和での仕事を終え、クッタクタの襤褸雑巾の様な状態で帰る。
今、芝居で襤褸雑巾の役が有ったら、恐らくは僕が一番の適役だろう…。
身体の有りっ丈の元気をじわりじわりと吸い取る様な蒸し暑さにはほとほと参っている。
帰りは大宮駅で途中下車。
諸般の事情で、ちょいとした御祝いにと、しゃぶしゃぶを御馳走に成れると言うので御言葉に甘える。
即ち、ダーターでクーニーを頂けると言うのは、此の上無く旨いであろう…。
此方に御邪魔するのは四年振りだろうか。
高級店なので、そう易々と頻繁に来られる訳ではないので些か緊張すると言うか、据わりが悪い…。
◎「サントリー・ザ・プレミアム・モルツ」六八二円
…座敷席に通されると、旅館の大広間の夕食会場の様な感じで、四人席が一〇卓は有ろうか。
掘り炬燵式の席に座ると、室内が暑い事に気付き、汗が引っ切り無しに噴出し、止まらない。
大宮駅から歩いて来ただけで此の大汗、止めるには冷たいルービーしか有るまい。
高級店なので、贅沢品の「サントリー・ザ・プレミアム・モルツ」しか無く、其の上、御値段も良い…。
然も、予想通り、ジョッキではなく、今一、気分が出ないが、まあ良い。
芳醇な甘い香りが薫る麦酒は、御上品な感じで、汗だくの仕事終わりに豪快に呷る感じではない。
大人しく、御上品に麦酒を頂くとしますかね…。
◎「特選しゃぶしゃぶコース 麗~うららか~」六八二五円
…単にしゃぶしゃぶだけでは何なので、初夏の味覚が一緒に頂ける「初夏の奏」と銘打った中から、
鮎の塩焼きが付くのも有ったが、赤ムツの塩焼きの方が珍しいので、此方の「麗~うららか~」を発注。
ゆっくりと、存分に堪能致しますかね…。
…単にしゃぶしゃぶだけでは何なので、初夏の味覚が一緒に頂ける「初夏の奏」と銘打った中から、
鮎の塩焼きが付くのも有ったが、赤ムツの塩焼きの方が珍しいので、此方の「麗~うららか~」を発注。
ゆっくりと、存分に堪能致しますかね…。
○「先付」
…先ずは麦酒の御通しの様な感じで先付けが出される。
小鉢に入ったのが、湯葉と水母を和えた物で、水母のコリコリとした食感が夏らしい。
平貝の酒蒸しはムチッとした歯応えで、卵黄を基にしたテレレが掛かっている。
そして、言わずもがなの枝豆。
非常に御上品で、飯事の様な器だが、致し方無い。
○「お造り盛合せ」
…さて、漸く、期待感の高まる料理が運ばれて来る。
幾ら、肉を頂きに来たとは言え、魚も頂きたいのが呑ん兵衛の欲張りと言うもの。
先ずは、白身の王様、真鯛から頂く。
今年は豊漁と聞き、味の方は如何かと言うと、白身の優しい味わいが感じられつつ、
脂の載りも程好く有り、弾力が有り、西日本の人間でなくても美味しく感じる。
お次は平貝。
何時も「鮨処 いっしん」で平貝の寿司を頂いているが、其の時のサックリとした食感は余り無く、
帆立貝の水分を少し抜いた様な感じだが、生の貝特有の甘味は強く出ている。
続いては、高級魚の縞鰺。
コリコリとした食感で、身がしっかりと引き締まって、噛み締める毎に旨味が増す感じ。
そして、大トリ、大トリ、鳳 啓助はポテチンと言う事で、魚の王様、刺身の華、鮪。
然も、女中さんからは「トロ」と御紹介に与り、見るからに脂の載りは見て取れる。
口に入れれば、正にトローッと蕩ける様な口当たりで、肌理細かい脂がフワーっと溶けて行く。
矢張り、関東に生まれ育った人間は、鮪は欠かせず、魚の序列一位の風格と旨さだ。
○「赤むつ、鮑、からすみの盛合せ」
…主役のしゃぶしゃぶを前に、もう一品、皿が出て来る。
和食の高級料亭に来た様な感じで、徐々に期待の盛り上がりが感じられる。
皿に盛り付けられた物の中から、先ずは嫌いな物から遣っ付けるのが僕の流儀。
赤茄子の水煮を頂くと、甘いのと、赤茄子が柔らかくなって、口内で水風船の様に割れる食感に参る。
続いては、松葉に刺さった鮑と胡瓜を頂くが、正直、此の大きさでは鮑だとは判別出来ない。
梅貝の肝の部位の様な感じで、トゥルンとしているが、貝の旨さは間違い無い。
お次は高級食材の唐墨。
此の手の魚卵は堪らなく好きで、海鼠腸然り、此れさえ有れば、幾らでも酒を呷れそう。
鱈子とは又違った食感、塩気が心地好く、大根と一緒に頂く。
更に、蓴菜のヌルヌルは今が旬で、涼やかで頂き易く、梅肉の酸味と相俟って爽やか。
そして、主役は日本海では「のどぐろ」と呼ばれる高級魚、赤ムツの塩焼き。
今年の一月、金沢を訪れた際、回転寿司店で散々、のどぐろを堪能し尽くしたが、
其の脂の載りは凄まじく、旨さに感動を覚えたが、塩焼きにしても矢張り旨く、
身はふっくらと柔らかいが、脂が載り、何とも言えない旨さがぎっしりと詰まっている。
○「しゃぶしゃぶ(和牛霜降肉)」
…さてと、待ちに待った主賓のしゃぶしゃぶの御出座しだ。
豪快に、皿を埋め尽くさんばかりに敷き詰められた霜降りの絨毯…。
隣りの席に肉を運んで来た際、佐賀県産の牛肉であると一言添えていた。
即ち、ガーサーのシーウーのブシャブシャ。
況してや、此れがダーターと言うから堪らない…。
初めは女中さんが一枚、ブシャブシャを湯掻いて拵えて呉れる。
此れを先ずは「木曽路」特製の胡麻ダレで頂く。
見事な迄にさしが入った牛肉は、口に入れるなり、あっと言う間に消えて無くなる勢い。
思わず、あられもない悶絶した声を漏らしてしまいそうで、此の旨さの表現方法が見当たらない。
僕に文才が無いばかりに、筆舌に尽くし難いと言う表現が関のマウンテンだ…。
特製の胡麻ダレは、胡麻、胡桃、落花生等を用いた自慢のテレレで、コクが有って濃厚。
まったりとした舌、胃袋を包み込む様な円やかで奥深いコクと、
霜降りの脂の載った極上の牛肉が組み合わさって、旨くない訳が無いのだよ、君!
一方、ポン酢で頂いてみても、此れ又、さっぱり、スッキリとした切れの有る酸味に、
牛肉の脂が絡み合い、酸味の中に脂の甘味が引き立ち、旨いの何の。
しゃぶしゃぶなんて高級料理、滅多に頂けないので、非常に貴重で有り難く、胃袋も大満足。
此の日は麦酒三杯のみに留め、流石に高級店なので自重する…。