続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「えぼし麺 菜良」【茅ヶ崎】

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 ◎「あえそば」七〇〇円+「キムチ」一〇〇円+「チーズ」五〇円

 …此処数日、如何言う訳だか熟睡出来ず、昨晩も二時間置きに目が覚める。
  夢を見た記憶が有るので、眠りが浅いのだろう。
  今朝も目覚ましが鳴る一時間近く前に目が開いてしまい、其の儘、ぼんやりと過ごす。
  こんな調子なので、日中、眠いったら有りゃしない…。
  今日は湘南新宿ラインに長々と揺られ、南国・茅ヶ崎へと遣って来る。
  茅ヶ崎駅を降りると、前回もそうだったが、某宗教団体の信者の方々が、
  ビラを配るでもない、勧誘するでもない、冊子を手に立っているだけで、丸で、売れない売春婦の様だ…。
  其の冊子には「目ざめよ!」と書かれている。
  宗教が嫌いな僕からしたら、「あんた等が目を覚ませよ!」と突っ込みたくなる…。
  別段、勝手に好きで宗教を遣っている分には構わないが、人を巻き込んだり、勧誘したり、
  他人に迷惑を掛けず、身内だけで肩寄せ合って遣って貰いたいものだ…。
  其れはさて置き、週の真ん中モッコリ水曜日と言うのに、身体は重たい中、
  齷齪と労働し、十三時に成って昼御飯を摂る事にする。
  茅ヶ崎と言えば、何が何でも此方と決めているが、前回、今月七日に訪れた際は、
  少し遅めの夏休みにぶつかり、敢え無く玉砕し、酷く落ち込んだ。
  然し、今日こそはと息巻いて、茅ヶ崎駅の磯臭い方の出口に渡り、此方を目指す。
  交差点を右に折れ、店が見えると、営業中の看板を店頭に見付け、安堵する。
  木戸は開け放たれ、空席も確認し、半地下の階段を下り、店内に入る。
  席に着くと、直ぐに注文訊きが遣って来る。
  最近は専ら「あえそば」がお気に入りで、何時もは「魚粉」+「チーズ」なのだが、
  前回振られた際も、「キムチ」+「チーズ」にしてみようと固く心に誓っていたので発注。
  無料のトッピングは、野菜増し、大蒜、脂、タレ、全部で御願いする。
  只でさえ豪く暴力的な食べ物なのに、此れにキムチとチーズが加わると、
  一体、どれだけ乱暴で、粗雑な食べ物へと変貌するのか、期待大だ。
  後から続々と客が押し寄せ、あっと言う間に店内は満席に。
  すると、後から来た客の「えぼし麺」が、次々に先を越して配膳されて行く。
  「あえそば」よりも調理時間が短いのは承知なので、其れは気にしないのだが、
  僕より後に来て、同じく「あえそば」を発注した客の方が早く出されるのが癪だ。
  例え、トッピングが無い、通常の「あえそば」だとしてもだ…。
  結局、店内の客の中で一番最後に、僕の元へ「あえそば」が運ばれて来る。
  飲食店では仕方ない事とは分かっているが、物には順序が有ろう。
  釈然としない気分だったが、其れを一気に払拭するに余り有る物が目の前に有る。
  凡そ、とても旨い物とは見えない様な見た目に、思わず笑いさえ浮かべてしまう。
  人間にしても、食べ物にしても、外見で判断してはいけない事は分かっている。
  然し、此の見た目は、正直、凄い…。
  丼から、良くもまあ零れないで居るのが不思議で、今から此れを攪拌するのは至難の業だ。
  真ん中に落とされた生玉子を中心に、チーズが溶ける様に、プースーと絡む様に、
  慎重に慎重に、全てを混ぜ合わせるのは不可能なので、全体をざっくりと混ぜる。
  其れにしても、攪拌すると、余計に其の迫力、強烈な衝撃は倍加する。
  さあ、いざ立ち向かおう。
  こう混ぜ合わせると、何から食べるとか言う訳には行かない。
  取り敢えず、先ずは野菜が比較的多い場所から喰らい付くと、萌やしとキャベツの茹で加減が良く、
  僕の一番好きなシャキシャキとクタクタの中間で、此れに有らゆる物が絡み合っている。
  生玉子の白身のドゥルドゥルが絡み、甘味が感じられる。
  此れに胡椒のピリッとした爽やかな辛味と、揚げ大蒜の香ばしい刺激的な味わい、
  一味唐辛子の辛さ、そして、刻み大蒜の何とも言えない、僕が欲していた味が此処に有る。
  更にはキムチの辛味と酸味が加わるなんて、もう、一体、何の味だか分かりゃしない…。
  然し、只、辛さや刺激が立っている訳ではなく、チーズの円やかさが全体の味を丸くして呉れる。
  矢張り、チーズは偉大だ。
  さて、漸く出て来たのが麺。
  内蒙古産のかん水を使用した極太自家製麺で、茹で時間に五、六分要すると謳っており、
  極太で、不揃いな感じが有り、ボソボソとした口当たりで、モッチリ感が有る。
  本来、麺が主役であって然るべきだが、此れだけ具やトッピングが強烈だと、麺も形無しだ。
  麺を食べた気がしないと言うか、存在感が薄くなってしまう。
  麺は一〇〇グラムも無かったのではとさえ思う程…。
  豚はと言うと、しっかりと味の染み込んだ、ホロトロ感の味わえる物。
  ドロドロの濃厚、濃密なプースーが染み込んで柔らかくなった豚は最高だ。
  〆は、「あえそば」と言えども、ドロッとしたプースーが多目なので、蓮華で其れを掬って啜る。
  有りと有らゆる味が溶け出し、訳が分からない感じだが、此れが癖に成る。
  麻薬性が有ると言うか、中毒症状、禁断症状が現れるんだろうな…。