続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「居酒屋 やず」【宮原】

◆「居酒屋 やず」【宮原】

 …金曜日。
  高崎での仕事を終え、疲労困憊、ぐったり気味に帰って来る。
  一週間の労働を終え、漸く、待ちに待った週末の訪れ。
  と成れば、必然と打ち上げしたくなると言うのが普通だ。
  先週は引っ越しの為に御邪魔出来なかったので、随分と久し振りな感じ…。

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 ◎「アサヒスーパードライ生ビール(中)」四五〇円
 …何時ものカウンター席に座り、重たい鞄と一週間の疲れを一緒に下ろす。
  此の一杯を味わう為だけに汗水垂らして労働したので、先ずはルービー。
  仕事の疲労と、未だ終わる気配が無い引っ越しの片付けの疲労が一気に押し寄せる。
  グイッと呷れば、弾ける炭酸の爽快感が実に心地好く感じられる。
  思わず、「あ゛-っ」と声を出してしまうそうだ。
  御通しは、烏賊と葱を和えた物。

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 ◎「鳥手羽焼」三五〇円
 …さあ、今回は何を頂こうかしらと、厨房内の業務用冷蔵庫に貼り付けられた白板を眺め、
  此の日の御薦め品を品定めするのだが、此の時間が愉しかったりする。
  其の中に、前回も頂いて美味しかった鶏の手羽焼きが有るので発注。
  表面がこんがりと狐色に焼き上げられた手羽先は、見た目にも卑怯だ。
  手が汚れる事も気にせず、豪快に齧り付けば、香ばしくて絶妙だ。
  ジュワーっと肉汁が溢れ出し、唇はテカテカと脂に塗れる。
  丸で、朝から揚げ物を食べる百貫デブの口の周りの様だ…。
  塩気も丁度良く、皮から染み出す脂との相性は抜群。

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 ◎「自家製塩辛」三八〇円
 …お次は、少し箸休め的に塩辛を頂こう。
  自家製の塩辛なので、市販されている物よりも安心感が持てる。
  作ってから時間が経過している様で、熟成されている感じがする。
  柚子の風味が軽くフワッと鼻腔を擽り、烏賊の腸が濃厚で、酒呑みには堪らない。
  子供の頃、家で酒を遣っている父親の摘みは決まって烏賊の塩辛で、
  其れが旨そうで、脇から箸で摘んだ事を記憶している。

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 ◎「バタービーフ」五八〇円
 …麦酒を二杯頂き、疲労も相俟って酩酊して来たので、酒は「電氣ブラン」へと替え、
  そろそろ、主役の此の日の御薦めの品に取り掛かろう。
  白板には見慣れない単語「バタービーフ」と記されている。
  バターと牛肉と言うのは分かるが、マスターに訊いてみよう。
  すると、牛肉を玉葱、ピーマンと塩胡椒で炒め合わせた物との事。
  其れならば渡りに船なので、「電氣ブラン」の摘みとしても合いそうだ。
  調べてみると、九州地方で食べられている料理らしく、「ビーフバター」とも言う様で、
  熊本県出身のマスターなので合点が行った。
  調理中、厨房からはバターの香りが漂って来て、名前の通りだと納得。
  そして、白い皿に盛り付けられて出て来た代物は、牛肉が敷き詰められている。
  その下に、ピーマンと玉葱が隠れる様に潜んでいる。
  頂いてみると、バターの風味が薄っすらと感じられ、強過ぎないので良い。
  バターが余り好きではないので、僕としては助かる。
  味付けは塩胡椒なので、至って簡素だが、素材の甘味が引き出されている。
  此の手の料理は、個人的に「電氣ブラン」と良く合うと思う。

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 ◎「そば」五五〇円
 …何時もより時間が少し早いが、〆に掛かろう。
  前回、前々回は、好物のとろろ御飯を頂き、無駄に精を付けたが、
  今回は流石に無いだろうと読み、何時も通り、温かい蕎麦を御願いする。
  〆に温かい物を頂くと、胃袋もそうだが、何だか妙に落ち着く気がする。
  今回は玉子を落として煮込んだ物ではなく、半熟の茹で玉子が入っており、
  具も椎茸が加えられており、何れも願ったり叶ったり。
  つゆを一口啜れば、ホッと心が和み、緊張が解き解れる様な感覚。
  甘辛い味付けで、濃い味が好きな僕からしたら薄味だが、此れは此れで良い。
  流石の高血圧の僕も、健康診断に備え、「胡麻麦茶」を飲み始めたから…。
  蕎麦を啜れば、喉の通りが良く、スルスルっと入って行く。
  茹で玉子の半熟の黄身のトロトロ具合や、つゆの染みた椎茸も美味しく、
  最後はつゆを飲み干し、「其れじゃ駄目じゃん!」と自分で突っ込んでみる…。

居酒屋やず [ 居酒屋 ] - Yahoo!グルメ



住所: 埼玉県さいたま市北区宮原町3丁目275
営業時間、定休日:日曜日
最寄り駅: 宮原
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※2011年5月21日時点の情報です。
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