続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「狼煙~NOROSHI~」【大成】

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◆「狼煙~NOROSHI~」【大成】

 ◎「かれつけ麺(中盛)」七五〇円+「味付玉子」一〇〇円

 …昨日は折角の休日と言うのに、日がな一日、殆どの時間を寝巻きで過ごす駄目さ加減。
  一体、何時間寝ただろうか…。
  実家に居たら、恐らく母親から、「そんなに寝てたら、目ん玉腐っちゃうよ!」と罵られそうだ。
  寝過ぎで身体が痛い程だが、晩に成れば眠たくなる。
  風呂上がりに長椅子でだらだらした後、午前一時に寝床に移動。
  あれ程、十分過ぎる位に寝たにも拘らず、五分と掛からずに落ちる…。
  夜中に雪隠に起きるものの、平日の様な辛さは無い。
  今朝は九時に目が覚めたが、普段出来ない事をしようと、只管、ゴロゴロと自堕落に過ごす。
  此のだらだらを明朝には出来ないかと思うと、早くもサザエさん症候群を患い始める…。
  正午前まで、駄目人間の様な暮らしをし、身支度を整えて出掛ける。
  昼御飯を頂こうと、今日は最初から予定を決めている。
  「ラーメンデータベース」上で、埼玉県一位の地位を揺ぎ無いものにしつつある此方。
  最近では行列が目に見えているので回避し、すっかり御無沙汰で、二〇〇八年七月二〇日以来、
  実に、三年九ヶ月振りで、前回の記憶も薄れている、と言うか、記憶に無い…。
  嗚呼、歳は取りたくないものだ。
  店に着くと、案の定、宍戸錠、店頭には行列が形成されている。
  人数にして十五人で、小雨が降り始める中、最後尾に付き、来るべき時を待つ。
  外で、煙草を吸う客の副流煙に、眉間に皺を寄せつつ待つ事二〇分。
  漸く店内に入る事が出来、先ずは券売機で食券を購入する。
  此方では今迄、通常の「つけめん」しか頂いた事が無いので、今回は違う物にしようかと悩み、
  予め調べてみると、カレー味の「かれつけ麺」の評判が頗る良い様なので、其れに決定。
  そして、カレーには玉子が合うだろうと、贅沢にも味付け玉子を追加してみる。
  「半肉増し」はグッと堪えて我慢してみる…。
  食券を手渡し、更に店内で待ち、一〇分弱でカウンター席の一番奥に通される。
  出来上がりを待つ間、店内や他の客をぼんやりと眺めて時間を潰す。
  前々から口を酸っぱくして言っており、今回も批判されるのを承知で記すが、
  こう言うカウンター席しか無く、回転が命の店に、一人で丼一杯のラーメンを食べられない、
  歯も生え揃わない様な餓鬼を連れて来るのは一体、如何言う神経をしているのか、僕には分からない。
  店側としては、金にも成らないのに、無駄に一席を占拠されてしまい、迷惑な筈。
  後ろで待っている客としたら、ちまちまと啜って時間が掛かり、回転が悪くなるので、良い迷惑。
  親の欲望を満たすだけに餓鬼を連れて来ると、店も周囲も迷惑する事に気付かないかね。
  最近、権利ばかりを主張し、周囲への気遣いは二の次と言う人間が多い様に思う…。
  さて、やり場の無い怒りを何とか収め、冷水を呷れば、期待のカレーつけ麺が遣って来る。
  見た感じ、然程のカレーっぽさは無く、通常のつけ麺と変わらず、微かにカレー臭が漂う。
  早速、極太麺を手繰り、つけ汁に浸せば、麺には確りとプースーが纏わり付き、
  其の粘性の高さが見て取れ、濃厚度合いに期待を寄せる。
  いざ啜れば、カレーの風味は控え目で、通常のつけ麺同様、濃厚な魚介豚骨の味わいが強く出ている。
  善く有り勝ちな、普通のカレールウを用いただけの様な安直なカレーつけ麺とは違い、
  動物系と魚介系の確りとした出汁が下地と成っているので、味は確かな物だ。
  岩手県産阿部鶏や豚骨、煮干し、鰹、鯖を使って濃厚に仕上げたと言うだけあり、
  ドロッドロの粘度で、有りと有らゆる出汁が搾り出されている様で、濃密な感じだ。
  不自然な甘味や酸味は無く、カレーの風味がほんのりと薫る程度なのが良い。
  玉葱の微塵切りが入っており、ショリショリした歯触りと、甘味を齎して呉れる。
  難点は温いと言う事位か…。
  麺は埼玉県産小麦と群馬県産小麦をブレンドした、国産小麦一〇〇パーセントの自家製麺と謳い、
  ポキポキと言う強靭な腰と、ミシミシと音がしそうな高気密な力強さが良い。
  啜り心地も良く、噛むのも愉しい秀逸な麺だ。
  具は、ホロホロに解れた刻み叉焼と、枕木の様な極太麺麻、海苔、先述の玉葱の微塵切り。
  常連は此れにチーズが入った物を食す事が出来る特権が有る様だが、そう成るには程遠いな…。
  〆は、スープ割りなんぞ軟弱な真似はせず、男は黙って、原液の儘をヅヅヅと飲み干す。
  胃袋が小さくなったのか、中盛り程度で満腹に成ってしまい、衰えを感じる…。