続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「麺場 風天」【大井町】

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◆「麺場 風天」【大井町

 ◎「冷しつけ汁田舎つけ麺」七八〇円

 …毎晩、蒸し暑く、寝苦しい日が続いている。
  眠りも浅く、睡眠時間も削られ、すっかり滅入って、げっそりしているのが普通だが、
  如何せん、皮下脂肪が分厚いのか、全く痩せたり、窶れたりと言う感じが見受けられないのが悔しい。
  心身共に、こんなにも参っているのに…。
  今週も、御願いしてもいないのに始まりを迎え、暑さと挌闘している。
  只でさえ、卒倒しそうな毎日なのに、其処に暑さが加わって御覧なさい。
  発狂しそうな苛立ちと、豚骨臭の汗が止め処無く噴き出す毎日だ。
  一体、如何して呉れるのか。
  責任者よ、出て来い!と言った、怒りにも似た苦痛で支配されている…。
  今日も今日とて、朝からヂリヂリと暑さが攻め寄る中、身支度を整えて出掛ける。
  況してや、明日からの青森での仕事に備え、今晩から青森入りせねば成らず、
  重たいトランクケースを転がし、大井町へと向かう。
  着いたら着いたで、山の様に積もり積もった仕事が有り、独り、挫けそうに成る。
  独りで全てを熟さねば成らないわ、十六時にか切り上げなければ成らないわ…。
  黙々と、只管、自分の持ち場を粛々と熟すと言った心情で仕事を片付ける。
  十三時に成り、待ちに待った、待望の昼休憩を入れる事とする。
  そうは言っても、此の暑さじゃ、何かを食べ様と言う気さえ起こらない。
  何時もならば、「ザ・ラーメン スモールアックス」で「二郎」系ラーメンを堪能するのだが、
  幾ら「二郎」系が好きでも、此の暑さの中、況してや、狭く、密集した店内で、
  熱熱のてんこ盛りラーメンを喰らうなんぞ、自殺行為みたいなものだと、其れ位は分かる。
  其処迄、馬鹿じゃない。
  と言う訳で、せめて、つけ麺が精精だろうと、慣れ親しんだ此方の店頭へ遣って来る。
  すると、貼り紙で、「夏の冷しつけ麺始めました」と言った文言が打ち出されている。
  こちとら、熱いつけ汁の普通のつけ麺を考えていただけに、全てが冷たいつけ麺とは助かる。
  いざ、店内に入り、券売機に向き合うと、其のつけ麺の正体が詳らかにされる。
  其の名を「冷しつけ汁田舎つけ麺」と言い、想像するに、冷や汁のつけ麺版の様な物か…。
  其れを頂くには、「煮干し塩そば(大盛)」七八〇円の食券を買う様にと書かれており、
  言われるが儘、其の食券を購入し、店員に手渡す際、「冷やしで」と御願いする。
  只管に冷水を呷り、熱で乾涸びた身体を潤し、労わり、出来上がりを待つ。
  一〇分程で出来上がり、目の前に差し出された物を見ると、如何にも想像通りの物で安心感すら有る。
  貼り紙に謳われているが、つけ汁は胡麻味噌味で、麺は細麺とな。
  そして、茗荷、胡瓜、大葉の夏野菜、鶏肉、油揚げの田舎風の具が入っていると言う。
  実物を見るからに、正に其の通りだ。
  麺の上にあしらわれた鶏肉、油揚げ、貝割れ大根、茗荷、刻み海苔をつけ汁に一気に投入。
  つけ汁は胡麻味噌と有って、とろみの効いた、まったりと濃厚そうな味わいだ。
  麺はやや黄色味を帯びた麺で、此れを手繰り、つけ汁に浸して啜る。
  ごってりと麺に纏わり付くつけ汁は、其れだけで粘度の高さが窺える。
  味噌と胡麻の風味が、どちらかが強過ぎると言う感じも無く、平均的に感じられる。
  正に、冷汁を濃厚にした感じで、ひんやりと冷たいのだが、あっさりとしていないので、
  陳腐な、丸で素麺か冷麦を頂いている様な物足りなさを受ける事は無い様に感じられる。
  麺は細く、此方の通常のつけ麺で使用される、力強い、「カネジン食品」製の物とは掛け離れるが、
  ツルツルっとした啜り心地は良く、つけ汁も確りと絡み、良さは出ている気がする。
  つけ汁の器の底には、更に夏野菜の代表と言うべきオクラも沈んでおり、
  粘粘系が好きな僕としては、有り難さすら感じる。
  オクラで粘性が増していると言う側面も有ろう。
  鶏肉、胡瓜、茗荷、貝割れ大根、夫々が涼やかで、さっぱりとした味わいを演出しており、
  思わず、〆は、ドロドロっとしたつけ汁をグイッと啜り、夏を飲み干してみる。

~御負け~
 十六時に大井町での仕事を切り上げ、上野発の夜行列車ではなく、東京駅発十六時五十六分
 「はやて」三十五号で青森を目指すが、嬉しい事に、通常、「はやぶさ」で使用される、
 「E5系」に人生二度目の乗車を果たすが、座席で電源が確保出来るので助かる…。
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