続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「担担麺 花さんしょう」【高麗】

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◆「担担麺 花さんしょう」【高麗】

 ◎「牛スジ担担麺」八八〇円

 …嵐が来るとか来ないとか、世間様は大童の様だが、朝、起きてみれば好天だ。
  然も、九月も最終日だと言うのに、無駄に暑いでやんの。
  一体、何時に成ったら汗をかかずに済む陽気に成って呉れるんだか、見当も付かない。
  休日と言えども、寝起きはぐったりとして、一〇時過ぎに何とか寝床から這い出す。
  風呂に入り、就寝中に汗だくに成った不浄な身体を清め、漸く、全うな人間に戻る。
  嵐が来る前に、明日からの食糧を確保する為、玄米を精米しに行かなきゃだし、
  昼御飯も食べたいし、只、其れだけで帰って来るのも何だし…。
  昨晩、「鮨処 いっしん」のマスターから、日高の巾着田曼珠沙華が身頃だと聞き、
  何度も其の前は通った事は有るが、一度も中に入った事が無いので、気紛れで行ってみる。
  渋滞する中を走り、腰は痛いわ、苛苛は募るわ、絶対、ストレスで早死にするな。
  余りにもストレス耐性が低過ぎるもの…。
  途中、昼御飯を頂こうと迷うが、入りたい店に限って反対車線だったり、如何も間が悪い。
  仕方無く、其の儘、只管に自動車を走らせ、現地迄向かってしまう。
  目と鼻の先に巾着田が見えた所で、反対車線に担々麺専門店を発見する。
  対向車も無いので、無事に難無く駐車場に頭から突っ込む。
  矢張り、此の曼珠沙華特需の所為か、待ちが発生しており、可也の盛況振りだ。
  先に食券を購入する方式の様なので、とっとと決めてしまおう。
  基本は矢張り担々麺で、普通の「中華そば」も有るが、全てが担々麺だ。
  此処迄、一つのメニューに特化している方が安心だし、期待が持てる。
  数有るメニューの中から、「牛スジ担担麺」に決定し、食券を購入し、名前を記入して待つ。
  外は暑く、とても、此れから辛い物を食べると言う心持ちには成り辛い…。
  一〇分強で名前を呼ばれ、カウンター席の一番奥に通される。
  壁際と言う事は即ち、壁の上方に設えられた冷房の風は一切当たらないと言う最悪の環境だ…。
  冷水を呷り、汗を拭い、出来上がりを待つ。
  後からも引っ切り無しに客が入って来ている様で、気付けば、二席隣りは中華人民共和国人のアベックだ。
  素朴な疑問を一つさせて貰うが、如何して、中華人民共和国人は、あれだけの反日教育で洗脳され、
  日本が大嫌いなのにも拘らず、こうして日本に旅行や観光に来るのだろうか。
  言っている事と遣っている事が、丸で支離滅裂と思うのは僕だけだろうか…。
  そんなに嫌なら来なきゃ良いのにと思うのだが、恐らく、大挙して押し寄せ、
  日本は中華人民共和国が実効支配している等と抜かし、占領しようと企んでいるに違いない。
  気を付けろ!
  こうして注意を払っている間に、熱々で、見るからに激辛の担々麺が目の前に差し出される。
  丼は嫌がらせの様にチンチンに熱く、面の皮と手の皮が薄い僕は困ってしまう…。
  赤々とした血の池地獄の様なプースーから、先ずは啜ってみよう。
  一口啜ると、一気に身体中の毛穴がバッと開き、汗がドッと滲み出て来る。
  そして、尻の「*」の部位から、何かがプイッと出てしまいそうに成り、彼方此方が大変だ。
  卓上のメニューを見ると、通常の「担担麺」は辛さが唐辛子印で一段階だが、
  此の「牛スジ担担麺」は辛さが二段階で、然も、辛さを控え目に調節が利かないと言う。
  冷風の当たらない劣悪な環境で、熱くて辛い物を、暑がりで猫舌、辛い物が苦手な駄目中年が啜る。
  然し、味はと言うと、担々麺風ではなく、確りとした本格的な担々麺と言えよう。
  店名の通り、花山椒を使用している様で、此れは四川担々麺には欠かせない香辛料と言う。
  此方の創業者が三〇年以上前、当時の日本では手に入らなかった花山椒を独自に入手したらしい。
  胡麻のコクも感じられるが、山椒を始めとした香辛料のヒリリとした辛味が特徴的だ。
  又、特製と謳う辣油もたっぷりと入っており、表面の赤さで其れは分かる。
  その辣油の作り方も載っており、先ず、様々な香辛料を油に入れ、香りと成分を染み出させ、
  ゆっくりと本場の唐辛子粉に油を入れ、其の儘、暫く落ち着かせ、冷まして完成と言う。
  更に能書きには、甘味、辛味、苦味、酸味、塩味等、五味の均整の中に五感を通じて、
  感じ取る事が出来る味覚が「旨味」として凝縮されていると言い、単なる刺激的なラーメンではなく、
  健康的で奥深い伝統的な料理であると記されている。
  確かに、濃厚な割りにはサラッとしている印象だが、如何せん、僕には辛過ぎる。
  二、三口プースーを啜った所で、早くも卓上の酢を投入する決意をする。
  然も、瓶の三分の一程を一気にドバドバと回し入れ、辛味を抑える事に躍起に成る。
  麺はと言うと、表面がツルツルした物で、意外にも、細麺なのかと思いきや、
  中太と迄は行かない迄も、中細と言った感じで、予想外の太さだ。
  個人的には博多ラーメンの様な極細麺の方が好みだ。
  具の牛筋は随分とロイクーで、ゴロゴロと乗っており、赤身の部位はギュッと噛み締めたくなる食感で、
  肉の繊維に沿ってホロホロと解れ、善く煮込まれているのが窺える。
  プルプルしたコラーゲンたっぷりの部位も有り、相変わらず「SK-�」要らず。
  其の後も断続的に酢を投入し続け乍ら、やっとの思いで完食すれば、風呂上がりの様な状態。
  汗だくで、思わずフルーツ牛乳が飲みたい位…。

  此の後、巾着田で群生している大量の曼珠沙華を見たが、生まれて三十六年経ち、
  前から薄々と気付いてはいたが、今日、確信して分かった事が有る。
  其れは、僕は、旅行や観光が好きではないと言う事。
  確かに曼珠沙華は綺麗とは思うが、じっくりと、ゆっくりと、愛でる様に散策路を歩く事が出来ない。
  況してや、自分の歩く進路を、写真を撮るが為に、周囲に気も遣わずに塞がれたりした日にゃ。
  不道徳、自分勝手な行いに腹が立ってしまい、曼珠沙華どころの騒ぎではない。
  他の場所でも、博物館や美術館、何かの展覧会等、興味の全く無い物は丸で駄目。
  旅行は、電車や自動車に乗って出掛けるのは好きだ。
  行く迄の行程と、其の土地での食事以外に何の興味も無い事に、此の歳にして気付いた…。
  僕の場合、興味の有る物の幅が異常に狭く、興味の無い物に関しては極端に排他的なんだろうな。
  だから、駄目なんだよ…。