続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「トラットリア ピアットロッソ」【大成】


 …もう、腰と言うか、尻の痛みが半端ではない。
  激痛が走り、思わず絶叫してしまいそうな耐え難い痛み。
  今迄通っていた整形外科に見切りを付け、此処三週間は御医者にも行っていない。
  行った方が、行かない方より良いのは分かっているが、一二〇〇円を捨てる様な気がして…。
  本当、ツーケーを思いっ切り、若くて綺麗な女性に蹴っ飛ばして貰いたい程。
  ピンヒールの踵で、尻の頬っぺたをぐりぐりと痛めつけて貰いたいよ、全く…。
  痛みに耐え、一〇時半に寝床から這い出し、痛みに悶絶して起き上がり、風呂に入る。
  如何して腰痛なのに、尻が痛くなるのか。
  何だかんだで、中森明菜のデヴュー曲の様な動きしか出来ないので時間が掛かり、
  気付けば十三時に迫ろうとしており、腹も減ったので昼御飯を食べに出る。
  休みの日位はラーメンを止してみようと思い、「フォースコリー」も服用し、
  減量に打ち込もうと考え、此処は矢張り、控え目にザーピーとゲッティーに決定。
  と言う訳で、其の昔、「マンマパスタ」と言う名前だった頃に何度か御邪魔した店が有り、
  其の後、何度か屋号を変えた様なので、久々に突撃してみる事にする。
  屋号は「トラットリア ピアットロッソ」と成っているが、親会社は変わらない様だ…。

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 ◎「マルゲリータ」一〇〇〇円
 …店に着き、待つ事を覚悟したがすんなりと通され、腰を庇い乍ら着席。
  普通ならば葡萄酒を頂きたい所だが、自動車なので耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで我慢。
  グッと堪え、ザーピーとゲッティーを発注する。
  ザーピーはと言うと、専ら、マルゲリ一本槍だ。
  彼是と具が乗った物も美味しいが、簡素で、安く、美味しいので、マルゲリが無難だ。
  然も、最近は一〇〇〇円を優に超える店が多い中、一〇〇〇円丁度と言うのは良心的か。
  此方のザーピーは、「薪窯ローマピッツァ」と謳っているが、「ピッツァ」と口にするのが恥ずかしい…。
  ザーピーで良いだろうに、ザーピーで。
  其れは兎も角、最も高精製度の伊太利亜産小麦粉のサッコロッソと言う物を使用した、
  薄焼きタイプの羅馬ピザと言う触れ込みで期待が持てる。
  大きさは直径三〇センチメートル程で、生地は薄く、パリッパリの状態だ。
  車輪型のザーピー切り分け器で八等分して頂く。
  赤茄子の爽やかな酸味が真っ先に伝わり、清清しささえ感じられる。
  モッツァレラチーズはモチっとしていて、濃厚さは控え目で、さっぱりと頂ける。
  グラナ・パダーノと言うチーズも使用されている様だが、僕の馬鹿舌では判別が出来ない…。
  矢張り、ザーピーは僕の好物であると言って良いな。

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 ◎「手長海老のトマトソース」一二八〇円
 …ゲッティーはと言うと、赤茄子味に限る。
  大蒜との組み合わせは破壊力抜群だ。
  と言う訳で、甲殻類の入った「手長海老のトマトソース」を発注。
  手長海老は一匹丸々のを、真ん中でぶった切った形状で入っており、脳味噌を曝け出している。
  此れも、食物連鎖の掟だから仕方ないだろうな…。
  こう言う小洒落た店では、粉チーズが出て来ないのが困る。
  ちゃんと、卓上にエスビーの粉チーズを配置しておいて呉れないと…。
  粉チーズの無いゲッティーなんて、「クリープ」を入れない珈琲の様な物だが、黙って頂く。
  ラーメンにしてもゲッティーにしても、矢張り、麺は腰が重要だ。
  ふにゃふにゃの病院食の様なのも困るし、輪護謨の様なのも困り、茹で加減が命だ。
  赤茄子の酸味と、大蒜のコクが相俟って、此の組み合わせは素敵だ。
  海老の殻から僅かな身を穿り出し、確りとプリン体の摂取も怠らない。
  此れに葡萄酒が有れば言う事無しだろうな…。

~御負け~
夕べからの雨も上がり、午後から俄かに晴れ出したので、大宮花の丘農林公苑に行ってみる。
サルビアだかベゴニアだかの赤い花。
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