◆「大黒鮨」【柴又】
…腰と尻は死ぬ程に痛いが、三連休もあっと言う間に終焉を迎えようとしている。
此の儘、ヂッと寝床で臥せっているのも何だし、外は抜ける様に良い天気だ。
天高く僕肥ゆる秋、とでも言おうか。
昨日不意に、僕が東京で最も好きな街に出掛けようと思い立つ。
映画「男はつらいよ」の舞台である、葛飾区は柴又だ。
子供の頃に一度、家族で訪れ、朧げな記憶の中に下町への憧憬を覚えたのか、
中学校時分には友人、春と秋の年に二度訪れる様に成り、此の街とは其れ以来の付き合いだ。
此の街の良さを記すには僕の文才では不可能だが、兎に角、漂う空気から何から堪らない。
京成高砂駅で金町線に乗り換え、京成三三〇〇系電車が重たそうな身体を揺らし乍ら、
ガタゴトとゆっくりと、柴又駅へと滑り込み、昨年四月二十九日以来の此の街へ。
秋晴れの好天の中、駅前にはタイガーさんこと、さんトラの銅像が輝いている。
此の街は僕をわくわくさせて呉れ、且つ、日常生活で荒んだ心を癒して呉れる。
さて、時刻が正午に間も無く成ろうと言う頃なので、先ずは昼御飯を頂こう。
柴又と言えば、中学校時分から御世話に成っているのが、此方の寿司屋。
柴又駅前の一等地に立地し、昭和の香りがプンプン漂う、ノスタルジィの塊の様な店。
店に入ろうとすると、店頭に居た女将さんと顔が合い、「あら、御久し振りです~」と声を掛けられる。
暖簾を跳ね上げ、いざ、入店。
此の儘、ヂッと寝床で臥せっているのも何だし、外は抜ける様に良い天気だ。
天高く僕肥ゆる秋、とでも言おうか。
昨日不意に、僕が東京で最も好きな街に出掛けようと思い立つ。
映画「男はつらいよ」の舞台である、葛飾区は柴又だ。
子供の頃に一度、家族で訪れ、朧げな記憶の中に下町への憧憬を覚えたのか、
中学校時分には友人、春と秋の年に二度訪れる様に成り、此の街とは其れ以来の付き合いだ。
此の街の良さを記すには僕の文才では不可能だが、兎に角、漂う空気から何から堪らない。
京成高砂駅で金町線に乗り換え、京成三三〇〇系電車が重たそうな身体を揺らし乍ら、
ガタゴトとゆっくりと、柴又駅へと滑り込み、昨年四月二十九日以来の此の街へ。
秋晴れの好天の中、駅前にはタイガーさんこと、さんトラの銅像が輝いている。
此の街は僕をわくわくさせて呉れ、且つ、日常生活で荒んだ心を癒して呉れる。
さて、時刻が正午に間も無く成ろうと言う頃なので、先ずは昼御飯を頂こう。
柴又と言えば、中学校時分から御世話に成っているのが、此方の寿司屋。
柴又駅前の一等地に立地し、昭和の香りがプンプン漂う、ノスタルジィの塊の様な店。
店に入ろうとすると、店頭に居た女将さんと顔が合い、「あら、御久し振りです~」と声を掛けられる。
暖簾を跳ね上げ、いざ、入店。
◎「生ビール(中)」六三〇円
…入って左側のもう一つの扉寄りのテーブル席に腰掛ける。
此の扉を少し開け、駅周辺の喧騒をぼんやりと眺めるのが好きだ。
さて、女将さんに先ずは麦酒を発注し、背徳の昼酒と行きますかね。
肌理細かい泡と、苦味の効いた良く冷えた麦酒は最高だ。
嗚呼、早くもサザエさん症候群を発症気味だが、一時の間、忘れよう…。
外では斜向かいの店の売り声が喧しいが、下町の空気感が心地好い。
店内も昭和で時間が止まった儘の様で、ずっと此の空気に漂って、浸って居たいとさえ思う。
御通しは、恐らくは鰊と思しき甘露煮と、ゲソ山葵。
◎「特製にぎり」一五〇〇円
…さて、寿司はと言うと、此処最近は「日替わり限定品」と記された「特製にぎり」。
以前はずっと「上すし」を頂いていたが、数年前から此の「特製にぎり」が新設されたので。
「上すし」は七貫と鉄火巻きが付くが、此の「特製にぎり」は七貫と玉子が付く。
そして、今日の寿司は中身が気に成るなと思っていると、女将さんが運んで来て呉れる。
寿司は矢張り、毎日頂いても飽きないし、そう言えば、昨晩は「鮨処 いっしん」だったけな…。
「どんだけ寿司を喰うんだよ!」と言う突っ込みは一切受け付けないものとする。
早速、寿司に取り掛かろう。
先ずは玉子から。
普段は滅多に頂かないが、醤油をたっぷり付けて頂けば、麦酒の摘みに持って来いだ。
続いては小鰭を頂こう。
昨今、不漁が続いて価格も高騰している様だが、江戸前寿司に於いては欠かせない。
酢で〆られ、酸味が心地好く、疲労した身体にスッと染み入る様だ。
烏賊は、恐らくは甲烏賊と分類される物だろうが、バキっと言う歯応え。
噛み切れないと言う事は無く、烏賊らしい食感を感じられる。
仄かな桃色をした貝は、北寄貝だろうか。
生ではなく、湯通しをされている様で、クニュッと言う歯触りで、磯の香りが鼻から抜ける。
お次も貝で、帆立貝を。
帆立貝も最近は余り頂かないが、此の甘味は凄く、貝の旨さが凝縮されている。
白身は鯛で、皮目が湯引きされていて乙だ。
西日本では鮪よりも鯛の方が位が上の様だが、関東の人間からすると鯛よりも鮪だ。
然し、決して鯛が嫌いな訳ではなく、淡白乍らも上品な旨味の強い味わいは好きだ。
最後に二貫残したのは中トロ。
口に入れると、口内の温度で脂が溶け出し、柔らかく、いとも簡単に噛めてしまう。
執拗過ぎず、鮪の旨さが存分に堪能出来る。
◎「あじにぎり」一〇五〇円
…何時もならば、「特製にぎり」とは別に、「サバの押しずし」を頂いている。
通常は持ち帰りのみだが、昔からの顔馴染みの好で、店内で頂かせて貰っている。
然し、三連休で河岸が休みと言う事も有り、鯖が切れてしまっている様で、
女将さんから早々に謝られてしまい、残念な心持ちに成る。
代わりに、鰺の握り寿司を発注してみる。
大振りな鰺の握りが七貫盛り付けられ、然も、芸が細かい。
四貫は上に卸生姜が乗り、三貫は山葵が乗っており、鰺を山葵で頂くのは珍しい。
先ずは、生姜の方から頂くが、鰺の身が大きいの何の。
口から食み出さんばかりで、口の中でプリプリと踊りそうな感じ。
脂の乗りも程好く、光物の旨さを見せ付けられる。
さて、件の山葵の方はと言うと、生姜とは全く趣きが変わり、此れは面白い。
丸で、鰺ではない魚を頂いているのかとさえ錯覚してしまう。
其れ程、薬味は大きい役割を果たしていると言う事だ。
すっかり腹も膨れ、と言うより、元から膨らんでいるが、腹熟しに街歩きへと出掛ける…。
「寅さん記念館」内の「とらや」のセット。
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※2011年5月1日時点の情報です。
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