続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「かしら屋 大宮南銀座店」【大宮】

◆「かしら屋 大宮南銀座店」【大宮】

 …金曜日。
  青葉台での仕事を十九時に終え、東京急行田園都市線に乗車して帰路に。
  折角の花金で、然も、マーヒーに成ってしまったので、晩は外で呑むと、僕の決意は固かった。
  此の時間からでは、二十一時半閉店の「鮨処 いっしん」ではゆっくりとする事が出来ないので、
  宮原の「居酒屋 やず」で電氣ブランを呷って、ヘベのレケに成ってしまおうと、
  湘南新宿ラインに乗り込み、一路、宮原駅へ。
  然し、こう言う時に限って、僕は悉く運が無い。
  北本駅で人身事故が発生との事で、乗った時は高崎行きだったのに、何時の間にか赤羽止まりに変更。
  流石、こう言う時の国鉄の変わり身の早さは凄い。
  巫山戯た話だ、全く。
  高崎迄、何としてでも走らせようと言う気概は丸で無い…。
  舌打ちをして赤羽駅で仕方無く、上野駅からの高崎線に乗り換えるも、
  大宮駅で停車した切り動く気配が無い。
  こんな事故に巻き込まれている時間が勿体無いので、急遽、予定変更。
  大宮駅でぶらり途中下車し、此方で焼きとんとピーホツで錆落とししよう。
  あっ、因みに、ピーホツは「ホッピー」で…。
  「いづみや」を尻目に、南銀座に入り、桃色な客引きに魅かれそうに成りつつ進み、
  途中、上田清司埼玉県知事と擦れ違い、目的地へ。
  花金だけあって店内は押すな押すなの大盛況で、複数名だと入れない程だが、
  こう言う時、独りぼっちだとすんなりとカウンター席の隙間にヨッコイ、ショーイチ。

 ◎「サッポロ生ビール中ジョッキ」五〇〇円
 …着席するなり、若い婦女子店員にルービー発注。
  皿と辛味噌が配られ、程無くしてルービー到着。
  「今週も腰の痛みに耐え、善く頑張った、御目出度う!」と、小泉総理宜しく、心の中で乾杯する。
  いやいや、労働後、そして、人身事故に巻き込まれた後の麦酒は染みるわぃ。
  五臓六腑に染み渡るとは良く言ったもので、肝臓が麦酒に宜しく言っている。
  腰の痛みに麻酔を打つべく、神経を腰に集中させて麦酒を呷る。

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 ◎「カシラ」一三〇円
 …麦酒を一口呷ると、直ぐ様、「カシラ」が割り当てられる。
  丸で配給の様に。
  此方では、串で×を作って拒否しない限り、皿が空いた時点で「カシラ」が否応無しに配られる。
  楽っちゃ楽だ。
  早速、壺に入った魔法の辛味噌を刷毛で塗りたくり、串に喰らい付く。
  先ずは、此方の店名の由来にも成っているカシラ肉を一口。
  市場で直接仕入れる新鮮さを売りにしており、噛むと適度な噛み応えが有るが、柔らかくて絶品。
  辛味噌も最高で、大蒜が効いていて、店員の目を盗んで、壺の儘、ポッケに仕舞いたい程…。
  続いては、我が故郷の深谷市は、新戒、中瀬地区で収穫された葱。
  此の地区は深谷市の産業である農業、特に深谷葱の一大産地で、
  古来より、利根川の氾濫で土壌が肥沃な為、上質な農産物が採れる。
  表面はバリッとして、中はトロっと甘味の強い葱の芯が飛び出して来る。
  そして、串の真ん中に挟まるは豚トロの部位。
  カリッと香ばしく、噛めば口内が肉汁で支配される程に濃厚な味わい。
  其の濃厚な味を落ち着かせるべく、再度、葱が次に登場する。
  其れで、最後にトリを飾るべく、主役のカシラ肉で〆る。
  一本の串で巧く起承転結が纏まっていると言うか、実に巧く出来た串だ。

 
 ◎「ホッピー」三六〇円
 …麦酒は一杯で止し、焼きとんと言えばホッピーだ。
  否、ピーホツだ。
  焼酎の入ったジョッキに、瓶のホッピーを注ぎ、棒っこで掻き混ぜグイッとな。
  気の抜けた麦酒みたいで、少々、間抜けな呑み物だが、此の安っぽさが好きだ。
  ホッピー一瓶で「ナカ」を二回御替わりし、三杯分取るの真の呑兵衛だ。

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 ◎「ポテトサラダ」四〇〇円
 …ホッピーと一緒に、カシラ以外の物も発注しよう。
  意外と思われそうだが、「ポテトサラダ」を。
  宗教上の理由で野菜は禁じられているが、ポテトサラダ、マカロニサラダは好きだ。
  主役が野菜ではなく、何れも炭水化物なので有り難い。
  スーパーマーケットの軽食コーナーのアイスの様に丸く盛られたじゃが芋が良い。
  其の下にはレタスが敷かれ、器の底にはドレッシングが沈殿している。
  醤油ベースのドレッシングは、黒胡椒が大量に入っており、刺激的な味わいだ。
  先ず、レタスを先に遣っ付け、邪魔者が消えれば、上のじゃが芋がドレッシングに直に触れる。
  じゃが芋を確りと、たっぷりとドレッシングに浸し、味を染み込ませ、
  箸でちまちま突き、ホッピーをちびちび遣る、此れぞ庶民の細やかな愉しみだ。
  じゃが芋の味付けは家庭的な物と言うより、業務的な味わいだが、まあ良い。

 「カシラ」は一〇本近く頂いたカシラ。
 麦酒は一杯、ホッピーは二本分、計六杯を呷り、すっかりヘベのレケで、良い心持ちで家路を辿る。