続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「支那そば 一越」【大袋】

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◆「支那そば 一越」【大袋】

 ◎「支那そば」六〇〇円

 …昨日。
  金曜日の晩は「居酒屋 やず」で一頻り酔い痴れて帰宅し、例によって長椅子で轟沈…。
  毎度の如く、午前二時過ぎに意識を回復し、其の儘、寝床へと移動して二度寝
  酒を呑んで失神してしまえば、牛蛙の五月蠅さも大して気付かないか。
  明け方は吹き込んで来る風も涼しく、清清しさを齎して呉れる。
  朝はゆっくりと、目覚ましに叩き起こされる事も無く、のんびりと布団の中でゴロゴロ。
  夢と現の間を繰り返す感じが心地好く、微睡み加減が気持ち良い。
  結局、寝床から這い出たのは一〇時過ぎだろうか。
  「ぶらり途中下車の旅」も終盤で、今回は鹿島線成田線の旅だった様だ。
  二十二日の土曜日に潮来と佐原に菖蒲を愛でに行く計画だけに、観ておけばよかった…。
  さて、風呂に入り、身を清め、だらしなく過ごし、身支度を整えよう。
  野暮用で越谷に行かねば成らず、十一時半過ぎに家を出る。
  昼御飯も済ませたく、東京環状日光街道を走るも、此れと言う店が無い。
  店は数多在るのだが、僕の食指が動く店が無いと言うか、僕が優柔不断なだけなのだが…。
  候補は浮かぶのだが、東岩槻の「大勝軒 東岩槻店」、「石川家」、八木崎の「ラーメン 中庸」、
  一ノ割の「大勝軒 一ノ割店」と過ぎてしまい、流れ流れて越谷市内へ。
  既に時刻は十三時を過ぎ、好い加減、腹も減りも限界なので妥協する。
  其の昔、埼玉県内のラーメン本に必ず掲載されていた此方を初訪問する。
  越谷と言えば、ラーメンの鬼・佐野 実氏の「支那そばや」で修業した「ラー麺専門店 こしがや」か、
  同じく支那蕎麦を売りにしている此方が双璧を為している時期が有った様に記憶している。
  「ラー麺専門店 こしがや」は遠い昔に一度だけ訪店済み、一方の此方は初めてだ。
  店に入ると、先客二名のみで随分と閑散としている。
  入口近くのカウンター席に着席し、メニューを眺める。
  支那蕎麦のみならず、豚骨ラーメン、坦々麺も出している様だ。
  然し、此処は矢張り、初めてなので無難に「支那そば」が良いだろう。
  発注を済ませ、冷水を注ぎ、麦酒を呑むかの如く、身体に染み渡らせる。
  そして、一〇分と掛からずに、腹っ減らしの中年の前に、大き目の丼が差し出される。
  おおっ!正統派の支那蕎麦だ。
  支那蕎麦は大好きだが、支那と言う悪しき国の発祥だと思うと癪で成らない…。
  石原慎太郎氏が「支那」と呼ぶと怒る癖に、だったら、「CHINA」と呼ばれても怒れよ!
  胸糞悪く成った所で、旨そうなプースーを啜って気を安らげよう。
  すっきりとしたあっさり味のプースーは、鶏ガラ主体の非常に優しい味わい。
  丁寧に、丹精込めて作られている事が窺い知れる様な、上品さが感じられる。
  「支那そばや」の様な支那蕎麦ではなく、どちらかと言うと、東京ラーメンとでも言おうか、
  昔乍らの、昔懐かしい、誰もが味わった事の有る様な味わい。
  良い意味で、万人受けする一本気な支那蕎麦、中華蕎麦と言って良いだろう。
  鶏ガラだけでなく、香味野菜、昆布等も使用している様で、心が落ち着くわぃ。
  麺は、縮れの効いた極細麺で、縮れの幅が細かいので、プースーの持ち上げが良い。
  スルスルっと入って来て、此の縮れが唇に当たると、其の食感が心地好い。
  此の手の麺は、最近頂いていないので、何だか新鮮に感じられる。
  叉焼はバラ肉を巻いた物で、薄っぺらいが、香ばしさと軟らかさが有る。
  麺麻は在り来たりの物だが、半熟味付け玉子は黄身がトロっと濃厚で旨い。
  終盤、卓上の胡椒を振り掛けてみる。
  黒胡椒と白胡椒が備えられており、白胡椒は如何も、街の中華屋のラーメンの様に成ってしまうので、
  黒胡椒を振り掛ければ、ピリッとした力強くも爽やかな辛味が加わり、一層、美味しく頂ける。
  総じて、陳腐な言い回しではあるが、飽きの来ない味と言うのが相応しかろう。