◆「居酒屋 やず」【宮原】
…金曜日。
高崎での仕事を十八時に終え、湘南新宿ラインに揺られて、ぐったり感満載で帰って来る。
丸で、よれよれで皺くちゃの背広が歩いているかの様だ。
一週間頑張ったので、偶には外で呑んで帰ろうかね。
何かに付けて、自分への御褒美と言って買い物をする人は金が溜まらないんだとか…。
まあ、良い。
我慢して精神を病んでしまっては、医療費の方が却って高く付くと、前向きに捉えよう。
普段は尋常ではない程の後ろ向きな性格の癖に…。
辿り着いたのは、宮原の僕の本拠地の此方。
三月二十三日以来、二ヶ月半振りの訪店だが、何時もの席は空いておらず、
滅多に座らない厨房前のカウンター席にヨッコイ、ショーイチ…。
高崎での仕事を十八時に終え、湘南新宿ラインに揺られて、ぐったり感満載で帰って来る。
丸で、よれよれで皺くちゃの背広が歩いているかの様だ。
一週間頑張ったので、偶には外で呑んで帰ろうかね。
何かに付けて、自分への御褒美と言って買い物をする人は金が溜まらないんだとか…。
まあ、良い。
我慢して精神を病んでしまっては、医療費の方が却って高く付くと、前向きに捉えよう。
普段は尋常ではない程の後ろ向きな性格の癖に…。
辿り着いたのは、宮原の僕の本拠地の此方。
三月二十三日以来、二ヶ月半振りの訪店だが、何時もの席は空いておらず、
滅多に座らない厨房前のカウンター席にヨッコイ、ショーイチ…。
◎「アサヒスーパードライ生ビール(中)」四五〇円
…重たい鞄を下ろし、背広の上っ張りを脱いだら、錆落としの始まりだ。
ルービーを発注し、黄金色に輝く美しい液体を、喉ティンコ目掛けて流し込む。
シュワシュワと炭酸が喉の奥を刺す様な感覚が心地好く、食道を通って、
胃袋にストンと収まれば、気持ちは一気に非番気分だ。
夏はルービーが堪らなく旨いな。
御通しは、焼き鯖の刺身、蕪と胡瓜を鯵の解し身で和えた物。
此方の御通しは何時も気が利いていて良い。
◎「舌切刺」四八〇円
…厨房前のカウンター席なので、厨房内の冷蔵庫に掛けられた、御薦めが記された白板が良く見える。
おっ、青柳、馬鹿貝が有るではないかないな。
貝フェチなので迷わず発注。
綺麗な橙色をした青柳が八切れ盛り付けられている。
貝の刺身は美しく、其の裏に卑猥さを併せ持っているのが良い…。
ぷっくりとした身は瑞瑞しく、海松貝や赤貝の様なシャキシャキ感が強くないが、
磯の香りを感じさせつつ、軟らかいは食感。
◎「平目のマリネ」五八〇円
…続いては、メニューの中に小洒落た物を発見してしまう。
此方のマスターは、今でこそ居酒屋だが、本職は此の手の小洒落た物だと言う。
そう言うだけあり、其処彼処に洋食、仏蘭西料理の様な趣向が感じられるメニューが散見される。
さて、平目のマンネリ、もとい、「平目のマリネ」、渡辺マリネ。
平目を伊太利亜的なドレッシングに漬けた様な感じで、酸味が心地好い。
平目の旨味が凝縮され、野菜に掛けられたドレッシングと相俟って爽やかさが支配している。
平目は言うなれば、「〆平目」と言った感じで、身が締まっている。
◎「電気ブラン」
…ルービーを三杯、水代わりに聞こし召した所で、酒を替えよう。
折角、「平目のマリネ」なんて洋風の肴が有るのだから。
と言う訳で、瓶保管をしている「電気ブラン」をロック・アンド・ロールで。
明治時代の浪漫の香りがする様で、旧き良き浅草の風情を味わえる様で好きだ。
明治十五年に「電気ブラン」が出来た当時は、流行していた虎列剌に効くと言われた程だとか。
確かに、薬品の様な四〇度も有る酒なら、虎列剌菌も死滅しそうだな…。
◎「カツサンド」五〇〇円
…続いても洋風な感じな物を行ってみよう。
「カツサンド」は此処最近、此方では御馴染みで、毎回頂いている。
と言っても、過去に二回だけだが…。
厨房が目の前だと、調理工程が具に見て取れるので良し悪しだ。
冷凍の豚肉を少し解凍し、小麦粉を塗し、溶き玉子に浸し、麺麭子を付けて揚げる。
ソースを塗り、焼いた食麺麭に挟み、其れを包丁で切る。
今回は御洒落な形状に切って呉れる。
カリッと香ばしく、豚肉も厚味は無いが、安っぽい感じが酒の当てには丁度良い。
此れが「まい泉」やら何やらの高級品だったら、却って風情が無い。
◎「チャーシュー麺」六〇〇円
…そろそろ酩酊して来たので、〆にしよう。
メニューを見て、〆は此れだとずっと決めていた。
過去、此方では〆に蕎麦、カレー、ゲッティーと頂いて来たが、まさかラーメンが頂けるとは。
桜 金造の真似で「意外ね、意外ね」と右手を捻ってみたくなる…。
さて、当然だが、ラーメン専門店ではないので完璧な物を求めるつもりは毛頭無いので悪しからず。
一口、先ずはプースーから啜れば、甘塩っぱく、甘味が勝っている。
恐らくは、叉焼の煮汁を醤油ダレとして使用し、豚肉の旨味をプースーにも反映させようと言う寸法か。
バーチーの竹岡式ラーメンの様な感覚だろうか。
麺は市販の生ラーメン用の麺で、縮れの効いた細麺。
此れは此れで、食感が良かったりする。
主役の叉焼はと言うと、ホロっと解れる軟らかさの有る物で、此れは秀逸だ。
下手なラーメン屋の物よりも数倍旨い。
すっかり酩酊し、良い心持ちに成り、宮原駅前を巡回するも、大人しく帰宅する小心者…。
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※2011年5月21日時点の情報です。
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