続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「紀州和歌山らーめん まっち棒」【溝の口】

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 ◎「月見そば」七三〇円+「ライス」無料

 …昨日。
  水曜日の午前中に齎された青天の霹靂が、ずっしりと圧し掛かっており、
  夜も碌に眠れず、熱帯夜と牛蛙も相俟って、ちっとも疲労回復出来ない。
  寧ろ、横に成るとあれや此れやと、色々と思いを巡らせてしまって、精神衛生上良くない。
  まあ、生きているのだから、様々な予期せぬ事態が起こるのは重々承知しているが、
  其れがいざ身に降り掛かり、直面すると、狼狽えてしまうものだ…。
  嗚呼、精神が脆弱過ぎるのも困りものだ。
  外では平静を装っているが、内心は複雑だ。
  そんな心境の中、残り少ない今の業務を全うすべく、此の日は宮前平へと向かう
  梅雨時のヂメっとした重苦しい空気が、余計に気分を陰鬱にさせる…。
  仕事は何とか十二時半に片付き、池袋へと移動する。
  前回に続き、溝の口駅行きの乗り合いバスを発見したので、一律料金二〇〇円ならば、
  少しでも東京に近付いておいた方が得策だろう。
  十三時過ぎに溝の口駅に到着し、電車に乗車する前に昼御飯を済ませてしまおう。
  前回は「鶏と魚だしのつけめん 哲」で頂いたので、今回は、前回も迷った此方へ。
  其の昔、和歌山ラーメン店が席巻した時期が有り、何とも良い時代だった。
  此方のチェーンでは「池尻本店」で頂いた事が有り、実に懐かしい。
  「新横浜ラーメン博物館」に入っていた「井出商店」、今でも好きな大井町の「のりや食堂」、
  西台の高島通り沿いに在る「中華そば専門店 戎」等、数多の店を訪れた。
  其の大好きな和歌山ラーメンの味を確りと舌に植え付けようと、いざ入店。
  券売機は無く、後払いの様だ。
  カウンター席に腰掛け、メニューを眺め、「月見そば」を発注する。
  昼時は「ライス」、「半ライス」が無料と言うので御願いする。
  冷水を汲み、火照った身体を冷却し、出来上がりを待つ。
  店内には力強い豚骨の風味が満ち溢れていて頼もしい。
  然し、其の馨しい香りを打ち消す様に、後から来て隣りに座った客が煙草を吸い始める。
  此の御時勢、禁煙にしても良いのではなかろうか。
  酒類や摘みも提供している様なので、其の絡みも有るのだろうか…。
  煙草の煙が止んだ後、程無くして「月見そば」が配膳される。
  煙の中で旨いラーメンを頂いても、美味しくも何ともないのでね。
  さて、蓮華で其の濃厚茶褐色のプースーを掬って啜る。
  ややとろみの有るプースーは、醤油ダレの塩気と仄かな酸味がキリっとした印象で、
  其の角を取る様に、膨よかな豚骨の円やかで滑らかな味わいがガツンと来る。
  豚骨、鶏ガラ、モミジ等を白濁する迄、丸一日煮込み、骨の随迄引き出してから混ぜ合わせ、
  新しいスープはすぐに使用せず、二日間寝かせたスープを継ぎ足して使用していると言う。
  醤油ダレと、此の芳醇で奥深い、コクの有るプースーとの組み合わせは和歌山ラーメンならではだ。
  麺は、博多の豚骨ラーメンと変わらない極細麺で、低加水のもそもそした感じが何とも良い。
  生玉子の白身を絡め乍ら啜れば、ドゥルドゥルして、甘味が増して旨い。
  和歌山ラーメン、牛丼、カレー、此れ等は生玉子が入ると入らないとでは旨さが大きく違う。
  叉焼はバラ肉を巻いた物で、薄っぺらいが先ず先ずだ。
  特製ダレで豚バラ肉をじっくり煮込み、肉の旨味を引き出し、三日間寝かせると言う。
  嗚呼、プースー、麺、具が三位一体の旨さだ。
  白米を蓮華で掬い、其処にプースーを掬って頂けば、プースーの味がより一層旨く感じられる。
  最後は生玉子の黄身をプースーと一緒に口に含み、黄身を割り、プースーとの混ぜ合わせて飲み干す。
  玉子はこうも人を幸せにして呉れ、一時ではあるが、不安を打ち消して呉れる…。