続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「博多長浜らーめん 田中商店」【東京テレポート】

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 ◎「らーめん」七九〇円+「替玉」一〇〇円+「替玉」一〇〇円

 …火曜日。
  前日の月曜日は、実践初日と言う事も有り、彼是と間誤付いてしまい、
  二十二時半終了の予定が、二十三時を廻ってしまい、終電車を逃す始末。
  東京テレポート駅から大井町駅迄行き、京浜東北線で大宮駅へと辿り着く。
  此の時点で、時刻は午前一時前…。
  仕事終わりでヘトヘトなのに、電車に乗る為に走り、真冬だと言うのに、
  大汗をかき、足が痙攣しそうな程に疲労し、一日で限界を迎える。
  こんな生活がずっと続くのかと思うと、心身共に耐えられない…。
  午前二時半に寝床に入り、気絶する様に眠るも、あっと言う間に朝だ。
  ゆっくりで良いとは言え、寝る時間が遅いんじゃ、疲労は抜けない。
  一〇時に何とか、鉛の様に重い身体を持ち上げ、身支度を整えて出掛ける。
  身体と心がミシミシと音を立てて軋んでいるかの様な状態だ。
  此の日も東京テレポート駅で降り、不気味な街を歩く。
  十三時半の出勤を前に、細やかな愉しみ、昼御飯を摂る事にする。
  此の日は「アクアシテー」が全館休業の様なので、他を当たる。
  目星は付けてあり、「ダイバーシテー」と言う駄洒落の商業施設が在ると言う。
  其の中に、其の昔に豪い憧れた、豚骨ラーメンの店の支店が入居しているらしい。
  本店は、三遊亭圓丈師の言葉を借りれば、「日本の平壌」こと、足立区に在る。
  墨田区の「よかろうもん」の豚骨ラーメンに嵌ってから、家畜臭い、獣臭い、
  鼻が捥げる様な強烈な豚骨スープのラーメン店を巡る様に成り、
  此方も名前こそは知っているも、夜だけの営業で、電車の駅からも遠く、
  況してや平壌なので、伺う機会を逸していた、長らくの宿題店の一つ。
  彼是、一〇年越しの夢を叶えるべく、逸る気持ちを抑えつつ、豚骨臭を探す。
  商業施設の二階の簡易的食事処密集地帯に在り、此処でも匂いを放っている。
  座席を確保し、早速、発注へと向かう。
  混雑も無く、すんなりと「らーめん」を発注、会計を済ませる。
  一、二分程で出来上がり、辛子高菜、紅生姜、擂り胡麻を投入して席に戻る。
  何とも芳しい、豚骨臭が鼻腔を行ったり来たりする。
  蓮華を持ち、白濁したプースーを啜れば、旨さが脳天を突き抜ける。
  混じり気の無い豚骨のみの出汁が、舌を見事に撃ち抜き、至福が訪れる。
  豚の頭から爪先迄を三日間煮込んだと言うプースーは、こってりと濃厚で、
  滑らか、円やかな口当たりが良く、優しく胃袋を包んで呉れる味わい。
  久留米ラーメンの手法である「呼び戻し製法」で作られている様だ。
  古い豚骨スープに、新しい豚骨スープを継ぎ足して使用する製法で、
  熱が加わり過ぎてコクが無くなったスープに、新たにスープを継ぎ足す事で、
  死んだ状態から呼び戻すと言う意味で、高度な管理技術を要するらしい。
  確かに、継ぎ足し継ぎ足しで、味を均一、一定に保つのは難しいだろうな。
  一から、分量通りに作るより、遥かに熟練の技を必要とするだろう。
  麺は、博多ラーメン御馴染みの低加水の極細麺。
  「トリオ製麺」と言う所の物らしく、噛むとぷっつりと切れる食感が良い。
  ラーメンを摘みに酒が呑めそうな感じの麺だ。
  叉焼はと言うと、博多ラーメンに於ける叉焼は余り期待出来ないのだが、
  此方の物は、特製の窯を使用して、肉の食感、旨味を損わない様に、
  香ばしくジューシーに焼き上げたと言い、厚味も有り、軟らかくて旨い。
  普通は護謨の様な薄っぺらい物が入るのだが…。
  木耳は細切りで、欲を言えば、「よかろうもん」の様に切らない方が断然良い。
  久し振りの美味しい豚骨ラーメンに、思わず替え玉を二回もしてみる。
  如何せん、晩御飯が午前一時なのでね。