続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「居酒屋 やず」【宮原】

◆「居酒屋 やず」【宮原】

 …先週木曜日。
  一月二十八日からの十四連勤の後、一日休み、一日出て、一日休みの此の日。
  せめて、二日続けての休日が欲しい…。
  休養に充てるのが精一杯で、然も、疲労も取れないし、他に何も出来ない。
  何処かに、少し遠出するなんて全く以って無理。
  此の日も、抜け殻の様に、虚脱感満載で夜を迎え、重苦しいサザエさん症候群…。
  十九時半を廻り、家に居るのも何なので、独りふらっと酒を求めて家を出る。
  考えた結果、自然と足が宮原方面へ向き、久し振りの此方へ。
  「電氣ブラン」も入れたばかりだったっけな…。

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 ◎「アサヒスーパードライ生ビール(中)」四五〇円
 …店内は其処其処賑わっており、御決まりの席も埋まっている。
  然りとて、他に行く当ても無く、中に入ると、指定席を空けて貰える。
  直ぐに麦酒を発注し、日常の疲れ、憂さ、錆、有らゆる物を落とす。
  昨年一〇月九日以来と御無沙汰だが、温かく迎えて呉れ、其れも安らぎだ。
  御通しは鍋の具を取り分けた様な感じの豆腐と白菜で、ポン酢味。

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 ◎「赤貝ひも刺」三八〇円
 …さて、落ち着いた所で、何を頂こうかと熟考に入るのが好きだ。
  厨房内の冷蔵庫に据えられた、御薦めが書かれた白板を遠くから覗き込む。
  おっ、赤貝の紐が有るではないか。
  此れは即決、直ぐ様、発注をする。
  運良く、最後の一皿だった様で、未だ神は僕を見捨ててはいなかった…。
  コリコリとした歯触りと、貝特有の甘味、磯の香りが心地好い。
  赤貝は高級品だが、紐だと安価で、其れで居て旨いのが通好みだな。

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 ◎「サワラの黒酢ソース」六五〇円
 …同じく、御薦めの中に気に成るメニューを発見。
  凡そ、居酒屋では見掛けない様な御洒落感漂う感じだ。
  以前から申し上げているが、此方を只の居酒屋と侮ってはいけない。
  元々、洋食が本職のマスターが繰り出すメニューには一目置いている。
  立派な身の鰆は食べ応え十分。
  身はしっとりとして軟らかく、脂の乗りも良い。
  黒酢のさっぱりとした酸味が、疲労した身体に染み入る様だ。

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 ◎「ホウレン草グラタン」五〇〇円
 …壁に貼り出された定番メニューの中に、「グラタン」の文字を発見。
  ザーピーとか、タングラとか、如何にもこうにも、未だに好きだ。
  ズーチーが入っていれば大概好き。
  どんな物かと想像したが、まさか、土鍋で出て来るとは。
  ホワイトソースに菠薐草、ベーコンが入り、上には粉チーズが塗されている。
  焦げ目が香ばしく、菠薐草も良いな。

 ◎「電氣ブラン」
 …麦酒を二杯呑んだ後は、御決まりの「電氣ブラン」。
  此方で瓶保管をして四本目なので、五本目は一本無料に成るので嬉しい。
  呑み方は勿論、ロック・アンド・ロール、俗に言う、ロックね…。
  四〇度の酒を、食道を焼く様に呑むのが良い。
  甘ったるい薫りが、大正浪漫へと誘って呉れるかの様だ。

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 ◎「オムレツ木のこソース」五〇〇円
 …さて、酒も替わったので、摘みも追加しよう。
  此の日は洋食で押そうと決めた訳ではないが、偶さか、洋風に目が行く。
  「電氣ブラン」にオムレツ、うん、ハイカラじゃないか。
  バターたっぷりの風味豊かなオムレツは、半熟でトロトロ。
  此れにデミグラスソースが掛かり、此れは腕白中年は大好きだね。
  参ったね、此りゃ。

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 ◎「セロリ・チーズ」+「ローストポーク」五八〇円
 …マスターから薦められ、「セロリ・チーズ」と言うメニューに、
  ローストポークを付けて呉れると言うので、御任せする。
  セロリは、育って来た環境が違うから、好き嫌いは否めないのだが、
  隙間にチーズが埋め込まれ、脇にはカマンベールチーズも付くのが良い。
  此れならば美味しく頂けるが、阿利襪を漬けたのだけは得意ではないな…。
  ローストポークはむっちりとした弾力で、叉焼とも異なる旨さ。

 程好く酩酊し、英気を養い、翌日からの激務に備える。
  
居酒屋やず [ 居酒屋 ] - Yahoo!グルメ



住所: 埼玉県さいたま市北区宮原町3丁目275
営業時間、定休日:日曜日
最寄り駅: 宮原
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※2011年5月21日時点の情報です。
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