◆「らーめん つけめん 鶏の穴」【池袋】
◎「生姜風味でぽっかぽか~ クロマニョン人ジャー」八〇〇円
…昨日。
毎日苦しく、脳味噌が石膏で固められた様に重苦しい。
何だろう。
元々、考えてから動き出す人間なので、考え始めると、考え過ぎて、
彼是と良からぬ結果を想像すると、却って動けなくなると言う自縛状態…。
変わらなきゃいけないのは分かっているのだが、三十九年も無駄に過ごし、
凝り固まった頭の中や、腰の重たさを変えるには、中々、容易じゃない。
毎日怒られ乍ら、折れる心を辛うじて繋ぎ止め、綱渡りの暮らしだ。
何時、奈落の底の向こうに落ちるか、落とされるか、耐え切れずに落ちるか…。
そんな、苦しい毎日でも、昼御飯の時だけは心を休めたい。
普段は上役と外に出るのだが、此の日は偶さか独りで。
偶には、独りぼっちに成るのも、気分転換に成って良い。
と成れば、暦も改まり、毎月恒例の月替わり限定メニューが気に成る所。
先月の「カレーとチーズのらーめん(カリーぱみゅぱみゅ2015ver.)」は、
口に出すのも恥ずかしく、憚られる命名だったが、今月は如何だろうか。
勇んで店に急行すれば、店内に待ちが五、六名。
一瞬悩んだが、又と無い機会、暫し待とう。
先に、券売機で食券を購入する前に、貼り紙の確認。
何、何?今月は「クロマニョン人ジャー」とな。
はい、駄洒落で~す!
生姜ラーメンだからとは言え、「クロマニョン人」である必要は有るのか?
食券を先に渡し、五分程でカウンター席に着席する。
冷水を呷り、午前中の精神的損傷を少しでも癒す。
意外と限定メニューを発注する客は居らず、「白鶏らーめん」が専ら。
そんな通常メニューの配膳に先を越され、限定ラーメンが遣って来る。
おっ!鶏白湯で名高い此方だが、清湯で来たか。
どれどれ、とばかりに、先ずは蓮華でプースーから啜る。
当たり前だが、行き成り、結構ガツンと生姜の味わいが感じられる。
生姜ラーメンと言えば、新潟県は長岡が有名だが、生憎の未食だ。
生姜のヒリリとした爽やかな辛味の向こうに、昔懐かしい醤油ラーメンの、
郷愁を誘う様な味わいも感じ取れ、思いの外、生姜の嫌味は無い。
上の乗った針生姜も粋だ。
さて、麺を頂こう。
基本の「白鶏ラーメン」等で使用する中太の真っ直ぐな麺ではなく、
平打ちの縮れ麺で、此れ又、違いが愉しめて良い。
ツルツルした口当たりで、スルスル入って来る。
具に目を転じれば、此方に於いては欠かせない鶏肉がドンと乗っている。
確りとした塩気が付いているなと思ったら、鶏肉の生姜焼きだと言う。
プリプリしつつ、弾力も有り、むっちりとしている。
そして、地味だが褒めたいのが焼き葱だ。
ぶつ切りの物が四つ入り、中身がトロっとして甘味が強くて美味。
深谷生まれの人間としては嬉しいわね。
相変わらず、年末の健康診断でも血圧の下が一〇〇超えの癖に、
旨さに釣られてプースーを飲み干すポンコツ会社員…。