…朝は七時前に起床し、八時前に家を出、九時前に出社する。
残業時間抑制の為、十九時前には退勤し、二〇時に帰宅。
風呂に入り、晩酌がてら晩御飯を摂れば、起きている気力が丸で無く成る。
毎晩、二十二時前後には寝床に潜り込み、一分足らずに眠りに落ちる。
然し、夜中に仕事の悪夢に魘され、何度も目が覚め、熟睡が出来ない。
そんな毎日で、寝起きはストレスから来る吐き気が酷く、息も絶え絶え。
だが、休日の日とも成れば、そんな事は丸で無く、爽やかな朝だ。
今朝は八時前に起き、清々しい休日の午前中を過ごす。
午後からの散髪を前に、取り敢えず、十一時半に家を出、原宿へ向かう。
何時もなら、池袋で途中下車し、「廻し鮨 大漁」で昼酒と寿司と決め込むが、
毎日仕事で人件費削減だの、経費削減だの遣っていると、自分の家計さえも、
出費の削減をしないといけないと言う心持ちに成り、グッと堪えて我慢…。
原宿で「九州じゃんがららあめん」を啜りつつ一杯飲ろうと思って向かうも、
何時もの「原宿1階店」も、「表参道じゃんがら2F」も行列。
其の殆どが中華人民共和国人の集団で、辟易として直ぐ様出る。
泣く泣く諦め、旭川ラーメンの名店の此方へ。
◎「生ビール」五二〇円
…待ちは無く、店内奥のカウンター席に通され、透かさず発注。
昼間に回転寿司は回避しても、麦酒だけは譲れない。
例え、成人病検診でγーGTPが一九一を叩き出したとしても、
肝機能異常と診断され、一ヶ月以内に再検査を受けろと促され、
腹部超音波検査も受けろと言われても、止められない止まらない。
止めたら間違い無く精神が破綻して、電車に飛び込んだりしちゃうから…。
と言う訳で、昼間っから、美味しい黄金色の液体をグイッと呷るね。
◎「特選とろ肉らーめん(しお)」一二九〇円
…麦酒と一緒に発注したのは、勿論、此方で最高値の「特選とろ肉らーめん」。
「山頭火」と言えば、此れが有名だものね。
「しお」、「みそ」、「しょうゆ」の三種類が有るが、「しお」で。
北海道に於いて、旭川と言えば醤油ラーメンと位置付けられるが、
此方は塩ラーメンで一世風靡した店なので、看板の味を。
別皿で豪勢な具が出て来て、心が豊かに成るわぃ。
素ラーメンの状態の丼に、とろ肉、麺麻、木耳、鳴門、葱、小梅を移し替える。
早速、先ずは蓮華でプースーから啜る。
特徴的なのは、塩ラーメンと言えども、澄んでおらず、白濁している。
豚骨、野菜、干魚を夫々に合った温度で煮出した後、混ぜ合わせ、
完成させていると言い、最後の一滴迄飲み干せる事を意識している為、
必要以上に塩分を加えていないと言うのが売りで、自然な甘味が強め。
とは言え、すっきりとした中にも、大蒜が入っているのだろうか、
香ばしさとコクが存分に感じられ、じんわりと旨味が五臓六腑に染み渡る。
又、長時間掛けて出来上がったスープは、旨味と香りを損わない様に、
再沸騰させないと言い、熱々ではないが、程好い熱さが猫舌には助かる。
麺はと言うと、もそもそした感じの低加水の中細麺。
縮れが効いており、プースーとの絡み、持ち上げは良い。
さてさて、とろ肉に取り掛かろう。
豚一頭から僅か二、三〇〇グラムしか取れないと言う貴重な頬肉で、
鮪のトロを思わせる軟らかさと深い味わいが魅力。
味付けが確りと施されており、個人的に、濃い味の叉焼は頗る好き。
麦酒の摘みとして頂けば、単品で別皿のとろ肉を発注したい程。
適度な噛み応えと、トロンと蕩ける脂身が相見える珠玉の逸品。
同系統の「風来居」の流れを汲む、桶川の「ふくのや」では一昨年頂き、
其の旨さは勝手知ったるが、久々に本流の味わいを堪能出来、満足な中年…。