◆「濃厚とんこつらーめん オハナ堂」【本厚木】
◎「濃厚魚介とんこつつけ麺(中)」七〇〇円
…木曜日。
毎日、脳味噌がぐつぐつと沸騰しそうと言うか、脳味噌に手を突っ込まれ、
ぐちゃぐちゃと掻き混ぜられている様な感じで、発狂しそう…。
今迄、のうのうと生きて来た附けが廻って来て、苦労している。
若い時にもっと勉強しておけば良かったなと…。
此の日は午後から前の職場、本厚木へと出掛ける用事が有り、
十二時過ぎにそそくさと外出する。
机に向かい、パーソナルコンピューターと睨めっこしていると、
偶には気分転換が重要で、外の空気を吸うのが途轍も無く新鮮だ。
昼御飯を途中で摂ろうかと思ったが、本厚木迄行ってしまえ。
十三時半に到着し、先ずは腹拵え。
懐にも寒風が吹き込んでいるので、グッと堪えてラーメンで。
其れでも、十分に贅沢なのだが…。
目当ては、本厚木勤務時に結局頂けなかった、宿題店の此方。
「濃厚とんこつらーめん」を謳っており、濃厚民族には堪らない!
店に入ろうとすると、前を歩く人が立て続けに二人入って行く。
店内は空席だらけだが、券売機前にも一人居り、一挙四人入店。
券売機で食券を購入する段に成り、少し悩んでみる。
初めてなので無難に「濃厚とんこつらーめん」にしようか、
「ラーメン 二郎」を髣髴とさせる「濃厚野菜らーめん」にしようか…。
う~ん、何と無く、つけ麺気分なので「濃厚魚介とんこつつけ麺」で。
カウンター席に着席し、食券を手渡すと、麺の量を訊かれ、「中」で御願いし、
更に、昼時は半ライスが無料と言うので、欲張って其れも御言葉に甘える。
だから、肥えるんだよ…。
そして、件の「濃厚魚介とんこつつけ麺」が配膳される。
つけ汁には背脂が浮き、ギトギトしていそうな濃厚な物。
麺は縮れの効いた太麺で、自家製麺と言い、此れを手繰り、つけ汁に浸す。
味わいは、甘味は感じられず、塩気の方が強め。
此方のプースーは、新鮮な豚骨と鶏ガラをどっさり使い、超強力な火力、
三〇〇〇カロリーで一〇時間煮込み続けて旨味を搾って行くと言う。
単に骨を煮込むのではなく、煮込んでは骨を足し、又煮込んでは足すと言う、
「追い出し方式」を採用しており、此れは熟練度を要するが、
濃厚、且つ、円やか、臭味の無い上質な炊き出しスープが売りと言う能書き。
確かに、動物系の骨の髄迄染み出した様な濃厚さが感じられる。
そして、魚介の味わいはと言うと、鰹、煮干し、昆布、室鯵、鯵干し、鯖節、
此れ等を使用している様で、ガツンと来ると言う程ではないが、
強烈な動物系に負けないだけの主張は伝わって来る。
店内も粉の袋が堆く積まれている。
通常のラーメンで使用される物より太く、緩やかな縮れが特徴。
シコシコした腰と、もっちりとした弾力が心地好く、つけ汁との絡みも良い。
此方では、ラーメンの茹で加減も調整して呉れると言う。
極細麺の博多ラーメンではないのに。
「バリやわ」、「やわ」、「ふつう」、「かた」、「バリかた」、
「ハリガネ」、「コナオトシ」、此処迄は僕も体験済み。
然し、更に其の上に「ユゲドオシ」と言うのが有り、貼り紙にも、
「キケン、責任持ちません」と記されており、俄然、興味を惹く…。
さて、具は刻み叉焼、麺麻、刻み玉葱、九条葱、海苔。
此れ等の具を御数に、白米を頬張る。
濃厚なつけ汁を吸った海苔を巻いて頂けば、うん、旨い。
最後は勿論、塩気を物ともせず、つけ汁をグイッと飲み干す自暴自棄中年…。