◆「横浜家系ラーメン 壱七家」【本厚木】
◎「ラーメン」六八〇円
…水曜日。
今週もやっとこさっとこ、えっちらおっちらと週末の休日。
一週間を振り返る記憶力も無く、気力も無い…。
一週間、何をしたか覚えていない程だ。
別段、狂った様に、死に物狂いで生きていた訳ではないのだが。
いや~、生きるって辛いわね…。
さて、朧げ乍ら、記憶の糸を辿ってみよう。
話は遡って、水曜日だった様だ。
此の日は仕事で前任地のBOOK厚木へと向かう。
毎日、パーソナルなコンピューターと睨めっこばかりしているので、
こうして外に出ると、気分転換に成るものだ。
十二時半に本厚木駅に到着し、仕事に取り掛かる前に、先ずは腹拵え。
略間違い無くラーメンなのだが、此れと言うのが浮かばない。
厚木市で一番評価の高い「麺や食堂」も、駅から一〇分程なのだが、
億劫、面倒臭がりの性格が災いし、出掛ける気持ちが起こらず、
結局、無難にと言っては何だが、此方で家系ラーメンを頂こう。
店内に入れば、空席も有り、安心して券売機で食券を購入する。
矢張り、無難に「ラーメン」の釦を押してしまう。
まあ、此れで十分に良いのだが…。
促される儘、カウンター席に腰掛け、食券を提示し、「普通で」と告げる。
昼時は白米が食べ放題と言われ、冷水を呷った後、米を装いに立つ。
そして、一〇分と掛からずにラーメンが配膳される。
小さ目の水色の丼は、家系ラーメンらしさが感じさせる。
さて、先ずは蓮華でプースーから啜ろう。
一口目で、旨さが舌を経由して、全身へと齎される。
何たる円やかさと深いコクだろうか。
醤油が立った家系ラーメンも悪くないが、乳化した方が断然好きだ。
「濃まろ豚骨スープ」と謳うだけある。
「壱六家」系統の味わいで、同系統の「松壱家」でも感じられた乳化度合。
嗚呼、五臓六腑に染み渡るわい。
麺は「長多屋製麺」の物で、特注の中太麺と言う触れ込み。
ツルっとした口当たりで、モッチリとした弾力が心地好い。
一頻りラーメンを味わい、具の海苔をプースーに完全に浸す。
そして、其れを白米の上に乗せ、此れを巻いて頬張る。
パンチの効いたプースーを存分に吸った海苔は、御飯と合わない訳が無い。
海苔を増せば良かったと、激しく後悔してみる…。
叉焼は特筆すべき点は無いが、菠薐草は野菜嫌いの僕でも好きだ。
鶉の味付け玉子は御田の様な感じだが、鶉の玉子では半熟は無理なのだろうか。
素朴な疑問はさて置き、スープを全て飲み干し、次回使える券を貰う。
食後は喉が異様に渇くが、家系ラーメンは素敵だな。