続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「滝野川大勝軒」【池袋】

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◆「滝野川大勝軒」【池袋】

 ◎「チャーシューメン」一一〇〇円

 …水曜日。
  つい此の間、マッカーサーが来たと思ったら、もう四月だ。
  一日が終わるのは本当に長いが、月日が経つのはあっと言う間だ。
  此の体感の差は何なんだろう…。
  毎日、卒倒しそうに参っており、其れに花粉症が相俟って、
  心は涙でずぶ濡れ、顔は鼻水と嚔でグヅグヅで、心身の損傷が大きい。
  さて、鼻の穴の中が瘡蓋だらけのおっさんは兎も角、話は遡って水曜日。
  世間様は新年度の様だが、こちとら何ら関係無い。
  此の日も午前中は脳味噌が爆発しそうに仕事を熟し、愈愈、昼休憩。
  偶さか、独りで食事を摂る事に成り、池袋の街をぶらりと徘徊く。
  月が改まったと言う事は、月替わりの限定メニューが御目見えしているかと、
  「らーめん つけめん 鶏の穴」にいそいそと出向いてみる。
  すると、貼り紙がしてあり、臨時休業で閉店ガラガラ。
  暫し、脳内で整理が付かず、四月一日特有の嘘か何かかと勘繰ってみる。
  然し、人の気配も無いので、諦めて次を当たろう。
  前週に訪れ、非常に高評価だった此方を、早速再訪してみよう。
  滝野川から移転して三週間目だが、待ちが発生し、人気の高さが窺える。
  店内で食券を購入するが、前回は「ラーメン」を頂き、美味しかったので、
  今回は好印象だった叉焼に懸け、一一〇〇円の「チャーシューメン」に。
  席も空き、直ぐに案内され、食券を手渡し、出来上がりを待つ。
  周囲を見渡すに、食べている人は誰も居らず、一回転したばかりと見え、
  此れは少し時間が掛かるかなと、腹を据える。
  冷水を呷り、其れから待つ事、実に二〇分弱。
  腹が出ている癖に、腹っ減らしの困ったポンコツの前にラーメン到着。
  前回同様、丼にびっしりと詰まったラーメンは期待が持てる。
  先ずは、蓮華でプースーから啜れば、おおっ、魚介豚骨のパンチの効いた、
  重厚感の有る味わいに圧倒され、思わず、立て続けに啜ってしまう。
  魚介の風味が真っ先に感じられるのだが、動物系のどっしりとした、
  安定した味わいが下地として有るので、安心感の有る、間違い無い味だ。
  とは言え、二回目なので、前回程の衝撃は無いが。
  麺を手繰り、熱熱の状態を啜れば、太目の真っ直ぐの物で、
  噛むとバツっと千切れる歯触り、食感が心地好く、此れは癖に成る。
  粉の風味、感触が感じられる加水率とでも言おうか、ツルツルでもなく、
  ザラザラでもなく、丁度良い加減の口当たりが絶妙だ。
  松崎しげる色をした麺麻は量が多く、細目の物で、甘目の味付けだが、
  此れだけ入っていると心丈夫で、トッピングで増さなくても十分だ。
  さて、前回、非常に旨くて感銘を受けた叉焼に取り掛かってみよう。
  前回のは、其の食感、弾力から、腿肉に当たったと思われるが、
  今回のは如何やら、肩ロース肉と推察される。
  軟らかさが有り、悪くはないのだが、矢張り、前回のが当たりだったのだろう。
  此れならば、増しにしなくても良かったかなと言う印象。
  勿論、十分、普通に美味しく頂けるのだが、一一〇〇円にしては一寸…。
  スープは大半を飲み干し、寿命を鉋で削る様な暮らしをしてみる。
  どうせ、長生きしたって仕方無いのだから…。
  其れは兎も角、奇しくも、此の日の晩に、「東池袋大勝軒」の創業者、
  山岸一雄氏の訃報が齎され、当日に此方を御邪魔したのも、
  何か、虫の報せだったのだろうかと、感慨深く成ってしまった…。