◆「宮原酒場 もつ焼きエビス参」【宮原】
…土曜日。
此の日は人手不足の為に台場に仕事に行き、六連勤目。
何とか、事無きを得て仕事を終え、十八時半に帰宅の途に。
目指すは宮原駅。
数日前の豚の生レバーの規制がされると言う報道を受け、食べ納めに行く。
こう言う、庶民の食文化を、何でもかんでも法で縛り付けるのは如何なものか。
腹立たしさを抑え、知人等と合流。
◎「生ビール(ジョッキ)」四九〇円
…店内は常連らしき団体客に支配され、其の騒ぎ方が喧しいの何の。
耳の鼓膜が振動する位に馬鹿笑いをし、餓鬼は店内を我が物顔で走り回る。
眉間に深い皺を刻みつつも、一日の労働を終え、先ずは乾杯。
グイッと呷れば、五月蠅さはさて置き、麦酒は五臓六腑に染み渡る。
此の騒ぎじゃ、長居は出来なそうだと腹を括る…。
◎「タン刺し」四五〇円*二人前
…さて、纏めてクーニーを発注しよう。
最初に運ばれて来たのは、豚のベロ。
二人前発注したら、何故だか、一人前の皿が二つ出て来る…。
一つは赤身が多目の物、もう一つは脂身が多目の物なので良いか。
胡麻油に醤油を垂らしたテレレを付け、豚とデープキッスをしてみよう。
赤身の多い物は、何とも言えない弾力が有り、歯を押し返さんばかりだ。
噛み応えが堪らず、ずっと噛んでいたい程。
脂身の付着した物は、軟らかさが印象的で、霜降り肉の様な感じ。
思わず、「旨い!」と叫んでしまったよ。
◎「ホッピーセット(白)」四九〇円
…麦酒は一杯で止し、周囲の喧しさに怒りを覚え始め、とっとと酔わにゃ駄目だ。
ピーホツをかっ喰らって、とっとと御暇しないとな。
と言う訳で、ホッピーは御決まりの白。
黒は如何も邪道な感じがしていけない。
ルーギャーはロイクーの方が好きだが…。
◎「レバ刺し」四〇〇円*二人前+「ハツ刺し」五〇〇円*二人前+
「ハラミ刺し」五〇〇円*二人前
…タンの旨さ、ホッピーの酒気に酔い痴れていると、大きな皿が遣って来る。
何とも豪快で、卑猥で嫌らしい、此れでもかと生肉が乗っている。
此れはおぢさん、元気に成っちゃうぞ。
先ずは、去り行くレバーから行ってみよう。
胡麻油に塩を加えたテレレを塗して頬張る。
プルン、トゥルンとして、ひんやりとした食感が口内に伝わる。
噛むとプリップリだが、何と無く歯切れが悪い感じがする。
後味も、過去に頂いた物と比べると悪く、少々、嫌味が残る様な感じ。
赤々としていると言うより、茶色を帯び、やや御疲れ気味の印象は否めない。
ハツはさっくりとした歯触りで、味わいはあっさりとしている。
箸休め的な趣きも有り、さっぱりと頂ける。
「ハラミ刺し」はと言うと、馬刺しを思わせる食感で、むっちりとして、
大蒜醤油で頂けば、噛む毎に肉の旨味が染み出して来て秀逸だ。
と、そうこうしていると、気持ちの悪い横揺れが始まり、地震だと知る。
点いていたテレヴィヂョンでは、小笠原で震度五強と大騒ぎ。
喧しかった連中も、地震の時は静かに成るも、直ぐに五月蠅く騒ぎ始めたので、
ホッピーを三杯頂き、河岸を替えようと外へ出る…。