◆「Ken’s kitchen」【日進】
…土曜日。
休日出勤を終えた後、レバ刺しの食べ納めをするべく、宮原で知人等と合流。
一頻り、レバ刺し、タン刺し、ハツ刺し、ハラミ刺しを堪能するも、
周囲の常連客の団体の、音量調節機能が壊れた騒ぎ方に辟易とし、
河岸を替えようと日進方面へと歩き出し、毎度の此方を覗いてみると、
大常連の御近所さんも居ない様なので、二次会は此方に御厄介に成ろう…。
◎「生ビール」四一〇円
…二〇分程歩き、喉も渇いたので、先ずは麦酒に戻そう。
打って変わって静かな店内は、矢張り、酒を飲るに相応しい環境だ。
改めて乾杯をし、じっくりと、土曜日の晩を謳歌しよう。
店内は珍しく、有線放送のズージャーが流れている。
◎「トリッパの煮込み」八六四円
…何でも、翌日曜日に、此方の大常連の御近所さんが来店される様で、
其の際の要求が、トリッパの煮込みを作って呉れと言う事らしく、
其の試作品が有るからと、マスターが薦めて呉れる。
すまんな、先に頂いてしまうよ。
と、心の中で軽く詫び、パルミジャーノチーズをふんだんに掛けて呉れる。
「止め」と言う迄、たっぷりと。
赤茄子のテレレには、様々な野菜が入っているが、野菜嫌いの僕でも、
苦も無く頂け、ハチノスの旨味も勿論だが、色々な旨味に満ちている。
ハチノスはコリコリとトロトロの中間の食感で、弾力が有って旨い。
無論、チーズのコクは言う迄も無く素晴らしい。
◎「アルマ・デ・チリ」二一六〇円
…麦酒、ホッピー、麦酒と来たら、葡萄酒も行ってしまいたくなる。
不意にマスターから、白葡萄酒を薦められ、味も分からないので乗ってみる。
智利産の白葡萄酒の様で、余り馴染みは薄い。
智利の首都の散地牙峩から南に約二五〇キロメートルに位置する、
智利最大の葡萄酒産地、マウレ・バレーの中にあるヴィラ・アレグレは、
火山灰と砂質からなる土壌とで水捌けが良く、 広大で平坦な葡萄畑は、
たっぷりと日光を浴びる条件となっており、地中海沿岸と良く似た気候で、
冬場の豊富な雨と夏場の乾燥、昼と夜との温度差が葡萄に素晴らしい香りと、
色合いを与えると言い、シャルドネは華やかな青林檎の淡い酸味と、
桜桃やパイナップルの香りがして、口当たりの良い葡萄酒と言う能書き。
うん、ファンタの白葡萄味の様で、葡萄酒の門外漢だが旨い。
◎「カルパチョ(イサキ)」一〇八〇円
…此の日はずっと生肉、内臓肉を食べ続けているので、魚を欲する。
何か、魚のカルパッチョが出来ないかと訊いてみる。
すると、伊佐木が有ると言い、通常より安価で提供出来ると言うので頂こう。
伊佐木は下手な鯛よりも旨いので、個人的には好きな魚で、
寿司屋に有れば、此の時期は必ず発注する。
皿一面に伊佐木が敷き詰められ、塩を塗し、其の上に葉っぱ類や赤茄子、
生の西洋松茸を盛り付け、橄欖油、白葡萄酒酢を振り掛ける。
此れをざっくりと混ぜ合わせて頂けば、旨くない訳が無い。
二七〇〇円
…すっかり酩酊し、気分も良いので、更にもう一本行ってしまおう。
前回も頂いた、此の赤葡萄酒を。
縁に柘榴石の輝き、赤紫がかった色、煮詰めたジャムや伊太利亜酢、
少し野性的な多肉質小果類の香りが有り、色合いや香りとは対照的に、
柔らかい仄かな甘さのある果実味で、タンニンも十分有るが、
果実味が上手く補い、丸味を帯びた味わい、綺麗な後味が有ると言うが、
もう、すっかりヘベのレケなので、訳は分からない…。
◎「ボロネーゼ」一〇八〇円
…記憶も斑だが、締め括りはゲッティーが良い。
思案した結果、ボロネーゼに纏まった様だ。
太い平打ち麺と、通常の麺の二種類が混在している。
当然、食感も異なり、ミートソースの旨味、チーズのコク、全てが相俟って、
酔っ払っていたって、美味しいに決まっている。
其の後、我がi-Podで「22才の別れ」や、八〇年代女性アイドルを流し、
丑三つ時迄盛り上がるも、帰宅後は廃人の様にポンコツと化す駄目中年…。