続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「らーめん屋 いとう」【御花畑】

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◆「らーめん屋 いとう」【御花畑

 ◎「チャーシューメン」八〇〇円

 …昨日。
  七月二十六日からの九連勤を終え、此の日、一〇日振りの休日。
  只でさえ心身の疲労が酷い上に、日焼けした怠さも残っている。
  肩凝りも酷く、鉛の様に凝り固まり、ガッチガチのバッキバキ。
  こんな日は、大人しく家で静養していようとも考えたが、
  若しかしたら、此の夏、働き通しで何も出来ずに終わってしまう虞が有る。
  良し、せめてもの抵抗に、秩父へと出掛けてみよう。
  身体も暑さもきついが、息抜き、ストレス発散をしないと潰れてしまう…。
  九時半に家を出、何時もの様に、高速道路は使用せず、東京環状で川越に入り、
  県道十五号線で日高を抜け、国道二九九号で飯能の山道を走り、
  正丸トンネルを潜り、横瀬秩父へと辿り着く。
  時刻も正午なので、先ずは腹拵えをしないといけないな。
  秩父と言えば蕎麦だが、こうも暑いとスルッと手繰って頂くのも良いが、
  量、値段の割りには物足りなさが有るので回避してみよう。
  と来れば、自然とラーメンに成るのだが、秩父でラーメンと言えば、
  「麺屋たつみ 喜心」が専らだが、火曜日は生憎の定休日。
  他を当たるべく、鶏白湯の「MENYA 朧 OBORO」に行けば定休日、
  葱を使用した独特の「珍達そば」は、何てこったい臨時休業…。
  第三希望乍ら、個人的には青春の味である此方に御邪魔しよう。
  今から一〇年以上前、「巣鴨ラーメン」として都内で名を馳せた店だ。
  僕がラーメンの食べ歩きをする切っ掛けと成った店で、週に一度は、
  御馳走とばかりに必ず頂いていた程で、店主の地元の秩父に戻ってからも、
  何度か訪れており、懐かしさに涙してしまいそうになる味なのだ。
  店に着き、中に入れば、阿藤快に似た店主も随分と年輪を重ねられた様子。
  二〇一三年十一月二十七日以来、約一年八ヶ月振りの訪問だが、
  其の分、僕も随分と肥え、歳を取ったのだろうな…。
  厨房内には、前回は居なかった、妙齢の艶っぽい女性従業員の姿も有り、
  店主と二人、チャゲ石川優子と同じ編成。
  先ずは券売機で、当時は金が無くて食べられなかった「チャーシューメン」、
  高級メニューの食券を購入し、カウンター席に腰掛け、冷茶を受け取り、
  食券を提示し、厨房内を観察し乍ら、出来上がりをヂッと待つ。
  着席から一〇分と経たずに、「チャーシューメン」が出来上がる。
  当時よりは、やや茶色が強い印象のプースーで、其処には大量の背脂が、
  真夏に降り積もった雪の様に降り注がれており、往年の「環七系」だ。
  一口、蓮華でプースーを啜れば、醤油ダレの味わいが強めに出ているが、
  豚骨の出汁が存分に出つつも、後味すっきりな円やかさが口内を包む。
  そして、丸で、甘酒を飲んだ際に、麹の食感が口に感じられるかの如く、
  大量の背脂が、プースーと相俟って、口内に運ばれて来るのが分かる。
  嗚呼、何とも懐かしい…。
  麺は細目の縮れ麺で、背脂の持ち上げが良い。
  「巣鴨ラーメン」時分は、こんなに細かった印象は無いのだが、
  移転を機に、麺も替えたのだろうか…。
  具の叉焼は、大きさ、厚味こそ派手さは無いが、五、六枚は入っている。
  やや硬めで、赤身の部位は確りとした噛み応え、弾力が有り、
  脂身は蕩けると言うよりは、ブリンとした食感だが、味付けは良い。
  当時は高嶺の花で頂けなかっただけに、此れを頂ける感動に浸りたい。
  麺麻は入れ忘れられだろうか、入っていなかったナァ~。
  玉子は半個入り、黄身が白身から剥がれてしまった。
  流石にプースーを飲み切りはしないが、青春の味に再会出来て嬉しかった。
  時間の掛かるつけ麺の注文が入る度、店主が面倒臭そうではあったが…。