◆「上州御用 鳥めし本舗 登利平」【高崎】
◎「上州御用 鳥めし松重」九〇〇円
…月曜日。
金曜日から二泊三日の予定で、山梨県、長野県を巡る旅に出る。
折角、此処迄来たのだから、父親の実家へ寄り、祖父母に線香を手向けよう。
此処何年も、仕事の為に盆も正月も寄れず、不義理をしているので…。
事前に連絡無しに立ち寄れば、叔父夫婦が出迎えて呉れ、歓迎して呉れる。
どうせなら泊まって行けと言って呉れ、御言葉に甘え、旅程を一泊延長。
こんな事も有ろうかと、翌月曜日も特別休暇を充てていたのが奏功する。
夕方、数年振りに近所を散歩し、子供の頃、祖父が沢蟹を獲って呉れた田圃や、
稲穂の実った畑、小さな神社を巡り、山に囲まれた風景に癒される。
本気で、山への移住を考えようかと思った程だ…。
父親の実家で一泊し、月曜日の朝、九時に出立する。
後は帰るだけなので、途中、軽井沢に寄って買い物をし、碓氷峠を下り、
十三時を過ぎ、昼御飯を済ませて帰ろうと、駅ビルヂングの此方へ。
群馬県で知らない人は居ない、鶏飯で名高い「登利平」。
仕事で毎週の様に高崎に通っていた頃以来なので、三年位振りだろうか。
店内に入り、此の旅最後の食事なので、奮発して「松重」を発注。
此の「松重」には、胸肉と腿肉が入るので、二種類が愉しめる贅沢品だ。
此方の鶏肉は、国産雛鶏を使用し、ヴィタミン、ミネラル分豊富な餌を与え、
肉質の軟らかい若鶏を育成していると言う拘りが、舌で理解出来る。
胸肉はともすると、パサついて、味気無いと感じられるが、此れは違う。
しっとりとした瑞瑞しさが有り、何だろうか、此の優しい口当たりは。
普段、胸肉は回避し勝ちだが、此れならば率先して頂きたいな。
一方の胸肉は、プリッとした肉質で、弾力と軟らかさを兼ね備えている。
皮の香ばしさが何とも言えず、タレの旨さを感じさせて呉れる。
甘辛い味付けだが、諄さや甘ったるさは無く、上品な味に仕上がっている。
米、鶏肉、タレ、夫々が夫々の良さを引き出し、引き出されている逸品だ。
一〇〇〇円の「唐揚げ定食」が大いに気に成ったが、其れは次回の御愉しみ…。
~御負け~
郷愁を誘う、田舎の風景に心が洗われる。