◆「宮原酒場 もつ焼きエビス参」【宮原】
…一一月一一日。
一並びの此の日、何とか代休を宛がい、束の間の休日。
朝から秩父へと出掛けるも、著しく気分を害したり、折角の休日が台無しだ。
十八時半過ぎに帰宅し、一息吐き、明日への英気を養いに外へ出る。
水曜日なので、生憎、「鮨処 いっしん」は定休日なので、目星は付けてある。
六月の生肉提供禁止以降、すっかり御無沙汰している此方だが、
低温調理で加熱した生肉風の肉刺しを提供している様なので、いざ突撃。
五月三〇日以来、五ヶ月半振りだ…。
◎「生ビール(ジョッキ)」四九〇円
…平日とあって、店内は空席が目立ち、安心して好きな席に陣取れる。
奥の窓側の席に腰掛け、先ずは此の日の口開けに麦酒を発注。
日中はずっと運転していた為、一日振りの麦酒は格別だ。
シュワっとした苦味が、爽快に喉を駆け抜けて行く。
御通しは例によって、大韓民国海苔。
◎「ハツ刺し的」五〇〇円+「ハラミ刺し的」五〇〇円
…麦酒を一杯空け、そろそろ、主役の物を頂いてみよう。
卓上のメニューを見ると、「レバ刺し」、「ハラミ刺し」等と記されており、
以前の儘の物を使用している為、念の為、如何成っているのかを確認。
すると矢張り、低温調理で火を入れている物に差し替わっているとの事。
其れでは、心置き無く、クーニーを纏めて発注。
初めに出て来たのが、ハツとハラミ。
当たり前だが、何だか、随分と白茶けているぞ。
一緒に出されたテレレに付けて、先ずはハラミから行ってみよう。
ムニッとした食感は健在だが、生の旨さとは大きく乖離するな…。
むっちりとした肉の旨味が迸ると言った感じは半減。
ハツはと言うと、此方は比較的、生の物との開きが小さいかしら。
さっくりとした歯応えで、あっさりした味わいは中々だ。
◎「タン刺し的」四五〇円+「レバ刺し的」四〇〇円
…さて、続いては、生肉で抜群の旨さを誇った、レバとタン。
火を入れた事で、タンは何だか、随分と様変わりしてしまったな…。
生のタン刺しは、歯を押し返さんばかりの力強い弾力と、コリコリとした、
何とも言えない食感が秀逸だったが、ホルモン焼きの様な感じがしてしまう。
レバはと言うと、極力、赤味を残し、生っぽさを維持しているなと言う、
努力、頑張りが見て取れるが、果たして、味は如何様か。
レバは火が入ってしまうと、特有の風味が纏わり付いてしまう。
う~ん、悪くはないのだが、生には足元にも及ばないか…。
口内でトロっと蕩ける感じは良いのだが、其れでも、生と比べたらね。
無い物強請りの子守唄だが、世の中、何にしても「ナマ」が一番だわね…。
◎「レバテキ」一八〇円
…レバは串焼きも発注してみる。
店長氏が丁寧に食べ方を指南して呉れる。
胡麻油のテレレで先に食べ、後から、上に乗った大蒜で食べるのが良いと。
串から外し、先ずは、胡麻油を塗して頂けば、うん、此れだ。
中が半生の為、「レバ刺し的」よりも、此の方が生っぽさが味わえる。
中がしっとりとして、ひんやりしている位が丁度良い。
大蒜は辛味が効いていて、ピリッと引き締まる。
◎「ポテトサラダ」三八〇円
…肉だけだと何なので、目先を変えて違う物を。
普段、野菜は排除しているが、如何も、じゃが芋サラダだけは惹かれる。
野菜比率が低く、第一、じゃが芋は炭水化物なので、好きは当たり前。
特筆すべき点は無いが、箸休め的な感覚で、チビチビ頂ける。
◎「自慢の牛スジ煮」五〇〇円
…さて、ホッピーも随分と捗っているので、味の濃い物が良いわね。
「自慢のモツ煮」も有るのだが、関東地方では筋煮は馴染みが薄いので、
「自慢」と言う位なら、任せて発注してみようと、此れを御願いする。
牛筋はゼラチン質の部位は少な目で、赤身の部位が多目に入っている。
甘辛い味噌味で、煮玉子が一個分入っていると言うのが有り難い。
麦酒一杯、ホッピー六杯を呷り、憂さを晴らし、ヘベのレケの駄目中年…。