続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「三橋の森 カフェボスケ」【大宮】

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◆「三橋の森 カフェボスケ」【大宮】

 ◎「本日のパスタ」九八〇円

 …昨日。
  今週も何とか漕ぎ着けた週末。
  全身の倦怠感、絶望的な肩凝り、デーゲームの近鉄内野手の様な目の下の隈、
  何れも緩和される気遣いも無く、寄る年波にも勝てず、永眠願望は募るばかり。
  厄年が寿命の筈なので、残りの時間は残り少なく、すべき事は多い筈だが、
  日常や、目先の生活費を稼ぐ事に追われ、「終活」が何一つ出来ていない。
  尤も、僕の場合、死後に見付かったら恥ずかしい物を処分する程度の事だが…。
  然し、四〇年も無駄に生きて来て、其れだけってのも情け無いな。
  財産も、貯金も無いし、残す物も無いと言うのは…。
  さて、今週末も何だかんだで、身辺整理をする暇も無い様だ。
  午前中から来客が有り、昼過ぎに外へ食事を摂りに出る。
  場所は何時の間にか、大宮区は三橋に在る、小洒落た茶店に決まっていた様だ。
  自動車で向かい、現地に着けば、住宅街に突如として森が出現し、
  御洒落臭がプンプンと漂い、何とは無しに場違いだと咄嗟に判断する。
  敷地内には、不幸の式典、もとい、結婚式を執り行う施設も在り、
  丁度、人生の墓場へと旅立った番いが一組居り、全く以って御愁傷様…。
  余所のアベックは兎も角、自分の空腹の方が余程心配だ。
  予約の時間迄暫く待たされ、漸く席に通され、メニューを眺める。
  勿論、運転なので、ルービーは御預け…。
  メニューは然程多くなく、ゲッティーかレーカーしか無い様だ。
  何と無く、ゲッティーの方が良さげなので、五種類の中から選択する。
  「本日のパスタ」と言うのが有るが、頼むから、「パスタ」と言うのは止して。
  死ぬ程に恥ずかしいので、「スパゲッティー」じゃ駄目なのか…。
  さて、スパゲッティーは何れにしても、「本日の」に限る。
  「昨日の」とか、「先一昨日の」じゃ、中りゃしないか心配なのでね。
  何でも、本日の内容は、桜海老の赤茄子味の物らしい。
  彼是と考えるのも億劫なので、其れに決め、細麺か太麺が選択出来ると言う。
  ラーメン屋か!と突っ込みたいのを堪え、太麺で御願いする。
  店内は木っ端アベックや、幸せを装った仮面家族、躾の出来ない親と子で溢れ、
  此れは、出て来る迄に時間が掛かるなと、腹を括る。
  案の定、宍戸錠、配膳迄に三〇分以上を要し、まあ、致し方無かろうな。
  其の出て来たゲッティーはと言うと、ラーメンか饂飩かと見紛う程の太麺。
  ナポリタン饂飩とでも言った方が正しい様な気さえする。
  いざ、不器用にもフォークに巻き付けて頂いてみる。
  おおっ、何だ此の空前絶後の弾力と食感は。
  もちもち、もっちりなんて擬音では到底賄えない程の弾性だ。
  今迄に感じた事の無いゲッティーの食感に、おぢさん驚いちゃう。
  味付けはと言うと、其の物ずばり、赤茄子味。
  微かに大蒜の風味は感じられるが、控え目で、主張し過ぎる事は無い。
  具は桜海老、玉葱のみで、肉っ気は無し。
  分かっては居たが、其れは其れで寂しいが、無い物強請りの子守唄だ。
  具沢山も良いが、こう言う簡素なのも良かったりするのだ。
  量は非常に御洒落な店なので、大盛り、増し増しが出来る訳も無く、御上品だ。
  腕白中年は物の二、三分で食べ終えてしまい、〆に選択した冷やし珈琲牛乳、
  ブルジョワジーの世界では、アイスカヘラテとか言うらしいが、
  其れを飲み干し、晩の呑み会に備えて、胃袋に余裕を作って置く。