続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「中華そば 麺や食堂」【本厚木】

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◆「中華そば 麺や食堂」【本厚木】

 ◎「味玉そば」八四二円+「ふわとろワンタン」一〇八円

 …一昨日。
  二月十四日、世間様一般は情人節らしく、加加阿の種子を煎って粉にした物に、
  牛乳、牛酪、砂糖、香料等を加えて練り固めた菓子をあげる、あげないで、
  一喜一憂する日らしいが、僕の様な初期高齢者には最早関係無い。
  馬鹿馬鹿しいとしか思えない辺り、歳を取った証拠だろうか…。
  さて、話は遡って火曜日。
  此の日は朝一でBOOK厚木に向かい、一つ仕事を済ませ、昼に成り、
  夕方から蟹工船に乗船すべく、波止場に向かわねば成らない暮らし振り。
  普段は池袋だが、此の日はBOOK厚木で昼御飯を済ませてから移動しよう。
  滅多に無い機会なので、厚木で一番の人気店の此方へ御邪魔してみる。
  昨年四月二十三日以来、九ヶ月半振り、二度目の訪店。
  店頭には三、四名の待ちだが、此れならば御の字だ。
  予想通り、一〇分程で店内に入り、程無くして席に案内される。
  前回は「ちゃーしゅーそば」に「味玉」を頂いたが、今回は如何しよう。
  悩んだ結果、「味玉そば」に、雲呑気分だったので、「ふわとろワンタン」を。
  雲呑、餃子、春巻、焼売の類は、偶に身体が欲するわね。
  其れから五分程で、ラーメンが素早く配膳される。
  此の見た目の美しさには、思わず息を飲んでしまう。
  プースーの表面は、キラキラと香味油だろうか、油が煌めき、何とも眩しい。
  此の透き通った、輝くプースーが満々と湛えられ、濛々と湯気が立ち上る。
  そして、麺が更に素晴らしい。
  丸で、枯山水の庭園の玉砂利の砂紋を思わせ、感嘆の声を上げたくなる程。
  箸を付けるのが惜しい程に、優美で幽玄なラーメンだ。
  先ずは、蓮華を手に取り、輝かしいプースーから啜ろう。
  魚介の馨しい風味と、鶏ガラと思しき動物系のコク、醤油の切れが絶妙だ。
  出汁は瀬戸内の「粟田水産」の上煮干しと、特殊製法で仕上げた鰹節を使用し、
  低温温風乾燥で自然の味を閉じ込め、酸化防止剤に天然ヴィタミンEを用いた
  煮干し、高イノシン酸保有する鰹だけを使用し、コクの有る出汁に仕上げた、
  そんな能書きが書かれているが、良く分からないが、旨い事には間違い無い。
  水は、出汁の味を最大限に引き出す為、一千万分の一と言う極小の濾過機で、
  不純物を極力取り除いた「RO水」と言う物を使用しているとの事。
  醤油は、料亭で使われるヒゲタの「本膳」で、醤油の旨味を表す窒素の数値が、
  通常一.五から一.八位に比べ、「本膳」は二.〇と言う事で、
  出汁に円やかさを加える唯一無二の醤油と本醸造濃口醤油を配合と言う。
  其の能書き、拘りに裏打ちされた旨さで、立て続けに何口も啜ってしまう。
  香り付けとして、香味油を使用している様で、大和豚で抽出した上質な油で、
  大蒜、生姜、葱をじっくりと炒め、臭味を取り除いた後、黴付け後、
  二年間熟成させて旨味を凝縮した鰹節を加え、風味を閉じ込めていると言い、
  香り豊かで芳醇な味わいは、此の油に因る物なのだろう。
  続いては、しなやかで可憐で、流麗な細麺を啜る。
  小麦粉は北海道産「春よ恋」を主体に、強い腰を付加する為、
  亜米利加合衆国、加奈陀産の「ダークノーザンスプリング種」を配合し、
  添加麩質、酸化防止剤は一切不使用を謳い、身体にも良さげだ。
  製麺機は工場等で使用する大型の機械を使用しており、
  個人店等で所有する機械の圧は通常六寸だが、大型機械であれば、
  八寸の圧を掛ける事が出来、歯応えの有る程好い弾力を生み出せるらしい。
  啜り心地が良く、噛むとバツっと千切れ、食感が官能的だ。
  何だろう、此の、噛んだ時の気持ち良さ、悩殺的な旨さは。
  俄かに衝撃を受ける程で、此のラーメンに魅了され、虜と成る。
  具は、赤身が多目で、程好い噛み応えの高座豚の豚叉焼一枚と、
  しっとりとした軟らかさが特徴的な鶏叉焼一枚。
  味付け玉子は、箸で持つと黄身の半熟度合いが分かり、噛むと黄身がピュッと、
  何かの桃色映像で見覚えの有る液体の様に飛び出る程。
  ねっとりと濃厚な黄身が、プースーと相俟って、最高に旨い。
  雲呑はと言うと、トゥルン、プルン、ツルンとして、此れも珠玉だ。
  他に、麺麻二本、海苔、青葱も入り、参ってしまうな。
  勿論、プースーは綺麗に飲み干し、一滴たりとも残したくない程。
  食べ終えれば、女店員さんが店外迄御見送りの好感接客が此方の売りでもある。
  全てに於いて素晴らしいな。