続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「利尻昆布ラーメン くろおび」【大門】

◆「利尻昆布ラーメン くろおび」【大門】

 …昨日。
  漸く漕ぎ着けた、待望の、待ちに待った、唯一の救いの休日。
  ブルジョワジー様ではないので、五連休、九連休なんて事は有り得ない。
  来週も普通に蟹工船乗船生活で、心身を削る毎日が待ち受けている…。
  嗚呼、せめて、暦通りに休んでみたい。
  五連休なんて、僕には許されず、休んでも問題無い人員は確保しているのだが、
  呑気に休んだら、後で何を言われるか分からないので、黙って労働しよう…。
  さて、話は遡って昨日。
  日頃の人間関係や、様々な問題で、著しく、心身の疲労で損傷を受けてしまい、
  人として駄目に成っているので、薄汚れてしまった心を、ちったぁ清めようと、
  神社仏閣を巡る散策に出る。
  浜松町駅で下車し、芝大神宮、増上寺を参り、正午も過ぎたので、昼御飯。
  事前に検索した此方で、利尻昆布ラーメンとやらを頂いてみよう。

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 ◎「エビス生樽(中)」五〇〇円+「チャーシュー盛り」五〇〇円
 …店に着くと、行列は無いものの、店内満席の様で、暫し、外で待機。
  五分程で中に通され、歩き疲れた身体を、ヨッコイ、ショーイチ。
  取りも直さず、此の好天、偶の休日、適度な疲労感、此れ等が揃わなくても、
  先ずはルービーを発注し、給料日明けなので、豪気に摘みも発注しよう。
  小振りなジョッキだが、良く冷えて、本物の麦酒は矢張り、格が違う。
  普段呑み慣れた密造酒の様な紛い物とは訳が違う。
  叉焼はと言うと、見た目と違い、思いの外に軟らかく、ホロっと解れる。
  下に敷き詰められた葱も、深谷出身としては嬉しい限り。

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 ◎「くろおびラーメン(塩)」一〇〇〇円
 …さて、ラーメンはと言うと、屋号を冠した、此のラーメンを発注。
  俗に言う、具の全部乗せで、塩か醤油を選択出来、珍しく、塩味で御願いする。
  何でも、此方は完全無化調に拘り、其の結果、利尻昆布に辿り着いたと言い、
  其れならば、塩味が良いのではないかと言う発想だ。
  黄金色にきらきら輝くプースーは、目映い程に澄んで美しい。
  蓮華を手に取り、其の透明感の有るプースーを啜る。
  おおっ、何とも出汁が効いて、ともすれば物足り無さを覚える塩ラーメンだが、
  出汁が効いて確りと支えられているので、陳腐さの欠片も無く、
  優しい、滋味深い味わいで、昆布の風味、甘味もじんわりと浮かび上がる。
  個人的に、塩ラーメンは回避する事が多いのだが、此れは良いぞ。
  高級な利尻昆布に拘った余り、試作段階では、原価が跳ね上がり、
  売価が三〇〇〇円を超えると言う事態も有ったそうだが、努力で下げたと言う。
  材料は利尻昆布、魚介系六種、動物系八種、野菜五種を用い、
  昆布も水から一晩掛けて出汁を取ると言う、気の遠くなる労力が掛かり、
  正に、試行錯誤、努力の一杯と言えよう。
  其れだけに、じっくりと、丁寧に味わって頂きたい。
  麺は細麺で、しなやかさが感じられる、流麗な物。
  加水率は高目で、ツルツルとした口当たりで、茹で時間もやや長目か。
  出汁を絡め取る様にして纏わり付き、絡み、持ち上げも良い。
  具の叉焼は、先程も摘みで頂いたが、プースーに浸されれば殊更に軟らかく、
  程好い厚味も有り、食べ出は十分で、豚臭さも無く、赤身、脂身の均整も良い。
  海老雲呑は二粒入り、中には海老の身が入っており、プリッと、トゥルンと、
  食感も心地好く、プースーの出汁を吸って絶妙だ。
  穂先麺麻は、根元はシャキシャキと、先っぽは軟らかく、上品な味わい。
  味付け玉子は黄身が半熟で、トロンと蕩け、最高の出来栄えではなかろうか。
  他には白髪葱、糸唐辛子、阿蘭陀芥子が乗り、何とも小洒落ている。
  そして、驚きなのは割り箸だ。
  何処と無く、高級感の漂う箸だと思っていたが、奈良県吉野産の檜の割り箸で、
  無化調のプースーを台無しにしない様、漂白剤、保存料を使用していない、
  安全で香りの良い箸と言う拘り様で、恐れ入り谷の鬼子母神だ。
  こんな貴重で希少なプースーを残しちゃ失礼だと、全て綺麗に飲み干す。
  偶には、上品であっさりとした塩ラーメンも宜しいわね。
  身も心も清らかに成ったかの様な心持ちだ…。

~御負け~
芝大神宮。
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