続・ROCK‘N’ROLL退屈男

続・ROCK‘N’ROLL退屈男 B面⇒https://twitter.com/RandR_taikutsu

「俺系らーめん 藤本」【本厚木】

イメージ 1

◆「俺系らーめん 藤本」【本厚木】

 ◎「ワンタンメン」九〇〇円

 …昨日。
  世間様は黄金週間を前に、浮き足立ち、浮かれ狂おうとしているのが癪だ。
  五連休だの、九連休だの、全く以って不愉快極まりない。
  そんなのは夢の又、夢。
  馬車馬の様に労働し、襤褸雑巾の様に成って、壊れたら其れ迄。
  既に、心身の疲労が甚だしく、此の儘、地獄の様な繁忙期に突入し、
  其れを乗り切れる自信は無いが、心身が崩壊する自信は有る…。
  末端のぺーぺーは、文句も言わず、黙って只管に労働するのみ。
  何とか、死ぬ迄生きようと、固く決意する…。
  さて、話は遡って昨日。
  此の日は朝一でBOOK厚木へと出掛け、仕事を熟す。
  何とか片付き、十三時半を前に、池袋へ戻る前に、偶には昼食は頂きたい。
  毎日ちゃんと摂れる様なブルジョワジー様とは訳が違うので。
  休憩や食事すら摂れないと言う、人間らしい暮らしすら出来ない人種なので。
  折角のBOOK厚木で頂く機会なので、無駄にはしたくない。
  お気に入りの「麺や食堂」や、無難な「横浜家系ラーメン 壱七家」も良いが、
  彼是と検索すると、三月十六日に、小田原系のラーメン店が新規開店したとな。
  奇しくも、「麺や食堂」、「厚木本丸亭」と言う人気店の近くに在る様だ。
  旭町三丁目の交差点の角に在り、相模川が目と鼻の先。
  自動扉と思わせる手動扉を開けて店内に入り、券売機に向かい合う。
  何を隠そう、小田原系ラーメン童貞なのだが、何でも、雲呑麺を頂かないと、
  小田原系ラーメンを食べた内に入らないと言う格言も有るらしいので、
  此処は大人しく、素直に「ワンタンメン」の釦をポチっとな。
  大柄だが、異様に腰の低い、好感接客の男性店員氏に促され、カウンター席に。
  食券を手渡し、厨房内を見遣れば、他に店主氏、助手氏の三名体制で、
  うなずきトリオと同じ編成で、連携はぎこちなさが感じられる…。
  冷水を呷り、ヂッと出来上がりを待ち、一〇分程で店主氏より丼を受け取る。
  「熱いですよ」と念を押され、此れは何かの振りなのかと悩む事も無く、
  慎重に丼を手元に下ろし、蠱惑的な佇まいに期待が高まる。
  いざ、蓮華を手に取り、先ずはプースーから啜ってみよう。
  表面は豚脂と思われる油層が構築されており、熱熱で猫舌泣かせだ。
  ロイクーなプースーなので、塩っぱいのかと思うも、甘味が感じられ、
  豚骨の出汁が効いているが、諄さは無く、旨味の凝縮されたプースーだ。
  小田原系ラーメンの定義としては、プースーはロイクーで甘目の醤油豚骨で、
  化学調味料を使用していると言うらしいが、正に、其の通りの正統派か。
  麺はと言うと、平打ちの太麺で、表面はツルツルとした口当たりで、
  ピロピロとした感じは余り無く、モチッとした食感が印象的。
  そして、一際、存在感を誇示しているかの様な雲呑。
  丸で、水餃子かと見紛う程の大きさで、此れも小田原系ラーメンの特徴らしい。
  此れが五つ入り、皮はトゥルンとして、中の餡は生姜が効いている。
  麺麻は極太の物が四本入り、ポリポリとした歯触りが心地好い。
  麺の上には大量の萌やしと三つ葉が此れでもかと乗っかる。
  叉焼はと言うと、確りとした噛み応えの、腿肉と思しき物が二枚入り、
  然も、厚味も有り、此れも又、食べ出が有り、味付けもちゃんとしている。
  一二〇〇円の「チャーシューワンタンメン」と迷った程だ…。
  其れにしても、具沢山で、此れで九〇〇円ならば費用対効果は大きかろう。
  其れと、兎に角、熱いので汗だくで平らげる。
  思わず、プースーは残らず飲み干し、風呂上がりの様な状態。
  丼を上げて退店すれば、新規開店なのかコカコーラの二八〇ミリリットル缶を、
  宜しければと有り難く頂戴し、外の涼風に吹かれ、重たい足取りで池袋へ…。