◆「麺屋 なると」【日進】
◎「特製濃厚鶏塩そば」九八〇円
昨年後半に初めて御邪魔して以来、一、二ヶ月に一遍程度だが、
刺身と烏賊の塩辛を買い求めている「赤柴魚店」。
街の魚屋さんと言う雰囲気が堪らなく、昭和一〇年創業と言う昔乍らの鮮魚店。
冷蔵の陳列棚には、刺身用の柵が食品用樹脂薄膜で包装され、
手書きの価格が記されてあり、其れを発注し、其の場で捌いて盛り付けて呉れる。
今日は「中とろ」、「本ダイ」、「赤イカ」、「まぐろ中おち」等の中から、
「特上(赤身)」、「キンメ」、「スルメ」を選択し、休日最後の晩酌の当てに。
今や、買い物と言えば大型食料品店ばかりで、勿論、「角上魚類」も良いのだが、
酒呑みに成って以来、こう言う町場の鮮魚店で、肴を購入するのに憧れている。
此れが、徒歩数分と言う至近距離に在るのが最良だが、そうも行かないので、
偶にしか御邪魔出来ないが、こう言う店はずっと存在して欲しい限り。
魚に違った味わいが加味されるのだ。
◆「中華 六長軒」【日進】
◎「酢豚定食」九五〇円
埼玉県魚市場内「山正」で購入した箱雲丹。
昨今の情勢で、普通ならば寿司屋、居酒屋、割烹に行く筈の高級雲丹が一般に出回る。
店のあんちゃん曰く、普段ならば此れで二万円はするらしい。
高級な紫雲丹が五八〇〇円の値付け。
其れを五五〇〇円に負けて呉れた上、一緒に購入した真子鰈、鰹の刺身の合計から、
五パーセントを引いて勉強して呉れる。
昼間に頂いた「いさば寿司」での生雲丹の味、盛りが素晴らしく感動し、
其方を運営する此方の店舗で購入しただけあって間違いは無い。
無論、明礬臭さとは無縁で、味が濃く、膨よかな甘味が芳醇で、最高の逸品。
此の陰鬱とした毎日を蹴散らす位の旨さで、今年一番の高級な買い物。
毎週土曜日の一般市場開放を活用したいものだ。